沈黙の大陸の紹介:2017年中国映画。最強VS最凶――。スティーヴン・セガール主演の『沈黙シリーズ』第45作となるアクション・サスペンスです。本作はセガールとボクシング界のレジェンドであるマイク・タイソンがまさかの共演を果たし、北アフリカを舞台に通信インフラ整備の利権を巡って暗躍する男たちの姿が描かれていきます。
監督:タン・ピン 出演者:スティーヴン・セガール(ラウダー)、マイク・タイソン(カバ)、リー・トンシュエ(ヤン・ジェン)、ジャニケ・アスケヴォルド(スザンナ)、エリック・エブアニー(アサイド)、リー・アイ(ルアン・リン)、ワン・ジーチァン(ゼン・ミン)、クロヴィス・フーアン(マイケル)ほか
映画「沈黙の大陸」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「沈黙の大陸」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
沈黙の大陸の予告編 動画
映画「沈黙の大陸」解説
この解説記事には映画「沈黙の大陸」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
沈黙の大陸のネタバレあらすじ:起
北アフリカのとある国では長く続いていた内戦がようやく終結しました。国は国家再建の最重要事項として通信インフラの整備をあげ、中国の通信会社「DHテレコム」は自社を売り込むためにITエンジニアのヤン・ジェン(リー・トンシュエ)と同僚のルアン・リン(リー・アイ)を現地に派遣しました。
一方、「DHテレコム」に対抗意識を燃やす欧州の通信会社「MTM」は担当者のマイケル(クロヴィス・フーアン)を現地に送り込みました。マイケルはこの一大プロジェクトの権利を巡る入札を仕切る国際電気通信連合の専門家スザンナ(ジャニケ・アスケヴォルド)と手を組み、「DHテレコム」の動きを注視していました。マイケルは独立国家樹立を目論む部族の将軍カバ(マイク・タイソン)にも接触して協力を求めました。
かつて傭兵だったラウダー(スティーヴン・セガール)は今では引退してバーを営みながら裏社会や武装組織に武器を売買する便利屋としても暗躍していました。マイケルとカバはラウダーに接触して「DHテレコム」の妨害工作を依頼しようとしましたが、カバは地元の荒くれ男たちとトラブルを起こし、止めようとしたラウダーと拳を交える事態となりました。
ヤンとルアン、マイケルとスザンナは入札の前交渉に出席、両者は通信規格を巡って応酬を繰り広げました。スザンナは従来のCDMA方式の採用を主張したのに対し、ヤンは当時としては最先端技術だった3G方式の採用を主張、政府の高官も3Gの採用に前向きな姿勢を見せました。マイケルは国の高官であるオマール局長を味方につけることで対抗しようと考えました。
沈黙の大陸のネタバレあらすじ:承
ヤンは3G回線の通信速度を上げる強化プログラムを武器に勝負に出ようとする一方、マイケルはカバへの妨害工作依頼と共に地元警察を買収するなどの裏工作を進めていました。カバはヤンの動向を監視し始めました。
そんなある日、ヤンとスザンナは「DHテレコム」が現地に初期投資の一環として砂漠地帯に作った中継タワーの視察に向かいました。ヤンはタワーのシステムを起動させようとしましたが、それにはスザンナによる指紋認証が必要でした。ところが、スザンナはヤンが目を離した隙にいずこへといなくなり、気が付くとスザンナは近くで、地元の原住民ブータン族の女性が自らの子供に割札をしようとしているのを阻止しようとしていました。
そこに現れたブータン族の族長アサイド(エリック・エブアニー)は、ヤンとスザンナに寛容な態度をとり、子供の安全を確認するとヤンに謝罪の印として酒の入った水筒を授け、二人を解放しました。これを機に、対立していたヤンとスザンナとの間には友情が芽生えていきました。
そんなある日、入札の行方を左右する通信技術のテストが開かれました。マイケルは密かに取り寄せていたジャミング装置で「DHテレコム」の通信を妨害、ヤンたちは大きく減点される憂き目に遭いましたが、そこはあらかじめ準備していたバックアップ用の周波数を使って何とか切り抜けました。
ところが、安心したのも束の間、マイケルによって買収された地元警察が会場に乗り込み、抜き打ちの所持品検査と称してヤンを連行しようとしました。その時、今度はカバ率いる武装集団が会場を襲撃、警官を射殺すると会場内のパソコンや機器などを破壊していきました。その後、マイケルは会場の裏でカバと密談を交わしました。
