映画「バーニング 劇場版」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バーニング 劇場版の紹介：2018年韓国映画。村上春樹が1983年に発表した短編「納屋を焼く」を原作とし、「ペパーミント・キャンディー」「シークレット・サンシャイン」などのイ・チャンドン監督が舞台を現在の韓国に移して大幅なアレンジを加えたミステリードラマ。第71回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門で上映され、国際批評家連盟賞を受賞した。主人公の青年イ・ジョンスは、ある日偶然再会した幼馴染のシン・へミから旅行中の飼い猫の世話を頼まれる。アフリカから帰ってきたヘミを迎えに空港に行くと、旅先で出会ったという謎めいた男、ベンを紹介される。ある日ヘミと共にジョンスの家を訪れたベンは、ジョンスに対して秘密を打ち明ける。「時々ビニールハウスを燃やしています」と。そしてその日を境に、ヘミはジョンスの前から姿を消したのであった。
監督：イ・チャンドン 出演：ユ・アイン（イ・ジョンス）、スティーブン・ユァン（ベン）、チョン・ジョンソ（シン・へミ）ほか
この解説記事には映画「バーニング 劇場版」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
小説家を夢見ながらアルバイトで生計を立てているイ・ジョンスはある日、街中で幼馴染のシン・へミに声をかけられます。二人で食事をしながら近況を話していると、ヘミは習っているというパントマイムでみかんを剥く様子を披露します。そして、アフリカへ旅行に行っている最中に飼っている猫の世話をしてほしいとジョンスに頼みます。別の日にヘミのアパートの部屋を案内されるも、ボイルという名の猫は警戒しているらしく姿を見せません。そのまま二人は散らかったアパートの部屋で性行為に及びます。その後ジョンスは、父親が暴力事件を起こして身柄を拘束されたため、父の飼っていた牛を世話するために実家に戻ります。北朝鮮との国境近くの村で暮らし始めました。
ジョンスは何度もアパートを訪れて猫に餌をやり続けましたが、半月もの間、猫は一度も姿を見せません。ある日、帰国するから迎えに来て、と電話で頼まれたジョンスが空港で待っていると、ヘミは見知らぬ男性と共に現れます。ケニアの空港で何日も足止めされている最中に知り合ったというベンは、ジョンスのことが気に入ったようでまた会いたいと話します。後日ベンはヘミとジョンスを自宅である高級マンションに招きます。とても裕福な暮らしをするベンを怪しく思っていると、戸棚の中から女物の化粧品やアクセサリーを見つけます。その後、ベンの知人たちと合流してお酒を飲んでお喋りをしている最中にヘミは、アフリカで覚えたという踊りを披露します。この踊りは「食べるものに飢えた状態」と「生きる意味に飢えた状態」の二種類の飢えを表す、とヘミは言います。
ヘミから「故郷の近くまで来たからジョンスの家に寄りたい」と電話がかかってきます。ベンが運転する高級車で現れ、３人は庭先でワインを飲みます。ヘミが幼いころ井戸に落ちたところをジョンスに助けてもらったという昔話をしますが、ジョンスは覚えていません。ベンは大麻を吸わないか、と二人を誘います。慣れた様子で大麻を吸っていたヘミは、突然夕焼けの中踊り出します。シャツを脱いで上半身裸で踊るヘミを、ジョンスは複雑な思いで見つめます。ヘミが寝付いてしまった後、ベンはジョンスに言います。「時々ビニールハウスを燃やしています」と。次はこの近くで燃やそうと思っているとジョンスに宣言します。ベンの異常さを感じたジョンスは、自分がヘミを特別に思っている、愛していると伝えますがベンは何も答えません。２人が帰るとき、ジョンスは突然裸を見せたことを咎めると、ヘミは悲しそうな顔をします。それ以降、ジョンスはヘミと連絡が取れなくなりました。
ジョンスは近所を毎日見回るも、ベンがビニールハウスを燃やした形跡はありません。ヘミと連絡が取れないのを心配し、ジョンスはベンの後をつけて問い詰めますが、彼も彼女の行方を知らないと言います。別の女性と車に乗り込むベンは、ヘミはジョンスのことをとても大切に思っていたと話します。ジョンスはヘミの家族とも会いますが、家族もヘミとは音信不通の状態で、抱えた借金を返すまで帰ってこないでほしいとまで言っています。ヘミのアパートも訪れましたが、不自然なほど綺麗に片づけられており彼女の形跡はありません。ジョンスはベンの外出を何度か車で尾行していましたが、ある日、待ち伏せしているところをベンに見つかってします。これから友人と部屋で食事をするのだとベンは言い、ジョンスを自宅に招きます。ジョンスは以前アクセサリーを見つけた戸棚にヘミの腕時計が加わっているのを発見します。そうしているうちに、最近街で拾ったのだとベンが話す猫が家の外へ逃げてしまい、ベンやその友人と共に捕獲を試みます。ジョンスがもしかしてと思い「ボイル」と呼びかけると、猫はジョンスに歩み寄りました。ジョンスはベンがヘミを殺したのだと確信しました。後日、ジョンスはベンを郊外に呼び出します。車から降りてヘミはどこ？と問うベンに対し、ジョンスはナイフを突き刺します。何度も刺し、絶命したことを確認すると、ジョンスはベンを彼の車へ押し込み、ガソリンをかけます。ジョンスは自分が着ていた服も全て脱いで車に投げ込むと、車に火をつけます。そしてジョンスは激しく燃えるベンの車の横をトラックに乗って通り過ぎ、映画は幕を閉じます。
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