文学賞殺人事件 大いなる助走の紹介:1989年日本映画。筒井康隆の小説「大いなる助走」の映画化作品。あるサラリーマンの青年が自分が勤務する会社の内情を暴露する小説を書いたことをきっかけに文学賞の受賞レースに巻き込まれていく物語。
監督:鈴木則文 出演者:佐藤浩市(市谷京二)、蟹江敬三(保又一雄)、中島はるみ(時岡玉枝)、中丸新将(賀茂正樹)、ポール牧(多聞伝伍) ほか
映画「文学賞殺人事件 大いなる助走」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「文学賞殺人事件 大いなる助走」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「文学賞殺人事件 大いなる助走」解説
この解説記事には映画「文学賞殺人事件 大いなる助走」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
文学賞殺人事件 大いなる助走のネタバレあらすじ:起
大徳産業に勤める青年、市谷京二はある日歩道橋の上で同人誌らしきものを拾いました。落とし主は美しい人妻、時岡玉枝でした。彼女から渡された「焼畑文芸」を読んだ京二はこの程度なら自分にも書けるのではないかと思い立ち、小説らしきものを書き始めます。書き上げた原稿を読んだ「焼畑文芸」の主宰である保又は、京二の小説をそれなりに評価しながらも、大企業である大徳産業に勤めているのだから、そこでの経験を生かしたもっと生々しいものが書けるはずだと京二にアドバイスをしました。
文学賞殺人事件 大いなる助走のネタバレあらすじ:承
玉枝にも第二作を書くよう勧められた京二は、あれこれ構想を練り始めました。その気になってみると、大徳産業は小説のネタになりそうなスキャンダルの宝庫なのでした。父親が大徳産業の顧問ということもあり、京二は少し躊躇を覚えながらも小説を完成させます。「焼畑文芸」に掲載された「大企業の群狼」と題された京二の作品は、合評会で一部の同人に酷評されますが、一流文芸誌「文学海」に同人誌推薦作として掲載されることになり、同人たちは色めきたちます。
文学賞殺人事件 大いなる助走のネタバレあらすじ:転
会社のスキャンダルを小説として発表したことで京二は会社にいられなくなり、同時に京二の父親も顧問を辞任せざるを得なくなり、京二は勘当されます。荷物をまとめている京二に妹の百合子が封書を渡します。京二の作品が直本賞の候補作に決定したとの知らせでした。家を出て上京した京二は担当編集者の賀茂から紹介された「直本賞受賞仕掛人」である多聞の指示に従い、選考委員たちに自腹を切って金を渡したり、男色家の選考委員に自身の体を提供したり、受賞するために粉骨砕身しますが、結局受賞はできませんでした。
文学賞殺人事件 大いなる助走の結末
失意の中、受賞作掲載誌に目を通した京二は自分の作品に対する選評のあまりのいい加減さに激怒し原稿用紙に何やら書き殴り始めます。そして、書き上げた「大いなる助走」と題された小説を賀茂に送りつけますが、賀茂はまったく相手にせず、けんもほろろの対応です。京二は夜中に車で選考委員たちの自宅を回って全員ライフルで射殺したあと、道路封鎖をしているパトカーに突っ込んで死亡します。そのニュースを聞いた賀茂たちは、廃棄してしまった「大いなる助走」の原稿を緊急出版するために血眼になって探し回っているのでした。
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