チャーチル ノルマンディーの決断の紹介:2017年イギリス映画。あの“ダンケルク”の作戦から4年…。第二次世界大戦時の英国首相ウィンストン・チャーチルが苦悩しながらも史上最大の作戦とうたわれたノルマンディー上陸作戦決行を決断するまでの96時間を描いた歴史ドラマです。
監督:ジョナサン・テプリツキー 出演者:ブライアン・コックス(ウィンストン・チャーチル)、ミランダ・リチャードソン(クレメンティーン・チャーチル)、ジョン・スラッテリー(ドワイト・D・アイゼンハワー)、エラ・パーネル(ヘレン・ギャレット)、ジェームス・ピュアフォイ(ジョージ6世)ほか
映画「チャーチル ノルマンディーの決断」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「チャーチル ノルマンディーの決断」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
チャーチル ノルマンディーの決断の予告編 動画
映画「チャーチル ノルマンディーの決断」解説
この解説記事には映画「チャーチル ノルマンディーの決断」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
チャーチル ノルマンディーの決断のネタバレあらすじ:起
あの“ダンケルク救出作戦”から4年、第二次世界大戦も末期に差し掛かった1944年。時の英国首相ウィンストン・チャーチル(ブライアン・コックス)男は、浜辺に打ち寄せる波に戦争で死んでいった無数の名も無き兵士たちに想いを馳せていました。やがて妻のクレメンティーン(ミランダ・リチャードソン)から時間だと呼び出されたチャーチルは、史上最大の作戦と目される“ノルマンディー上陸作戦の会議のため連合国軍司令部へと向かいました。
英国国王ジョージ6世(ジェームス・ピュアフォイ)も同席するなか、チャーチルは連合国軍最高司令官ドワイト・D・アイゼンハワー(ジョン・スラッテリー)に対し、ノルマンディーへの上陸は若い兵士を何万人と犠牲にするものであり、承服できるものではないと真っ向から反対しました。チャーチルの脳裏には、かつて第一次世界大戦時の1915年、自らが指揮した“ガリポリ上陸作戦”で大敗を喫し、50万人もの死傷者を出した苦い経験が焼き付いていました。
チャーチル ノルマンディーの決断のネタバレあらすじ:承
しかし、ジョージ6世やアイゼンハワーはチャーチルの訴えを退け、作戦は周到に計画され最新兵器も投入すること、そしてガリポリの時とは状況が違うことを告げて説得しました。
首相官邸に戻ったチャーチルは、ノルマンディー上陸作戦に代わる作戦を練り始めましたが、既に作戦そのものはチャーチルの意志に関わらず初めから決まっていたものでした。怒りの収まらないチャーチルは、クレメンティーンが連れてきた新入りの秘書ヘレン・ギャレット(エラ・パーネル)につい八つ当たりしてしまい、いつにも増して葉巻の数や酒の量も増えていきました。
翌日、チャーチルは前線の兵士たちを鼓舞するために訪れ、兵士を前に演説を始めようとしましたがバーナード・モンゴメリー将軍(ジュリアン・ウェイダム)に制止されました。モンゴメリーは、士気が高まっている兵士たちに作戦反対を訴えることは、それこそ死にに行くようなものだと訴え、自ら兵士たちを奮い立たせる演説を行いました。
首相官邸に戻ったチャーチルは、酒の量が増えたことをクレメンティーンにたしなめられ、休養が必要だと諭されました。しかし、アイゼンハワーが国に残した妻に毎週手紙を書いているという話になった途端にチャーチルは機嫌を損ね、クレメンティーンと口論になってしまいました。
チャーチル ノルマンディーの決断のネタバレあらすじ:転
作戦決行まであと2日。現地ノルマンディーの天候は急激に悪化しており、作戦決行そのものが危ぶまれる事態に陥っていました。連合国軍は既に100万人もの大軍を編成していたのですが、状況次第では撤退やむなしと聞き付けたチャーチルはアイゼンハワーの元を訪れ、「指揮官は兵士とともに戦場にいるべきだ」と主張しましたが、アイゼンハワーは「君は指揮官ではない」と一蹴、ジョージ6世も自ら首相官邸を訪れて「今の我々は足手まといになるだけ」と兵士たちを戦闘に集中させるべきだとの持論を述べました。
その夜の夕食の最中、チャーチルは溜まった感情を爆発させて荒れ出し、呆れ返ったクレメンティーンは部屋に閉じこもってしまいました。チャーチルは寝床で一人、明日の天候が酷く荒れ狂うものになるようにと祈っていました。
しかし、遂に訪れた作戦当日、天候はチャーチルの願いとは裏腹に回復していました。
チャーチル ノルマンディーの決断の結末
遂にノルマンディー上陸作戦は決行されました。首相官邸にはチャーチルを心配してジャン・スマッツ元帥(リチャード・ダーデン)が訪れ、クレメンティーンにノルマンディー上陸作戦の兵士のために演説の原稿を書かなければならないと悩みを打ち明けました。スマッツはチャーチルの部屋に入り、ギャレットに原稿のタイプライターを打たせました。相変わらずチャーチルはガリポリでの失敗を引き合いに出して抵抗しましたが、ギャレットは意を決して立ち上がり、チャーチルに「私の婚約者も出征しているのです。明日は死体になっているとあなたの口から聞きたくない!」と啖呵を切りました。彼女の意志に心を打たれたチャーチルはスマッツと意見を交わしながら演説の原稿を練り上げていきました。
そして1944年6月6日午前6時、チャーチルは国民を奮い立たせる世紀の演説に臨みました。
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