セザンヌと過ごした時間の紹介:2016年フランス映画。光の溢れる美しい南仏を舞台に、「近代画家の父」と称される画家ポール・セザンヌと小説家エミール・ゾラの幼い日の出会いから、その友情と確執を描いた伝記映画。
監督:ダニエル・トンプソン 出演:ギヨーム・カネ(エミール・ゾラ)、ギヨーム・ガリエンヌ(ポール・セザンヌ)、アリス・ポル(アレクサンドリーヌ・ゾラ)、デボラ・フランソワ(オルタンス・セザンヌ)、サビーヌ・アゼマ(アンヌ=エリザベート・セザンヌ)、ジェラール・メラン(ルイ=オーギュスト・セザンヌ)、イザベル・カンドリエ(エミリー・ゾラ)、フレイア・メイヴァー(ジャンヌ)、ロラン・ストケル(アンブロワーズ・ヴォラール)、ほか
映画「セザンヌと過ごした時間」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「セザンヌと過ごした時間」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
セザンヌと過ごした時間の予告編 動画
映画「セザンヌと過ごした時間」解説
この解説記事には映画「セザンヌと過ごした時間」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
セザンヌと過ごした時間のネタバレあらすじ:起・2人の親友
1852年、南フランスのエクス=アン=プロヴァンス。父を亡くしてパリからやってきたエミール・ゾラは、イタリア人で貧しかったことから学校でイジメに遭っていたが、それを裕福な同級生ポール・セザンヌに助けられ、お礼にリンゴを贈ったことで親しくなる。
成人すると、詩人を目指すエミールは母親と共に移り住んだパリで働きながら創作に打ち込み、画家を目指すポールも父の反対を押し切ってパリへやってくる。
仲間たちと共に芸術談義を交わす日々を送りながら、互いに夢を追い続けるが、ポールはサロンに出品するも落選続きで、アカデミーの入学も叶わず、父からの送金も止められて自暴自棄になるが、エミールはポールを励まし続ける。
セザンヌと過ごした時間のネタバレあらすじ:承・成功と失望
ほどなく、ポールのモデルで愛人でもあったアレクサンドリーヌと結婚したエミールは、著書「居酒屋」が世に出るようになり成功への道を歩み始め、2人の仲はギクシャクし、マネやモネら画家仲間たちもサロン入選を果たしていくなかで、ポールは絶望し、皮肉屋で気難しさも増していく。
ポールはモデルのオルタンスとの間に息子をもうけるが、憑かれたように描き、被写体としか自分を見なくなったことで、オルタンスは絵をやめてとポールに迫るが、彼は絵はやめない、描きながら死ぬとつぶやく。
そんなポールの才能を信じるエミールは彼を励ましながら母子を援助する。
次々と出す本が売れ、郊外に豪邸を建てたエミールは、友人らとともに引きこもっていたポールを招くが、彼は皮肉や下品な話で場をしらけさせる。エミールと2人なったポールはもう招くなと言い、エミールの作風を賛美しお前のように描きたいのだと話す。
本は安いから売れるのだと言うエミールだったが、仲間たちがポールの傲慢さや絵のひどさを口々に語るのを部屋の外で聞いていたポールは惨めさに涙する。
セザンヌと過ごした時間のネタバレあらすじ:転・決別
そして1886年、エミールは画家を題材にした著書「制作」を発表し賞賛を得るが、朗読会でその内容を聞いたポールは憮然としてその場から立ち去り、以来疎遠となる。
その2年後、久しぶりにエミールの元を訪れたポールは「制作」について批判、自分の人生を盗み取り悲惨な結末を据えたと詰り、エミールとアレクサンドリーヌの間に子ができないのは、彼女が自分の愛人だった時にできた子を捨てた罪なのだと言い放ち口論になる。
エミールは自分も書くことへの情熱を失い、執筆は拷問で、兄であり親友とも思っていたポールが何か月もの音信不通の後に自分を侮辱しにやってきた、と言って彼を追い返し、以後2人は決別する。
セザンヌと過ごした時間の結末:果たされなかった再会
パリの画商ヴォラールの手によって作品に買い手がつくようになっていたポールは、エクス=アン=プロヴァンスの別荘で創作中にエミールが来たと聞いて、思わず筆をおいて彼のいる市内のカフェへと走る。
市長や多くの人に囲まれたエミールは、年若い愛人と子供たちを伴っていた。その姿に笑みをほころばせたポールだったが、セザンヌに会うのかと市長に聞かれたエミールが「彼の才能は花開かなかった」と言うの聞き、黙ってその場から立ち去る。
エミール・ゾラは愛人と子供たちの存在で晩年は幸せなものだったが、多くの文学作品を世に送り出した彼は、1902年に暖炉の排気不全により謎の死を遂げる。
ポール・セザンヌは人知れず友の死に涙した4年後の1906年、彼の言葉通り絵筆を握ったまま肺炎でこの世を去るが、ヴォラールの尽力によって彼の絵は世界中の美術館に飾られている。
以上、映画「セザンヌと過ごした時間」のあらすじと結末でした。
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