ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスの紹介:2017年イギリス映画。前作『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は全世界でヒットし、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。日本では2000年に公開され、ミニシアター映画でかつてない大ヒットを成し遂げた。あれから18年。グループによる活動に終止符を打つと決めた現メンバーがアディオス(さようなら)世界ツアーを決行。本作はそのツアーで彼らの最後となるステージを収めた音楽ドキュメンタリー。音楽や映画にとどまらず、歴史や風土などキューバの魅力の詰まった作品。
監督:ルーシー・ウォーカー 出演:オマーラ・ポルトゥオンド、マヌエル・エル・グァヒーロ・ミラバル、バルバリート・トーレス、エリアデス・オチョア、イブライム・フェレール、オルランド・カチャイート・ロペス、ルーベン・ゴンザレス、コンパイ・セグンド、フアン・デ・マルコス・ゴンザレス、ピオ・レイバ、マヌエル・プンティジータ・リセア ほか
映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスの予告編 動画
映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」解説
この解説記事には映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスのネタバレあらすじ:起
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(BVSC)は、ライ・クーダーがプロデュースし、1950年代当時にキューバの音楽文化の礎を築いた大物ミュージシャンたちを集めて結成したバンドです。彼らが1997年にリリースしたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」はグラミー賞を受賞し、ワールドミュージックのジャンルとして異例の900万枚の大ヒットでした。この翌年、彼らはアムステルダムでの初のコンサートが決まっており、先駆けて開かれた記者会見から映画は始まります。カメラはメンバーそれぞれが、自らの生い立ちや音楽的ルーツを語る姿をとらえています。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスのネタバレあらすじ:承
ルーベン・ゴンザレスは、サルサやマンボの土台を作った故アルセニオ・ロドリゲスのピアノ伴奏者でした。巨匠との出会いを振り返ります。コンパイ・セグンドは1940年代から活躍していた大物ギタリスト。最も高齢でありながら若々しくいられる秘訣についてまるで詩人のような語り口で話しています。素晴らしい歌声を持つイブライム・フェレールは、BVSCの加入の話が来た当時、音楽に失望して靴磨きをしていたという驚きの真実を口にします。そして、伝説の歌姫オマーラ・ポルトゥオンドは、裕福な白人の母親と貧しい黒人の父の恋について語っています。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスのネタバレあらすじ:転
カメラは1998年のアムステルダム公演のリハーサルを振り返ります。普段は家族のように仲のいいメンバーですが、音楽には妥協を許さず、常に言い争いが絶えません。カウボーイハットがトレードマークのギタリスト、エリアデス・オチョアが「俺はこの曲を40年も弾き続けてるんだ!」と声高に言い放てば、コンパイは「俺は70年弾いている!」といった具合に。前作を撮りはじめたところだったヴィム・ヴェンダースも頭を抱えます。さらにカメラはイブライムの過去の苦悩にも迫ります。一度は音楽と絶縁した切ない経緯とその当時の思いを語っています。こうしてさまざまなメンバーたちの想いを込められたアムステルダムの公演は大盛況のなか幕を閉じました。その2ヶ月後にニューヨークのカーネギー・ホールでの公演が実現。まさに夢のようだったとメンバーは振り返ります。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスの結末
1999年の前作の公開とともにバンドは社会現象となり、2000年から世界ツアーが始まりました。彼らの華々しいステージの数々を映すとともに、カメラはメンバーの死も追います。コンパイは母の墓参りで墓石にキスをした日の2ヶ月後に息を引き取りました。また、イブライムは2005年ヨーロッパツアーが終了した数日後に亡くなりました。その他ルベーンなどBVSCのスター達が次々とこの世を去っていきます。亡くなった仲間の遺志を継ぐように、若いメンバーを加えて「アディオス・ツアー」はスタートするのです。痛みや悲しみを包括する彼らの血の通った音楽に、同じ世代を生きた観客は涙し、若い観客までもが心を動かされ素晴らしいステージ。熱気と想いで私たちを包みながら、最後の公演の幕は下りていきました。
以上、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオスのあらすじと結末でした。
20年くらい前にブエナビスタソシアルクラブのCDを購入し、キューバミュージックについて知りましたが、当時、映画までは見れておらず、今年の夏にリバイバル上映されるとのことで、懐かしく観に行きました。映画館の音響システムで聴く、ブエナビスタソシアルクラブのサウンドは極上空間と化していました。キューバ音楽や文化、バンドメンバーについて、映画を通して知ることができ、旅行にも行きたくなりました。