ブレーキ・ダウンの紹介:1997年アメリカ映画。極悪非道の犯罪グループに攫われた妻を救うため、孤立無援の戦いに挑む男の姿を描いたサスペンス・スリラー。サンティエゴまで旅をしていたジェフとエイミーは、砂漠で車が故障し立ち往生してしまう。偶然通りかかったトラック運転手レッドの提案で、エイミーは彼の車に乗せて貰い少し先にあるレストランに向かった。ところが全てはレッドが仕組んだ罠で、エイミーはそのまま拉致されてしまう。果たしてジェフは無事エイミーを見つけ出すことが出来るのか。
監督:ジョナサン・モストウ 出演者:カート・ラッセル(ジェフリー・テイラー)、J・T・ウォルシュ(ウォーレン・バー)、キャスリーン・クインラン(エイミー・テイラー)、M・C・ゲイニー(アール)、ジャック・ノーズワージー(ビリー)ほか
映画「ブレーキ・ダウン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブレーキ・ダウン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブレーキ・ダウンの予告編 動画
映画「ブレーキ・ダウン」解説
この解説記事には映画「ブレーキ・ダウン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブレーキ・ダウンのネタバレあらすじ:消えた妻
舞台は現代アメリカ。ジェフリー・テイラー(愛称ジェフ)は妻エイミーを新車の助手席に乗せ、砂漠のハイウェイを走っていました。2人はカリフォルニア州サンディエゴに引っ越すため、マサチューセッツ州から旅をしています。
途中、割り込んで来たトラックと危うく衝突しそうになりました。ガソリンスタンドに寄ると、先ほどのトラックに乗っていた男2人に因縁を付けられます。彼らの名前はアールとアル。見るからにたちの悪そうな2人に絡まれたジェフは、揉め事を避けるため仕方なく謝罪しました。
夫妻は苦々しい思いで、ボンネットを開けたままだった車に乗り込み出発します。ところがしばらく行くと車が動かなくなりました。無線機もなく、携帯電話も圏外なので使えない状況。夫妻が途方に暮れていると、1台の大型トラックが通りかかります。運転手のウォーレン・バー(愛称レッド)はとても親切な男で、8キロ先のレストランまで乗せて行こうと提案しました。レストランからレッカーを手配すれば問題は解決です。
しかしジェフは大事な新車を置いていくことに抵抗があり、結局エイミーだけ乗せて貰うことになりました。しばらく待って暇になったジェフは、ふと電気配線が抜けていることに気付きます。自力で車を修理した彼はエイミーが待っているはずのレストランへ向かいました。
しかし店にエイミーの姿はありません。店主にも聞いてみましたが、エイミーもレッドも立ち寄っていないそうです。ジェフは彼らが次の街まで行ってしまったのかも知れないと考え、店を出て車を走らせました。
ブレーキ・ダウンのネタバレあらすじ:レッドの狙い
車を走らせていたジェフは、偶然レッドのトラックを見つけます。無理やり停車させ、エイミーはどこだと尋ねるジェフ。しかしレッドは「人違いだ」「君と会った覚えはない」と言い出します。ジェフが困惑していると、ちょうど保安官が通りかかりました。ジェフは必死に事情を説明しますが、保安官は信じてくれません。
50キロ先の街で捜索願を出すように言われたジェフは、指示に従った後レストランに戻りました。すると駐車場で車を洗っていた青年ビリーが、エイミーを見たと証言します。彼の情報をもとに川の方へ向かったジェフの前に現れたのは、銃を構えたアールでした。
慌てて車を発進させたジェフは、そのまま川に飛び込みます。一旦車を捨て逃げようとしますが、ビリーに殴られ気絶してしまいました。目覚めたジェフの前には、エイミーを攫った犯罪グループが顔を揃えていました。
車に細工をしたアールとアル、偽の証言でジェフを誘き出したビリー。そしてグループのリーダー、レッドです。彼らはエイミーから聞き出した銀行預金9万ドルを渡せと要求してきました。エイミーは金と交換で引き渡すと話すレッド。
ジェフに断る道はなく、銀行へ行って可能な限りの預金を引き出そうとします。ジェフのただならぬ様子に支配人も何か感じ取ったようでした。
ブレーキ・ダウンのネタバレあらすじ:反撃
金の入った袋を抱えたジェフは、車で現れたアールに掴まれ車内に引きずり込まれます。上機嫌で札束を取り出したアールは、それが1ドル札で作られていることに気付きました。ジェフは激怒するアールに飛びついて血まみれになるまで殴り、エイミーの居所を聞き出そうとします。
しかしアールは情報を持っておらず、分かったのはレッドとの合流地点がハイウェイにある給油所ということだけです。そこに再び保安官が現れました。ジェフは車を降りて事情を説明しようとしますが、保安官は取りつく島もなく腹ばいになれと銃を向けてきます。
