BU・SU(ブス)の紹介:1987年日本映画。CMクリエイターであった市川準監督の劇映画デビュー作。自分の殻に閉じこもりがちでひねくれた性格の女子高生が自分らしさを見出していく様を描いている。
監督:市川準 出演者:富田靖子(麦子)、高嶋政宏(津田)、丘みつ子(麦子の母)、大楠道代(麦子の叔母)、広岡由里子(桜子)ほか
映画「BU・SU」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「BU・SU」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「BU・SU」解説
この解説記事には映画「BU・SU」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
BU・SU(ブス)のネタバレあらすじ:起
田舎町に住む女子高生麦子は母親に見送られ一人上京し、叔母が経営する置屋で住みこみで芸者修行をしながら高校に通います。自分の殻に閉じこもりがちの麦子は学校でも皆に溶け込むことができません。心配で電話してきた母親に対しても冷たい対応です。芸者修行にもやる気が感じられません。実家にいる時に何か心に深い傷を負う経験をしたようです。ある朝、ボクシング部の津田はランニング中に一人踊りの練習をする麦子を目撃します。彼女なりに何とかしようともがいてはいるようでした。
BU・SU(ブス)のネタバレあらすじ:承
麦子は置屋の辰巳から「八百屋お七」の話を聞かされます。かつて麦子の母親が踊ったことがあるとのこと。ある日、クラスで桜子の容姿をからかっている京子に麦子はつっかかり、仲裁に入った津田が男子生徒ともめ、腕をケガさせられます。どうやら津田は麦子のことが気になり始めているようです。クラスで文化祭の出し物が決まらずもめている中、麦子は「芸者だから何かやれ」と実行委員を押しつけられてしまいます。桜子や担任に励ましを受けながらも麦子はなかなか決心がつかないようでした。
BU・SU(ブス)のネタバレあらすじ:転
そんな中、お祭りの夜に会った見知らぬ女性のことばをきっかけに、麦子は自分が「八百屋お七」を踊ることを決心します。叔母の指導をうけながら、麦子は「八百屋お七」の練習を始めました。桜子も黒子として参加することになりました。硬直していた麦子の心の中で何らかの変化が起こり始めたようです。麦子は教室で自分が「八百屋のお七」を踊ることを宣言します。抽選の結果、麦子の演目がトリと決定しました。文化祭当日、津田は麦子が見守る中、ボクシングの試合で負けてしまいます。舞台へと向かう麦子に津田は「がんばれよ」と声をかけます。
BU・SU(ブス)の結末
衣装に着替え、出演を待ちながら、真剣な様子で気持ちを集中させる麦子の瞳から涙がこぼれました。津田と置屋の辰巳が見守る中、麦子の踊る「八百屋お七」が始まりました。当初は順調に進んでいましたが、クライマックスの火の見櫓に上る個所で梯子が壊れ、麦子は転落し途中で終了させられてしまいます。津田と辰巳以外の観客が爆笑する中、しょんぼりと舞台を降りた麦子を津田が校庭に連れ出し、麦子をうながしてキャンプファイヤーに点火させます。麦子はこれまでになかった笑みを浮かべながら顔を洗ってメイクを落としました。
50になって、見返してみて、ラストの意味が、やっとわかりました。
政宏くんは、靖子さんに、八百屋お七を完結させたんですね。
ほんに、色褪せない傑作です。