父ありきの紹介:1942年ドラマ映画。戦前最後の小津監督作品で、笠智衆が初めて主役に抜擢。小津作品としては珍しく長い年月のスパンを持つ内容で、父子の情愛を丁寧に描いている。キネマ旬報ベストテンでは第2位。
監督:小津安二郎 出演:笠智衆(堀川周平)、佐野周二(堀川良平)、佐分利信(黒川保太郎)、坂本武(平田真琴)
映画「父ありき」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「父ありき」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「父ありき」解説
この解説記事には映画「父ありき」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
父ありきのネタバレあらすじ:1
金沢で中学教師を勤める堀川は小学6年の息子・良平と2人暮らし。箱根への修学旅行の最中、生徒の乗ったボートが転覆。その死の責任を感じたことから、堀川は中学を辞職し、生まれ故郷である信州へ。良平と共に上田市近くの村で暮らし始めます。寺の一室に間借りしながら新しい仕事場の村役場に通う堀川。やがて、良平は中学の試験を受けて合格します。村から中学校は遠いため、良平は村を離れて上田市の寄宿舎へ。息子のことが心配な堀川は度々寄宿舎を訪れます。そのうち、堀川は村役場を辞め、東京へ出ることに。村役場での収入では良平を大学にやる学費が足りないので、もっと給料のいい仕事口を世話してもらったのです。これまでのように度々は会えない事になるので良平は悲しみますが、仕方ありません。
父ありきのネタバレあらすじ:2
東京の下町の工場に勤め始める堀川。良平は東北帝国大学に合格し、晴れて大学生となりました。堀川の方も本社で中間管理職となり、丸の内が仕事場に。大学を卒業した良平は秋田県にある工業学校へ先生として赴任。もう25歳です。久しぶりに親子が会うことになり、黒磯駅で待ち合わせ、そのまま塩原温泉へ向かいます。温泉に入った後、部屋でビールを飲みながら、「教師を辞めて上京し、一緒に暮らしたい」と言い出す良平。父の堀川は「今の仕事を天職だと思ってずっと続けるように」と諭します。自分が教師だっただけにその言葉には重みがあり、良平は黙って頷きます。近くの川で一緒に釣りをした後、帰り支度を始める2人。良平は「小遣いです」と言ってお金の入った封筒を渡し、堀川を感激させます。
父ありきの結末
しばらくして、かつての教え子たちの発案で、堀川を囲む同窓会が催されることになります。ちょうど良平が兵隊検査の帰りに東京に立ち寄る頃でした。大川端の料亭で教え子たちと再会、すっかりご機嫌になった堀川は帰宅後、良平に会が楽しかったことを話します。しかし、翌朝になって体調を崩し、緊急入院。そして良平や学校時代の元同僚に見守られながら息を引き取るのでした。
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