その隙を突いたアールが保安官を銃撃。更にジェフをも撃とうとするアールでしたが、倒れた保安官によって射殺されました。ジェフは保安官の無線で救急車を手配し、給油所に向かって車を走らせます。
ブレーキ・ダウンのネタバレあらすじ:奪還と逃走
給油所でレッドをみつけたジェフは、咄嗟に彼のトラックにしがみつきました。気付いていないレッドは自宅の農場に戻り、妻子と他愛もない会話を交わします。ジェフがこっそり納屋へ入って様子を見ていると、遅れてアルとビリーもやって来ました。そして彼らは暴れるエイミーを地下室のフリーザーに閉じ込めてしまいます。
レッド達が去った後、ジェフは急いで助けに向かいましたが鍵が頑丈で開けられません。そこでレッドのトラックから銃を盗み、家の中で寛いでいるレッド達に鍵を開けろと脅しました。レッドの悪事を知らない妻子は困惑し、怯えています。
ビリーを取り逃がしてしまったものの、ジェフは他の人間を皆納屋に連れて行きました。そしてやっとエイミーを救出します。そのままレッド達を地下室に閉じ込め、車を奪って逃げたジェフとエイミー。しかしビリーがレッド達を解放し、怒りを漲らせて追って来ます。
ブレーキ・ダウンの結末:橋の上の攻防
ジェフは必死に車を飛ばすものの、左右をアルとビリー、背後をレッドの車に囲まれてしまいます。ジェフは車を激しく左右に振るなどして対抗し、アルとビリーは事故死しました。しかしレッドは執念深く追いかけて来ます。
レッドは車ごとジェフ達を橋の上から落とそうとして、車体をぶつけてきました。ジェフは窓から脱出して運転席のレッドに掴みかかります。2人が暴れたことでレッドのトラックがバランスを崩し、宙吊りの状態になりました。ギリギリ持ちこたえていますが、ほんの少し力が加われば落ちてしまうでしょう。ジェフはレッドの足を掴み、橋の下へ落とします。
その後エイミーを救出し、夫妻はようやく安堵して抱き合いました。橋の下を覗いてみると、川の石に叩きつけられたレッドの姿があります。目を凝らすと僅かに動いていました。彼はまだ生きているのです。
それを見たエイミーは無言でトラックのギアを入れ、橋の下へ落としました。トラックはレッドに突き刺さるかのように落下します。ようやく終わった悪夢に夫妻が抱き合って座り込み、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ブレーキ・ダウンのあらすじと結末でした。
「ブレーキ・ダウン」感想・レビュー
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悲しみの青春さんへ
はじめから計画どおりです。
終盤の頃、3人が納屋で「二人一緒に乗せてしまえばもっと楽だったのに」という会話がありましたね。
誘拐、殺人、繰り返すクズの4人組でした。 -
本物かと目を疑うCG映像が、ネット上にはいくつもある。
映画の世界も、今やそんな本物まがいのCG作品が花ざかりだ。だが、そのほとんどは、ゴテゴテに飾り立てた空箱みたいなもので、見た目は楽しめるかもしれないが、力を入れたCGに見合うだけの作品は、意外と少ないようだ。
この映画「ブレーキ・ダウン」には、そんな無機質なCG映像はない。
あるのはただ、人間同士の駆け引きと、そこに生じる生身の闘いだ。
そして、これこそが映画本来の面白さだろう。広大なアメリカの人里離れたハイウェイ。一台の赤い最新型ランドクルーザーが走っている。
乗っているのは、テイラー夫妻で、夫のジェフ(カート・ラッセル)と、その妻エイミー(キャサリン・クインラン)だ。だが、突然、車が故障。夫妻は、ほどなく通りかかった長距離トラックに助けを求め、妻だけ近くのダイナー(簡易食堂)まで乗せてもらうことになる。
だが、これを最後に妻の行方は、ようとしてわからなくなってしまう——–。
故障を修理した夫は、妻が待つダイナーへ向かうが、そこに妻の姿はなく、その姿を見た者さえいない。
皮肉にも彼の高級車が、身代金が取れるとみた悪党どもを呼び込んだのだ。彼が、妻を探して立ち寄る保安官事務所の多数の行方不明者の写真が、アメリカのリアルな現実を見せつけて恐ろしい。
かくて、身代金を要求してきた男たちと、何としても妻を取り戻したい夫との、ガチンコ対決が始まるのだが、主人公のカート・ラッセルの、体を張った孤軍奮闘が、まさにハラハラ、ドキドキの連続で、観る者の目を画面に釘付けにすること請け合いだ。
怖いのは、犯人の男たちが、よくありがちな“闇組織”などに属する連中などではなく、隣近所のどこにでもいそうな普通の男たちであることだ。
行方不明者の多さとともに、そんなアメリカの怖い部分を垣間見るような一篇だ。
レッドにどこまで計画性があったのかが疑問です。ジェフたちが金づるになることをどうやって判ったのか。わずか8キロ先のレストランまで乗せて行く間に、エイミーが自分たちは金を持っていると吹聴したのか。そもそも当初レッドはジェフも同乗させる予定だったはずだから、今回は単なる親切なおじさんで終わるつもりだったのに、思わぬカモが手に入ったから、本来の悪人に豹変したのか。どなたか導入部の合理的な説明をお願いします。