恋する惑星の紹介:1994年香港映画。香港の無法地帯・九龍の雑居ビル「重慶大厦」と飲食店「ミッドナイト・エキスプレス」を舞台に、刑事と麻薬密売人の女、もう一人の刑事と飲食店で働く女という2組の男女の恋愛模様を斬新な映像美でポップに描いた作品です。
監督:ウォン・カーウァイ 出演者:トニー・レオン(警官663号)、フェイ・ウォン(フェイ)、ブリジット・リン(謎の金髪女)、金城武(警官223号)、チャウ・カーリン(キャビンアテンダント)ほか
映画「恋する惑星」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋する惑星」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
恋する惑星の予告編 動画
映画「恋する惑星」解説
この解説記事には映画「恋する惑星」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋する惑星のネタバレあらすじ:起
香港。4月28日の夜、ある事件の捜査中だった警官223号(金城武)は、雑踏の中で謎の金髪女(ブリジット・リン)とすれ違います。「その時、彼女との距離は0.1ミリ。57時間後、僕は彼女に恋をした」
金髪女は麻薬ディーラーをしており、九龍の雑居ビル「重慶大厦」で麻薬密売の準備をすると、空港に向かいます。しかし取引相手は現れず、やがて裏切られたことが発覚します。
それから57時間後、バーで失恋の痛手を酒で紛らわしていた223号は、入って来た金髪女と再会し、打ち解けます。やがて二人はホテルに入りますが、疲れていた金髪女はすぐ眠りにつきます。223号は夜明け前にひっそりと部屋を出ます。
恋する惑星のネタバレあらすじ:承
223号の誕生日である5月1日、ポケベルに金髪女から祝いのメッセージが届きます。その頃、金髪女は裏切った取引相手を殺害し、金髪のカツラとサングラスを捨てていずこへと去っていました。
失恋の傷から立ち直った223号は、元恋人のお気に入りだった飲食店「ミッドナイト・エキスプレス」で、新入り店員のフェイ(フェイ・ウォン)とすれ違います。「その時、2人の距離は0.1ミリ。6時間後、彼女は別の男に恋をした」
6時間後、店の常連である警官663号(トニー・レオン)がやってきます。キャビンアテンダントをしている恋人(チャウ・カーリン)と破局したばかりの663号は、店のBGMに流れるママス&パパスの「夢のカリフォルニア」を聴きながらフェイに話しかけ、打ち解けます。
恋する惑星のネタバレあらすじ:転
663号の元彼女は、「ミッドナイト・エキスプレス」の店主に663号宛ての手紙を託していました。フェイは手紙の封を開けてしまいます。中には663号の住む部屋の合鍵が入っていました。
フェイは合鍵を使って663号の部屋にこっそり入ると、彼の普段の日常に溶け込むべく掃除や模様替えを行い、663号のお気に入りのぬいぐるみまで交換し、寄りを戻そうとする元彼女からの留守電を消去します。
663号は最初のうちは部屋の変化には気付かず、失恋の痛手から幻想を見ているのではないのかとすら思っていました。やがてフェイの気持ちに気付いた663号は、フェイをデートに誘います。
恋する惑星の結末
デートの待ち合わせ場所は「カリフォルニア」。雨が降りしきる当日、663号は「カリフォルニア」というバーで待っていましたが、いつまで経ってもフェイは現れません。代わりに現れたのは「ミッドナイト・エキスプレス」の店長で、フェイからの手紙を預かっていました。どうやらフェイはアメリカのカリフォルニアに行ってしまったようです。手紙の中には日付が1年後の搭乗券でした。行先は雨に滲んで見えませんでした。
それから1年後。ちょうど搭乗券の日付の日、キャビンアテンダントに転職していたフェイは、仕事の合間を縫って久しぶりに「ミッドナイト・エキスプレス」を訪れます。カウンターにいたのはまさかの663号でした。
663号は警察を辞め、店長から店を譲り受けていたのです。663号はフェイにあの時の搭乗券を見せます。「こんな搭乗券で乗れるか? 日付は今日。行き先が読めない、知ってるかい?」フェイは新しい搭乗券をナプキンに書き始め、「どこに行きたい?」と663号に訪ねると、彼はこう答えました。「君の行きたいところ」と。
以上、映画「恋する惑星」のあらすじと結末でした。
「恋する惑星」感想・レビュー
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上映当時ミニシアター系が好きな人たちの間で社会現象になった作品。90年代の香港に暮らす若者達の群像劇。まったりした香港の熱い空気がスクリーンからつたわってきそうなカメラワーク。ジーン•セバーグのような髪型の主演のフェイ•ウォンがとにかく可愛い。警官役のトニー•レオンに片想いしているんだけどその切なさがダイレクトに伝わってきてこのきゅんきゅんする感じは西洋の人たちには理解しづらい東アジア人共有の感情なんだろうなとリアルに共感できました。
舞台は香港、2組の男女の不思議で大人な恋愛の物語。落ち着いた大人男性の雰囲気を持つ金城武とトニー・レオンの刑事役がセクシーで最高!女性たちは、魅力的なトニーの演技にメロメロになること間違いなし!劇中曲の「ママス&パパス」のCalifornia dream も映画にぴったりで耳に残ります。
ちょっぴり不思議な感じで、独特な映画ですが、アートな雰囲気が作品に漂っていて素敵な作品です。