カレンダー・ガールズの紹介:2003年アメリカ映画。1999年にイギリスの田舎町で実際に作られたカレンダーを巡るコメディ・ドラマ。イギリスの古風な田舎町に住むクリスとアニーは親友同士。ある日、アニーの夫が白血病で他界してしまったことから、クリスは哀悼の意を込めて病院にソファを寄贈する計画を立てる。資金調達のためにクリスが考えたのは、自分達がモデルのヌード・カレンダーを売り出すという案だった。前代未聞の奇策に小さな町が揺れる中、クリスとアニーは同志を募りながら東奔西走する。
監督:ナイジェル・コール 出演者:ヘレン・ミレン(クリス)、ジュリー・ウォルターズ(アニー)、シアラン・ハインズ(ロッド)、ペネロープ・ウィルトン(ルース)、セリア・イムリー(シーリア)ほか
映画「カレンダー・ガールズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カレンダー・ガールズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カレンダー・ガールズの予告編 動画
映画「カレンダー・ガールズ」解説
この解説記事には映画「カレンダー・ガールズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カレンダーガールズのネタバレあらすじ:前代未聞のカレンダー
舞台は1999年、イギリスのヨークシャーにある田舎町ネイプリー。夫ロッドと息子ジェムと暮らす中年女性クリスは、所属する婦人会の集会に出ては、あくびを噛み殺していました。頭の固い婦人会で扱うのは退屈な講義ばかりで、活発なクリスやその親友アニーにはちっとも面白くありません。
そんなある日、アニーの夫ジョンが患っていた白血病により他界してしまいます。ジョンは婦人会でスピーチする予定だった原稿を遺していました。アニーに頼まれ、クリスが皆の前で読み上げます。「ヨークシャーの花は女性に似ている」「盛りを過ぎても見事に咲き誇る」。落ち込むアニーを励ましたいクリスは、とんでもない奇策を思いつきました。
ジョンの哀悼のため、彼の名前で病院にソファを寄贈しようと考えたのです。そのための資金集めとして目をつけたのが、婦人会が毎年発行するカレンダーでした。例年はジャムや風景の写真ばかりでしたが、クリスは今回自分達がモデルになってヌード・カレンダーにしようと思いついたのです。
クリスからその奇策を聞いた中高年の友人達は、皆尻込みしますが、アニーからも説得され少しずつ同志が集まり始めました。更に頼み込んで納得のいくカメラマンも雇います。構図はモデル達の日常の1コマを切り取ったもの。もちろん局部は出さず、1輪ずつジョンが好きだったヒマワリの花を添えることにします。
カレンダーガールズのネタバレあらすじ:モデル達の奮闘
ついにカレンダー撮影当日。クリス達ははじめこそ緊張していたものの、次第に熱が入ってきたのか少女のようにはしゃぎながら撮影を楽しみました。朗らかで、上品で、可愛らしいモデル達のヌード写真が次々撮影されます。
無事に12枚の写真を撮り終えたクリス達は、次にスポンサー探しに奔走し、カレンダーが完成すると新聞社に片っ端から連絡を取って売り込みを行いました。しかし婦人会ネイプリー支部の評判に傷がつくことを恐れた支部長が、会長に告げ口をしたことで販売が危うくなってしまいます。
そこでクリスとアニーは総会に飛び入りで参加し、憎い癌を撲滅するためにヌード・カレンダーを出すのだと熱弁を振るいました。その甲斐あって、何とか許可を取り付けます。
ついにクリス達のヌード・カレンダーが販売されました。その反響たるや凄まじく、カレンダーは瞬く間に完売し、小さな町にイギリス中から記者が押し寄せます。アニーのもとには同じ経験をした女性達から感謝と励ましの手紙が大量に届きました。
カレンダーガールズのネタバレあらすじ:暗雲
大成功したクリス達のカレンダー。しかしあまりに事が大きくなったことで、次第に暗雲が立ち込めます。思春期のジェムは母親のヌードが有名になったことで学校中から妙に注目され、苛立って非行に走ろうとしていました。
ロッドは家を空けるようになったクリスに不満を抱き、つい見知らぬ男性相手に愚痴を漏らしてしまいます。クリスはハリウッドからインタビューに招かれ有頂天になっていましたが、アニーから家族と話し合うべきだと諭され家に残ることにしました。
アニーは同志数人とハリウッドへ向かい、セレブのような扱いを受けて戸惑います。一方のクリスは、自分達夫婦をセックスレスだと笑う新聞記事を見て目を疑いました。ロッドが以前愚痴をこぼした男性の正体は記者であり、面白おかしく書き立てられてしまったのです。
激怒したクリスはハリウッドに向かいアニー達と合流。テレビ番組に出演し、カレンダーの米国版を出そうと意気込みます。
カレンダーガールズのネタバレあらすじ:クリスの過ち
クリスは更に、スポンサーのCMに出演することまで決めてしまいました。CMで裸になるよう指示され、静かに怒りを募らせていたアニーはついにスタジオを飛び出してしまいます。慌てて追いかけたクリスに怒りをぶつけるアニー。カレンダーは当初の目的であるジョンの追悼からどんどん離れ、今や利益を生むだけの道具になろうとしていました。
アニーはその舵取りをしたクリスをなじります。2人は言い争いになり、クリスはつい「夫と死別して成功した妻」とまで言い放ってしまいました。アニーは、どんなに利益を上げても自分はもうジョンには会えない、けれどクリスは家族が健在だと言って泣き出します。
クリスはそこで初めて自分の間違いに気付きますが、結局仲直り出来ないまま、イギリスに帰国しました。
カレンダーガールズの結末:冒険の果て
ネイプリーに到着したクリス達。婦人会の会場近くで、ロッドがクリスを待っていました。クリス以外が集会へ向かう中、ロッドと歩きながら話をします。クリスはロッドが新聞で言っていたことは全て本当だと謝りました。しかし彼はカレンダーに感心していたと言い出します。だからこそいつもクリスの味方であろうとし、ジェムにも胸を張れと言い続けてきたのだと。クリスは「ありがとう」と涙を流します。
ロッドに促され、クリスはアニーに謝るため集会へ向かいました。アニーの隣に座ったものの、言葉が出てこないクリス。すると支部長から、カレンダーの1回目の売り上げが28万6000ポンドと発表されます。「革製のソファが買えるわ」と呟くアニー。クリスはそれを聞いて微笑みます。親友同士の仲直りに言葉は要りませんでした。
2人は絆を取り戻し、仲良く帰り道を歩きます。怒涛の日々は去り、クリス達には退屈な、けれどかけがえのない日常が戻りました。映画公開時のカレンダーの売り上げは57万8000ポンド。クリス達は地元の病院に白血病の治療設備一式と、ソファを寄贈しました。
「この映画を 故ジョン・ベイカーに捧ぐ」という字幕と共に、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「カレンダー・ガールズ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する