ディア・グランパ 幸せを拾った日の紹介:2018年カナダ, アメリカ映画。息子の学費のために長らく無視していた父親に連絡をしたローラ。息子と父親を車に乗せロサンゼルスへの旅が始まると、息子と父親は彼女の知らぬ間に秘密を作り親しくなっていく、その行き着く先は?
監督:シャナ・フェステ 出演者:ヴェラ・ファーミガ(ローラ)、クリストファー・プラマー(ジャック)、ルイス・マクドゥーガル(ヘンリー)、クリストファー・ロイド(スタンリー)、クリステン・シャール(ローラの妹)、ボビー・カナヴェイル(レナード)、ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン 2世、ピーター・フォンダ、ドリー・ウェルス(ソフィア)、ライアン・ロビンズ、ほか
映画「ディア・グランパ 幸せを拾った日」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ディア・グランパ 幸せを拾った日」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ディア・グランパ 幸せを拾った日」解説
この解説記事には映画「ディア・グランパ 幸せを拾った日」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ディア・グランパ 幸せを拾った日のネタバレあらすじ:起・父親とコンプレックス
幼少期に父親が不在のせいでコンプレックスを抱えたまま母となったローラ(ヴェラ・ファーミガ)。怪我をした動物や捨てられたペットを見つけては拾ってくるクセがたたり、恋人とも長続きせず、息子のヘンリー(ルイス・マクドゥーガル)も、母の恋人の魂の絵と称して裸を描いては恋人に怒られていた。
そんなヘンリーは学校でいじめられており、ある日、暴力沙汰を起こし、もう手に負えないと退学を宣告された。どうしても学校を卒業してほしいローラは、新しい学校の費用を無心するために無視し続けた父ジャックの携帯に電話を掛けた。
するとジャックは老人ホームを追い出される寸前で、助けてくれたら学費を工面すると言ってきた。仕方なくローラは妹(クリステン・シャール)に父親と一緒に住んでくれるように頼み、老人ホームから妹の住むロサンゼルスまで送ることにした。
ディア・グランパ 幸せを拾った日のネタバレあらすじ:承・父親と息子の約束
ローラは勤め先の友人ソフィア(ドリー・ウェルス)の屋敷で、料理人の男性に欠勤の口実と引き換えにデートの約束をし、父親を迎えに行った。
元麻薬の売人だった父親は、今でも老人ホームの片隅で大麻を育てており、ローラが手続きをしているうちにヘンリーにひと房隠し持たせ、老人ホームを出た。そして、ガンで余命宣告をされていると明かし、一緒に過ごしたいと話した。
渋々了承したローラだったが、途中でカーナビの行き先を変えられ、父親の旧友のスタンリー(クリストファー・ロイド)の家へ到着。
父親は20万ドル分のマリファナを売りさばき、誕生日に振り込むと言って、ここまで大麻の事を隠していたヘンリーを味方につけ、ローラに隠れて介護用のおむつに隠したマリファナをトイレに行く振りをして、道々にたむろする若者に売った。
急に距離を縮める二人を見て、ローラは父親にヘンリーに深入りしないよう釘を刺した。
ディア・グランパ 幸せを拾った日のネタバレあらすじ:転・元夫レナード
父親はローラの元夫レナード(ボビー・カナヴェイル)に大量のマリファナを売るために、ヘンリーを使って気乗りしないローラを丸め込み、彼の家に寄った。
一晩、レナードといい雰囲気で過ごしたローラだったが、翌朝、ヘンリーの学費を無心しようとすると、責任を持つのも約束をするのも嫌だと拒否された挙句、既に再婚していると告げられた。
娘を傷つけた事に怒った父親がレナードを殴ると、ショックを受けているローラに、父親の売りさばくマリファナの運び屋をしていた事もバラした。そしてトランクを開けると、もう売るまいと埋めていたはずのマリファナをヘンリーが掘り起こした泥まみれのそれが詰め込まれていた。
ローラは半狂乱で中身を道に投げ出したが、そこへパトカーがやって来て、冷静になった。そして彼女は麻薬所持ではなく、未払いでため込んだ駐車違反の切符を見咎められ、警察署に連行された。
ディア・グランパ 幸せを拾った日の結末:父と娘の答え
ロサンゼルスの妹の所へ到着し、最後に父親に頼まれ顧客兼友人の元へ連れて行くと、銃を持った覆面の男が二人入って行くのが見えた。実は父親の友人の孫のいたずらだったが、車に乗せてあった弓矢で割って入ったローラにその二人は逃げて行った。
父親の事で手一杯のローラは、度重なるソフィアのからの電話に嫌気がさして縁を切ると、空腹の息子や妹と父を連れ、夕食を楽しんだ。
翌朝、お金だけを残し、父親一人でいなくなっていた。相変わらず身勝手な父にあきれながら、ヘンリーと二人で地元へ帰ると、口実を作ってもらっていた料理人とデートの約束をした。
いつも通りの生活に戻っていくローラとヘンリーだったが、ある朝、FBIの真似をして驚かしてやって来た父親は、改めて一緒に住みたいと言い、三人での暮らしが始まった。ヘンリーが描く絵には色が付き始めていた。
以上、映画「ディア・グランパ 幸せを拾った日」のあらすじと結末でした。
ディア・グランパ 幸せを拾った日のレビュー・考察:人として、娘として、母として
ローラが動物を拾うクセは父親との車での旅の間も変わらない。それは過去に「父親に捨て置かれた自分」、「必要な時に父親にいてもらえなかった自分」を放置された動物に重ね、欲しかった愛情や慈愛を注いでいるように見える。同じく息子のヘンリーにも自分を同じように傷ついて欲しくないが故に気まぐれな父親(ヘンリーにとっては祖父)と親交を深めるのにも良い顔はしない。愛情を求めるがゆえに愛情を注ぐ彼女の未来は、改めて同居を申し込んできた父親と過ごすうちに明るいものになるだろうと、最後にヘンリーが書いた色の付いた絵を見て思った。
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