ロシア52人虐殺犯 チカチーロの紹介:1995年アメリカ映画。8年間で52人もの犠牲者を出した史上最悪の殺人鬼アンドレイ・チカチーロを追う刑事の姿を描く。保守的な社会体制の元、偏った上層部の思想と権力に阻まれながらも、熱意と執念で前進を続けた男達はついにチカチーロにたどり着く。原作はロバート・カレンのノンフィクション作品『子供たちは森に消えた』。
監督:クリス・ジェロルモ 出演者:スティーヴン・レイ(ヴィクトル・ブラコフ)、ドナルド・サザーランド(ミハイル・フェチソフ)、ジェフリー・デマン(アンドレイ・チカチーロ)、マックス・フォン・シドー(アレクサンドル・ブハノフスキー)、ジョス・アクランド(ボンダルチュク)ほか
映画「ロシア52人虐殺犯 チカチーロ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロシア52人虐殺犯 チカチーロ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ロシア52人虐殺犯 チカチーロ」解説
この解説記事には映画「ロシア52人虐殺犯 チカチーロ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロシア52人虐殺犯 チカチーロのネタバレあらすじ:悪夢の幕開け
舞台は1982年、ソビエト連邦ロストフ州。民謦の検死官ヴィクトル・ブラコフは、運び込まれた遺体を前に顔を顰めていました。遺体が発見された森の付近では同様の事件が続いており、連続殺人事件と判断したブラコフは上層委員会に報告します。上司のミハイル・フェチソフ少佐は理解を示すものの、委員会の責任者ボンダルチュクは「ソ連に連続殺人犯はいない」と言い切ります。そしてブラコフを殺人事件の担当者にしてしまいました。その頃、とある駅構内では茶色のコートを着た男が少女と話していました。彼こそが連続殺人犯アンドレイ・チカチーロ。チカチーロは主に森の中で犯行に及んでいました。
ロシア52人虐殺犯 チカチーロのネタバレあらすじ:焦燥と苛立ち
聞き込み調査を始めたブラコフは、「電車鉄道」というキーワードに目をつけます。犯人は列車で移動しながら獲物を探していると考えたのです。森では既に16の遺体が発見されていました。ブラコフは上層部に人員の確保とパソコンの用意、FBIとの連絡、そして一般市民に事件を知らせるなどの措置が必要だと話します。しかし要求は通りません。官僚制度の慣習に阻まれ、なかなか前進出来ないブラコフは苛立ちます。1983年春、ブラコフは私服捜査官を駅に送り込んで見張らせていましたが、成果は上がりません。ボンダルチュクの指示で同性愛者や医者を次々逮捕していきますが、当然事件は解決しませんでした。
ロシア52人虐殺犯 チカチーロのネタバレあらすじ:1度目の逮捕
ところが1984年春、駅構内を見回っていたブラコフは少年に声をかけるチカチーロを目撃します。彼の鞄にはナイフとロープが入っていました。ブラコフはチカチーロを逮捕しますが、自白を引き出すことが出来ません。しかも血液鑑定ではチカチーロは無罪という結果になりました。犯人はAB型と考えられていましたが、チカチーロはA型だったのです。ブラコフは血液鑑定の鑑識技術に問題があると訴えますが、結局勾留を解くしかありませんでした。1986年になっても犯人は捕まらず、心身ともに疲弊したブラコフは休暇を与えられます。ボンダルチュクはブラコフの解任を命令しますがフェチソフが庇います。復帰後、ブラコフは精神科医に捜査協力を求めることを提案。異常心理学に興味を持つアレクサンドル・ブハノフスキー博士が協力を申し出ました。彼はこれまでの事件から犯人のプロファイリングを行います。
ロシア52人虐殺犯 チカチーロのネタバレあらすじ:前進
1990年春。ペレストロイカ政策により一党独裁に終止符が打たれました。これによりブラコフは捜査のトップに就任します。将官に昇進したフェチソフは以前ブラコフが必要だと訴えた人員やFBIとの連携などを覚えていて、何でも用意出来ると請け負います。ようやく明るい兆しが見えてきた中、ブラコフはある提案をします。ロストフ80キロ圏内にある全ての駅に、制服を着た警官を見張りとして立たせることにしたのです。その内小さな駅にだけは私服捜査官を置き、犯人を誘き出す作戦でした。怪しい者がいれば逐一氏名や職業を質問票に書くよう捜査官に指示を出します。1990年秋に始まったこの作戦で、チカチーロは今までのように駅で獲物を見つけることが出来なくなりました。欲求不満に陥ったチカチーロは、捜査官のいない小さな駅に目をつけます。7週間後、ブラコフとフェチソフは例の小さな駅に出向き質問票に目を通しました。そこでブラコフはチカチーロの名前を発見。彼が出て来たという森からは少女の遺体が発見されました。そして11月20日、ついにチカチーロは逮捕されます。
ロシア52人虐殺犯 チカチーロの結末:事件の終わり
チカチーロは前回と同じく頑として自白しませんでした。ブラコフはブハノフスキーに尋問を頼みます。ブハノフスキーは3年前行ったプロファイルを読み上げました。子供時代の生活、思春期の悩み、性への自慰と夢想……全てを言い当てられたチカチーロは顔色を変え震え出します。そして午後9時45分、ついにチカチーロは犯行を認めました。その後の調査でチカチーロの被害者は52人、その内35人は17歳にも満たない子供達だと判明します。殺人罪を言い渡されたチカチーロは銃殺刑に処せられました。史上最悪の連続殺人事件は終わり、この映画も終幕を迎えます。
以上、映画ロシア52人虐殺犯/チカチーロのあらすじと結末でした。
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