セルラーの紹介:2004年アメリカ映画。キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス、ジェイソン・ステイサムの豪華共演で贈るクライム・スリラー作品です。何者かに誘拐され、どこかの家に監禁された女性からの電話(セルラー)を受け取った青年が、彼女を助けるために奔走します。
監督:デイヴィッド・R・エリス 出演者:キム・ベイシンガー(ジェシカ・マーティン)、クリス・エヴァンス(ライアン)、ジェイソン・ステイサム(イーサン)、ウィリアム・H・メイシー(ボブ・ムーニー)、リチャード・バージ(クレイグ・マーティン)ほか
映画「セルラー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「セルラー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
セルラーの予告編 動画
映画「セルラー」解説
この解説記事には映画「セルラー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
セルラーのネタバレあらすじ:起
高校教師のジェシカ・マーティン(キム・ベイシンガー)は夫のクレイグ(リチャード・バージ)、息子のリッキー(アダム・テイラー・ゴードン)と幸せに暮らしていました。しかしある日、ジェシカは自宅にいたところを突然押し入って来た見知らぬ男たちに誘拐されました。犯行グループのリーダー格のイーサン(ジェイソン・ステイサム)らはジェシカをどこかの家の屋根裏部屋に監禁、中にあった電話を破壊して立ち去っていきました。ジェシカは必死で電話を使える状態まで修理し、助けを求める電話をかけたところ、繋がったのはライアン(クリス・エヴァンス)という全く見ず知らずの青年の携帯電話でした。最初はイタズラ電話だと思ったライアンでしたが、電話越しに悲痛な叫びを上げるジェシカの声に事態の深刻さを悟り、警察署に向かい巡査部長のボブ・ムーニー(ウィリアム・H・メイシー)に捜査を依頼しました。
セルラーのネタバレあらすじ:承
犯行グループがジェシカの息子リッキーを誘拐しようとしていることを知ったライアンは、電話の電池が切れそうになったためやむなくリッキーの保護に向かいますが、あと一歩のところでリッキーをさらわれてしまいました。犯行グループは続いてクレイグに狙いを定めたため、ライアンは途中の携帯電話ショップで充電器を購入、車が壊れたので学校の警備用車両を借りてクレイグの元へ急ぎました。一方、ジェシカの自宅に向かったボブは自らを“ジェシカ”と名乗る女性の応対を受けましたが、もちろんその女は犯行グループの一員であり、危うく騙されかけましたが、改めてジェシカの自宅に電話をかけると、留守番電話に登録されている音声と先程の女の声が違うことに気付き、再びジェシカ宅に戻ると女が発砲してきたためやむなく射殺、女の正体が何と警察官であることを知りました。
セルラーのネタバレあらすじ:転
ジェシカからクレイグがロサンゼルス空港にいると聞いたライアンは空港に急ぎますがあと一歩のところで間に合わず、クレイグは犯行グループに拉致されてしまいました。イーサンら犯行グループの正体は悪徳警察官であり、たまたまクレイグはイーサン一味が麻薬密売人からドラッグを奪ったうえ殺害した様子をビデオカメラで撮影してしまったことから、犯行グループは銀行の貸金庫に保管しているビデオテープを回収しようとしているのです。銀行に駆け付けたライアンはクレイグの救助に失敗するもビデオテープだけは確保しました。ビデオを見たライアンは犯行グループに取り引きを持ち掛け、ビデオテープと引き換えにジェシカ一家を解放させるよう要求しました。取り引きの指定場所は観光客でにぎわうビーチサイド、ボブもライアンの行動に気付いてビーチサイドに向かっていました。
セルラーの結末
取引を優位に進めていたかのように見えたライアンでしたが、タイミング悪く先程ライアンを振った女性クロエ(ジェシカ・ビール)と遭遇してしまい、悪態をつかれて作戦は失敗、ビデオテープも破壊されてしまいました。その頃、ボブは偶然にも犯行グループの会話を無線で聞き付け、ライアンを助けるため急ぎました。そしてボブはイーサンらと銃撃戦となり、ライアンの助けを得てイーサンらを逮捕することに成功しました。ビデオテープも幸いにライアンが携帯のカメラでバックアップを撮っていたのでイーサンらの悪事の証拠もバッチリキープされており、ジェシカ一家は無事に救出されました。ジェシカは初めてライアンと顔を合わせ、何かお礼をしたいと申し出ました。ライアンの答えは「ひとつだけある。もう二度と俺に電話しないでくれ」でした。
以上、映画セルラーのあらすじと結末でした。
「セルラー」感想・レビュー
-
携帯電話は今や毎日の生活に欠かせないツールとなっていますね。
この映画「セルラー」は、その携帯電話で偶然、見知らぬ人から助けを求められ、ロサンゼルスを走り回ることになる男の活躍を描く痛快なサスペンス映画ですね。高校教師のジェシカ(キム・ベイシンガー)は突然、自宅に押し入ってきた男たちによって誘拐される。
監禁された部屋の電話は壊されていたが、ジェシカは、ワイヤーを接触させてダイヤル信号を送り、繋がった電話に出たライアン(クリス・エヴァンス)に助けを求めることに。電話を命綱として自分の息子や夫に危険を知らせるよう、ライアンに頼むジェシカ。
その指示に従ってライアンは駆けつけるのだが———。思わぬ凶悪事件に巻き込まれてしまう、人のいい青年ライアンを、マーベルのキャプテン・アメリカでブレークしたクリス・エヴァンスが、飄々と爽やかに演じていて、実に好感が持てますね。
このライアンと共に事件に巻き込まれるのが、ウィリアム・H・メイシー演じる実直な警官。
長年の勤務から引退して、スパを営もうとしており、アボガドのパックを塗った”キュート”な顔も披露して、緊迫したサスペンスにユーモラスな味を添えていて、「ファーゴ」といい、この映画といい、相変わらず演技がうまいですね。誘拐されたジェシカを演じるキム・ベイシンガーは、限られた空間の中で命の危険にさらされるという役を、ヒリヒリするような緊迫した表情とその仕草で的確に演じていて、さすがにうまい。
そして、何よりも素晴らしいのは、ラストシーンで見せる彼女の表情の素晴らしさ!!
また、悪玉になったジェイソン・ステイサムが、本当に見るからに強そうな役柄を悠々と演じていて、やはりこの俳優は、主役を張るより、このような凄みのある脇役の方が似合っているのかも知れません。
ストーリー展開に出来過ぎ感も否めないが、電話の機能や役の設定など、ちょっとしたエピソードが伏線となって、物語が進むにつれて、パズルのようにきっちりとハマっていく爽快さがありますね。
そして、電話の向こうに何が待っているのかわからないという怖さは、観終わった後から、じわじわとやってきますね。
二度と電話しないでくれが、全てを語っていますね。