この国の内戦は南部の指導者である副大統領が暗殺されたことに端を発したものであり、大統領の仕業だと考えたカバは南部の軍を扇動して各地を襲撃していたのです。しかし、副大統領暗殺の黒幕は実はマイケルとその背後につくフランス政府であり、マイケルは通信契約で得られる利益よりも、内戦を故意に引き起こしたうえで武器を密売した方がより稼げると判断したのです。カバはマイケルの野望に利用されているに過ぎなかったのです。
沈黙の大陸のネタバレあらすじ:転
カバ一味が撤退した後、ヤンたちは大統領直轄の部隊によって解放されました。その際、部隊に同行していたオマール局長は、「南部の指導者らが副大統領暗殺についての今後の対応を電話で協議するため、明日の午前9時までに破壊された通信回線を復旧しておくように」との大統領命を伝えてきました。
ヤンたち入札参加企業は会社の枠を超えて協力し合うことにし、ヤンは作業にあたるうちに通信障害の原因は南北の境界にある3本の中継タワーにある受信機が破壊されているのではないかとの結論に至りました。ヤンとスザンナは護衛部隊の協力を得ながらカバ一味の襲撃に耐え抜き、まずは1本目の中継タワーの修理に成功しました。
ところが、ヤンたちは2本目のタワーに向かう途中で敵軍に遭遇してしまいました。どうにかして争いを避けたいヤンたちは国連軍や赤十字の旗を使って相手の目を欺こうと考えましたが、肝心の旗はなく、中国の国旗しかありませんでした。ヤンはスザンナたちの反対を押し切って中国国旗を掲げ、何とか敵の攻撃をかわすことに成功しました。
2本目のタワーを修理したヤンたちでしたが、最後のタワーはカバ一味の砲撃により破壊されてしまいました。窮地に陥ったヤンは咄嗟の判断では救援に来ていた国連軍のヘリを中継地代わりにして通信回線を繋ぐ秘策を思いつきました。ヤンの秘策は成功し、副大統領暗殺の真相を知った南部の指導者たちは大統領に和解の意を伝えることに成功しました。
こうしてヤンは大統領側と南部の和解を取り持つことに貢献、その甲斐あって「DHテレコム」は見事入札を勝ち取ることに成功しました。しかし、決して引き下がるつもりのないマイケルは、通信技術テスト襲撃の際にヤンたちが会社の枠を超えて急造したサーバーの中身を報道陣に公開しました。そのサーバーには「MTM」の部品が数多く使われており、マイケルは「DHテレコム」を知的財産権侵害で提訴しました。
沈黙の大陸の結末
マイケルに訴訟を起こされた「DHテレコム」は存続の危機に陥りました。しかし、マイケルのやり方に嫌気が差していたラウダーは妨害工作の話から降りることにし、マイケルの雇った武装組織に襲われそうになったヤンを逃がしてやりました。
アサイドのところに身を寄せたヤンでしたが、そこにもマイケルの魔の手が迫っていました。アサイドは応戦の末に命を落とし、ヤンは船に乗って逃走しようとしたところをマイケルとカバに捕らえられてしまいました。マイケルはヤンから強化プログラムを奪い、カバにヤンの始末を依頼しました。カバはヤンを海に投げ捨てようとしましたが、ヤンからアサイドの死の真相を聞かされたカバはヤンを殺すフリをして見逃してやりました。
何とか逃げおおせたヤンは、最後の手段として強化プログラムのソースコードを公表する手段に出ました。これにより「DHテレコム」は裁判に勝訴、ヤンはソースコードの開示と共有による通信業界への貢献を称えられて業界から表彰されることとなりました。
ところが、授賞式の当日、会場で爆発が発生しました。爆弾を仕掛けたのはカバであり、マイケルは今度こそヤンを始末するためにカバに会場爆破を依頼していました。ヤンは殺すなら自分を殺せとカバに告げますが、カバは殺すべき奴は他にいると告げると会場のモニターに爆弾を巻きつけられたマイケルの姿を映し出し、カバはヤンら出席者の目の前でマイケルを爆殺すると拳銃自殺を遂げました。
まもなく、ヤンは駆け付けた警察に逮捕されましたが、スザンナはヤンに寄り添い、ヤンと共にこの国の未来に思いを馳せました。その後、「DHテレコム」はこの国での権利を獲得したのをきっかけに世界有数の大企業へとのし上がっていきました。
以上、映画「沈黙の大陸」のあらすじと結末でした。
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