ぼくセザール 10歳半 1m39cmの紹介:2003年フランス作品。1m39cmから見た大人の世界、子供の世界。セザールの独白が日常の不条理を切る?ほんわかコメディ。
監督:リシャール・ベリ 出演:ジュール・シトリュク、ジョセフィーヌ・ベリ、マボ・クヤテ、マリア・デ・メディロス、ジャン=フィリップ・エコフェ、アンナ・カリーナほか
映画「ぼくセザール 10歳半 1m39cm」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぼくセザール 10歳半 1m39cm」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ぼくセザール 10歳半 1m39cm」解説
この解説記事には映画「ぼくセザール 10歳半 1m39cm」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぼくセザール 10歳半 1m39cmのネタバレあらすじ:セザールは不満がいっぱい
おませなセザールの不満は回りが自分を子供扱いする事。パン屋へ行けば坊やと呼ばれて敬語も使ってもらえない。父親は権力を振りかざす。そんな父親は元共同経営者が亡くなってから、警察が来たり何かと不穏なのに子供の自分には詳しくは教えてくれない。ある日、妊娠中の母親を残して知らない人と「旅」に出てしまった。旅ではなく警察に連れて行かれてしまったんだ、と勘違いするセザール。学校でその話をすると一日で有名人になり、今まで彼を馬鹿にしていた同級生も優しく声をかけてくれるように。校長先生も校長室で優しく話を聞いてくれた。がんばらなければと父親に手紙を書くと、母親は怪訝そうにしながらも手紙を出してくれた。ところが父親はマルセイユの友達の所に行っていただけと言う事が発覚。帰ってきた父親は、セザールの想像で犯罪者にされてしまった事に怒り、学校にやってくると廊下に呼び出しビンタ。セザールに同情を寄せていた同級生と校長先生はみんな手のひらを返した。話を聞いてくれるのは、親友のモルガンと、転校生のサラだけ。おまけに一週間田舎の母親の実家にあづけられてしまう。
ぼくセザール 10歳半 1m39cmのネタバレあらすじ:イケメン親友モルガンと、可愛い転校生サラ
親友のモルガンは看護師をしている母親と二人暮らし、セザールの目にも彼は自立していてカッコいい。週に一日だけ彼の家に泊まりにいって感じるのは、自分の家にはない自由。転校生のサラはとても利発、学校で父親に殴られたセザールの頬を冷やしながら、訴えようと励ましてくれる。そんな彼女と一緒に下校する仲にまでなったけれど、シャイなセザールは相槌しか打てない。彼女の家の前まで来ると、表で彼女の両親を紹介してくれる。離婚をしているけれど仲は良好、むしろテンションの高いサラの父親にびっくりするセザール。学校のピクニックについてくるほど子煩悩なサラの父は少しから周り気味。セザールとモルガンがサラの友達だと知ると、郊外の自宅に招待してくれたサラの父。サラからすれば、新しい恋人のいる自宅に娘だけを呼ぶのは気まずいというのが本音らしい。お昼の食事をしながら、ずけずけと話をするサラの父と新しい恋人に、三人は辟易してしまう。その夜、三人で寝床につこうとすると、モルガンがロンドンに父親を探しに行く計画を立てる。英語の堪能なサラは通訳として自分を連れて行くように頼む。モルガンとサラがこれ以上仲良くなるのを阻止したいセザールも付いて行く事に。
ぼくセザール 10歳半 1m39cmの結末:モルガンの父親を探してロンドンへ!
ユーロスターの切符とロンドンでの旅費は目下反攻中のセザールの父親のクレジットカードから引き出し、それぞれのうちに泊まる口裏を合わせて、パリからロンドンへ旅立とうとするのだが、パスポートを持っていないセザールは置いてきぼりになりそうになったが、他の学童ツアーにまぎれてユーロスターに乗る。いざロンドンについてみたはいいものの、手がかりは名前と職業しかない。駅に電話帳はなく、図書館へ行くが同じ名前が数ページ。司書にばれないようにそのページを破り一軒ずつしらみつぶしに回る事にした。数件目、すこし怪しげなアパートでフランスに三週間滞在していたという男に辿りつく。彼はモルガンを見て喜ぶが、彼が滞在していたのはパリではなく、恋に落ちたのはモルガンの母親ではなかった。身の危険を感じた三人は逃げ出し土地勘も無いロンドンを走りくたくたになって公園まで逃げる。そこで喉が渇いたというサラに、モルガンとセザールは言葉もわからないまま軽食屋でコーラを三つ買おうと四苦八苦していると、フランス語の出来る店主グロリアに助けられる。ようやく飲み物を手に入れ公園に戻ると、サラがいない。可愛いサラに何かあったら大変だと、グロリアに助けを求め、セザールがチンピラに絡まれるハプニングも合ったが何とかサラを見つける。サラもなかなか帰ってこない二人を探していたようだ。グロリアが知り合いの警察に頼んでくれたおかげで翌日には、モルガンの父親らしきフランスにも滞在経験のある記者の所へ。セザール、サラ、グロリアが車で待っていると、モルガンが三人を家に招いた。どうやら当たりだったようだ。モルガンの父は、ロンドンで奥さんと三人の子供と暮らしていた。彼は自分の子供たちにモルガンは自分の息子で、子供たちのお兄ちゃんだと改めて紹介する。 念願の父親との再会も果たし、三人がパリへ戻ると、駅には親たちが集まって怒り顔で待っていた。モルガンの父親が母親に報告したことから広まった模様。パリまで同行していたグロリアがいなかったら雷を落とされてとんでもない事になっていただろう。以降、モルガンの父親は定期的に彼の元を訪れるようになり、サラの父親は恋人と別れ、セザールの父親は今まで母親に任せっきりだったセザールときちんと話すようになる。ロンドンへの冒険で少し自信のついたセザールはサラとの距離も縮まった。
ぼくセザール 10歳半 1m39cmについて:子供の目線から見えるフランス
この作品のおもしろいところは、カメラの目線が子供と同じ高さにある点。人や物が異様に大きく感じる。そういえば子供の頃はこんな感じで世界を見ていたかも知れないと、思えてくる。視線のたかさのせいか、セザールの独白のせいか、モルガンはカッコいい男が憧れる男の子に見えるし、サラも魅力的な女の子に見える。逆に大人は終始上から見下げてくるのを感じる。ユダヤ系の厳しい家庭に育ったセザール、シングルマザーの下で逞しく育ったモルガン、自由すぎる両親の元で自立したサラそれぞれの家庭模様もおもしろい。そして反抗しつつも最後には親の所に帰る三人と、心配半分怒り半分の親たちとの対峙するシーンは、ちょっと感動する。セザールの独白には出てこなかったが、モルガンの家の戸棚や冷蔵庫に張ってある母親からのメッセージメモにも注目したい。親は子供に消して無関心ではないというのがわかるのは、見ていてほっとする。
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