出獄の紹介:1948年アメリカ映画。実話に基づいたフィルム・ノワールの名作。シカゴでロケ撮影された最初のハリウッド長篇で、そのリアリスティックな雰囲気は現在見ても新鮮。嘘発見器が使われた最も初期の映画でもある。ジェームズ・ステュアートが、正義感あふれる報道記者を好演。
監督:ヘンリー・ハサウェイ 出演:ジェームズ・ステュアート(マクニール)、リチャード・コンテ(フランク・ウイーセック)、ベティー・ガルデ(ワンダ)、リー・J・コッブ(ケリー)、ヘレン・ウォーカー(ローラ・マクニール)、ほか
映画「出獄」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「出獄」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
出獄の予告編 動画
映画「出獄」解説
この解説記事には映画「出獄」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
出獄のネタバレあらすじ:起
禁酒法時代、シカゴでもスピークイージーと呼ばれる、もぐり酒場が数多くありました。
1932年12月9日、その1軒で殺人事件が起こります。被害者はパトロール中の警官でした。犯人は2人組でカネを盗みに押し入ったのですが、警官の姿を見て慌てて銃を撃ち、そのまま逃げ出したのです。シカゴ警察は面子にかけて大捜索をおこない、すぐに2人の男、フランク・ウイーセック、トメク・ザレスカを逮捕します。
あっさり自供したトメクに対し、フランクの方はアリバイを主張し、頑強に自らの無実を訴えますが、もぐり酒場の女主人ワンダの証言が決め手となり、99年の懲役刑を言い渡されます。
出獄のネタバレあらすじ:承
これで事件は決着がついたと思われました。ところが12年後の10月11日、シカゴ・タイムスのケリー編集局長がある個人広告に目を留めたことで、この事件に関して新しい動きが起こります。
その広告はフランクの母親が出したもので、事件に関する新事実を提供した人間に5000ドル払う、というものでした。ケリーの命令で母親に会ったマクニールは、彼女がビルの床掃除をしながらそのお金を捻出したことを知ります。これは興味深い記事になると思ったマクニールは、独自に事件を洗い直し、フランクにも面会します。
出獄のネタバレあらすじ:転
懲役中でも、あくまで無実を主張するフランクに、マクニールは新しく開発された嘘発見器のテストを受けさせます。結果は嘘はついていない、と出て、マクニールはこれは冤罪の可能性が高いと考え始めます。
義憤を催したマクニールは再審を促すためにフランクの離婚した妻や息子にも取材をおこない、世間の同情を引こうとします。しかし派手に報道されることで、かえって息子の将来を損なうと考えたフランクは、かえってマクニールを非難。そのことでマクニールも一時的に落ち込みますが、冤罪を晴らそうという情熱は衰えません。
有罪の決め手になった証言をおこなったワンダにも接触して、その真意を問いますが、相手はうるさがるばかりでした。
出獄の結末
八方塞がりになった時、マクニールは当時の新聞に載った写真を発見します。それはフランクとワンダが警察署ですれ違った時のものでした。ワンダがフランクのことを犯人だと証言できたのなら、このすれ違った時に騒ぎ立てていたはずです。
そこには小さくその日発行された新聞が写っていました。もしその日付が証言前のものなら、フランクへの有罪判決は怪しくなります。専門家の手によって拡大してもらったところ、日付は1932年12月22日でした。つまり証言前です。
この事実が裁判所を動かし、ついにフランクは釈放。マクニールの努力は報われたのでした。
以上、映画「出獄」のあらすじと結末でした。
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