小さなスナックの紹介:1968年日本映画。大学生の昭らのたまり場であるスナック『NEANT』に、美樹という見慣れない女性が入って来ます。早速話しかけ、仲間になった美樹に一目ぼれした昭は、美樹とデートします。しかし美樹には中年の夫がいて、叶わぬ恋でした。そんな時、美樹が事故を起こし入院。悩んだ末、病院に行った昭でしたが…という内容の切ないラブストーリーです。作品にはジュディ・オング、パープルシャドウズ、ヴィレッジ・シンガーズが出演し、歌声を聞かせてくれます。当時を知る人達にはたまらない1本です。
監督:斎藤耕一 出演者:尾崎奈々(若松美樹)、藤岡弘(三橋昭)、ジュディ・オング(ジュディ)、山田真二(江島久)、ケン・サンダース(飯田)、斉藤チヤ子(倉田由美)、徳永芽里(前川レイ子)、木下節子(紫田君子)、毒蝮三太夫(マスター)、パープルシャドウズ、ヴィレッジ・シンガーズほか
映画「小さなスナック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「小さなスナック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
小さなスナックの予告編 動画
映画「小さなスナック」解説
この解説記事には映画「小さなスナック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
小さなスナックのネタバレあらすじ:起
大学生の昭(藤岡弘)たちのたまり場は、海の近くのスナック『NEANT』でした。昭の父が使用人をする柴田家の令嬢である君子(木下節子)、レーサーの江島(山田真二)、前衛アートの飯田(ケン・サンダース)、劇団員の岩崎や、それぞれの彼女や内縁の妻などと、毎日のように酒を飲んで踊って楽しんでいます。スナック『NEANT』には歌手の卵や、デビューを目指すバンドらも集まっていました。
ある日、見慣れない美樹(尾崎奈々)という女性が入って来ます。早速飯田が話しかけます。飯田は「僕らのグループで一緒に楽しもう」と言うと、マスター(毒蝮三太夫)が「こいつらなら皆ひも付きだから大丈夫だ」と言います。そして美樹が加わり、楽しい時間が過ぎていました。
監視役の君子が先に帰った昭は、美樹のことが気になり見つめています。その後、皆でパーティーをしようという事になり、美樹も加わり場所を移します。酒を飲みダンスを踊る中、明は美樹と話をします。
翌朝、皆が目覚めると昭と美樹がいませんでした。「昭の野郎!うまいことやったな!」と誰かが言います。そのころ二人はデートをしていました。美樹は「私を誘惑した人は貴方がはじめてよ」と昭に言います。楽しいデートは突然終わります。美樹が「さようなら」と言ってバスに乗って帰ってしまったのでした。
小さなスナックのネタバレあらすじ:承
家に帰ると君子が話しかけますが、昭は美樹の事で頭がいっぱいで話が耳に入りませんでした。その後、君子と『NEANT』に行くと、再び美樹がやってきます。昭は美樹の横に座りデートをしてキスをする妄想を浮かべます。
翌日二人はデートしました。昭は美樹に「君の事を何でも教えてほしい」と言いますが美樹は「あなたの事も何も知らない」と言います。そして美樹は、昭の友達たちの性格を話し始めます。
やがて妄想した木の下に来ると昭は美樹にキスを迫りますが、頬を叩かれます。てっきり怒ったのかと思った昭でしたが、美樹は変わらず楽しそうにしています。美樹が「帰ろう」と言い、昭は江島に借りた車で送ります。美樹を降ろした昭は、美樹の後をつけました。すると美樹は美容院『Romana』に入って行きます。
昭は「忘れ物を届けに来た」と嘘をついて中に入ります。冷たい視線を浴びるものの、美樹が出てきます。応接室で美樹が「私はこの店のオーナーです」と話していると、美樹の母が飲み物を持って来ました。
そこで昭は美樹の母に、先日友人たちと朝まで一緒だったことを話し謝ります。その上で「今夜美樹さんを貸してください」頼みこみ、美樹を『NEANT』に連れて行きます。歌手を目指すジュディ(ジュディ・オング)が歌い、皆が踊る様子を二人が見ていました。
そしてサッカー部でバンドのメンバーが「昭と美樹のための新曲だ」といって『小さなスナック』を歌いはじめると、二人は踊りだします。昭に抱き着いた美樹は突然泣きだし昭に「好きよ!」と言って『NEANT』を飛び出していきます。
小さなスナックのネタバレあらすじ:転
その日以来、美樹は『NEANT』に来なくなり、美樹に恋した昭は落ち込みます。昭は『Romana』に行きます。美樹の姉が「美樹はここにはいない、貴方とはもう会えないと言っていた』と話します。落ち込みの激しい昭に、仲間たちが美樹を連れてきました。そして仲間たちは海の家で二人の結婚式を挙げ、祝福します。
翌日、昭と美樹は海で抱き合いキスをします。美樹は「今まで、こんな青春は知らないまま終わると思っていた」と言って、海の家から美樹は居なくなりました。昭は『Romana』に向かいます。美樹の母は「美樹は結婚していて、今は夫の出張先に言っている。もう会わないでほしい」と言います。昭は愕然としました。
その後、美樹が交通事故で入院した事を知りますが、昭は病院には行かず『NEANT』のマスターにここで働きたいと言います。そしてジュディの歌を聞き、さらにジュディの友達のヴィレッジ・シンガーズの歌を聞きます。昭が家に居ると、君子が「この家を出て行く」と言います。飯田とレイコが結婚して、この地を離れることになり『NEANT』でパーティーを開きます。皆が酒を飲み、嬉しそうな飯田とレイコを見ていた昭は、江島の車を借りて走り出します。
小さなスナックの結末
昭は美樹の病院に着きました。案内してくれたナースが「なんで自殺しようとしたの」と話したことで、驚いた昭は病室に入ると美樹に「なんで自殺しようとしたんだ、美樹のバカ」と叱ります。美樹は「もう来ないと思っていた昭が来てくれてうれしい、こんなに楽しい事があったら、人生はこれでいいか?と思った」と言います。
そこへ中年の三浦と美樹の母と姉がやって来ます。三浦は美樹の夫でした。昭は黙って病室を出て『NEANT』に戻ります。考え込んでいた昭は、電話機に向かいました。昭が病院に電話をかけ、美樹を呼ぶ頃、サッカー部のバンドが『小さなスナック』を歌い始めます。
受話器の向こうの美樹に『小さなスナック』を聞かせ、昭は美樹に「『NEANT』で待っている」と言いますが、美樹は謝るばかりでした。それでも昭は「待っている」といって電話を切ります。
夜明け前、『NEANT』の電話が鳴ります。マスターが電話をとると病院のナースでした。「あの人は今夜は行かれない」と告げる横の病室で美樹は手首を切って自殺していました。マスターは昭に「今日は来れないそうだ、また明日だ」と言います。昭が『NEANT』を出た頃には、夜が明け始めていました。
以上、映画「小さなスナック」のあらすじと結末でした。
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