今そこにある危機の紹介:1994年アメリカ映画。トム・クランシー原作小説の映画化第3弾です。「真実と向かい合えるのは愛を知る者―」というキャッチコピーで、主役キャラのCIA情報アナリストであるジャック・ライアンの活躍を緊張感溢れるタッチで描いた社会派サスペンス・アクションドラマです。
監督:フィリップ・ノイス 出演:ハリソン・フォード(ジャック・ライアン)、ウィレム・デフォー(ジョン・クラーク)、アン・アーチャー(キャシー・ミュラー・ライアン)、ヨアキム・デ・アルメイダ(フェリックス・コルテズ)、ヘンリー・ツェーニー(ロバート)、ほか
映画「今そこにある危機」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「今そこにある危機」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「今そこにある危機」解説
この解説記事には映画「今そこにある危機」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
今そこにある危機のネタバレあらすじ:1.プロローグ:事件
深夜、カリブ海上をある1隻の船がアメリカ国旗を翻し、進んでいました。そして、その翌朝、そのカリブ海で、アメリカ沿岸警備隊カッター「パナシュ」は、不審なクルーを見つけました。調査に乗り込むとそこは修羅場と化していました。その船の中で実業家ハーディン一家が皆殺しにされていたのでした。CIA本部に出勤した情報担当官のジャック・ライアンは、家族ぐるみで親しいCIA副長官ジェームズ・グリーア提督に、呼び出されました。ライアンはその日、カリブ海で起きた実業家ハーディン一家皆殺し事件について資料を渡されました。
今そこにある危機のネタバレあらすじ:2.忖度
この事件を知ったライアンは提督と共に、ホワイトハウスに出向き、事件の報告をしました。そこにはエドワード・ベネット合衆国大統領、大統領補佐官ジェームズ・カッター、そして彼の右腕のCIA作戦担当副長官ロバート・リッターがいました。報告を終えライアンと提督が外へ出ると、ベネット大統領は、即座にカッターを呼びつけました。密室の中、麻薬撲滅の公約をしていた大統領は、公約を果たせずにいることに憤りながら、カッターに麻薬撲滅の抜本的な措置の必要性を説きました。ベネット大統領はカッターに「麻薬カルテルの存在こそが,我がアメリカにとっての『今そこにある危機だ』。」と言いました。その言葉を聞いたカッターは大統領の意思を忖度し、ある決断をしました。
今そこにある危機のネタバレあらすじ:3.暗躍
その頃、コロンビアの麻薬組織「カリ・カルテル」のドンであるエルネスト・エスコベド邸へ、ある男がやって来ました。彼はフェリクス・コルテズという名の男でした。かつてはキューバ活動上層部に所属していた頭の切れるコルテズは、エスコベドに「相手は合衆国大統領の親しい者ですよ。何も皆殺しにしなくても…」と言いましたが、エスコベドは耳を傾けず、あくまで強気でした。さて、ライアンは愛妻キャシー・ライアンと二人の幼い子供たちと、いつもの慌ただしい朝を迎えていました。妻キャシーは病院で医師として働いていました。その時、一本の電話がかかってきました。それはグリーア提督からでした。提督はガンを患い、とうとうそれが発症し、病院に入院の身となりました。心配するライアンに提督は、CIA 副長官代行の任に就けました。提督はハーディン一家殺害事件の真相を暴くように命じました。そして、提督はライアンに「ワシントンでは誰にも気を許すな」と警告しました。早速、ライアンはワシントンへ飛び、任に就きました。そこにはリッターもいました。リッターはライアンを「まるでボーイスカウトですよ。正義感が強くて、クリーンで融通が聞かなくて…」と評し、嫌っていました。それを聞いたカッターは、「仲間に入れる必要はない」と言い放ちました。リッターもそれに賛同しました。カッターは大統領の意思を忖度し、極秘裏に「麻薬カルテル撲滅軍事作戦」を決行しようとしていました。知っているのはリッターだけでした。自分の保身をはかるリッターは、万が一のために、カッターに大統領からの承認書を求めました。カッターは議会の承認なしに、その承認書を作成し、リッターに渡しました。その頃、ライアンはFBI本部で、ハーディンがコロンビアの麻薬「カリ・カルテル」の資金を洗浄していた担当銀行家であることを突き止めました。そして、ハーディンは密かにその一部の資金6億5千万ドルを着服していたのでした。ライアンはそのことを知った麻薬カルテルの殺し屋が、彼ら一家を皆殺しにしたと推理しました。同時期、コルテズは偽造パスポートでアメリカへ入国、恋仲になったFBI長官の秘書モイラからアメリカ側の動きを探りました。一方、カッターの命を受けたリッターは、パナマに飛び、海軍特殊部隊出身でCIA工作員ジョン・クラークに「麻薬カルテル撲滅軍事作戦」を依頼していました。クラークはそれを引き受けました。
今そこにある危機のネタバレあらすじ:4.極秘作戦開始
着々と「麻薬カルテル撲滅軍事作戦」が極秘裏に開始されていました。もちろん、ライアンは知りませんでした。クラークは海軍でも腕利きのメンバー12名選び、目的地コロンビアにチームを派遣しました。その頃、ライアンは大統領にハーディンがコロンビアの麻薬組織から6億5千万ドルを着服していたことを報告しました。報告を聞いた大統領はその金を政治資金にしようと、口座を凍結するようにライアンに指示しました。しかし、それはまだライアンの推論でした。大統領はライアンにその真相を確かめるように、コロンビアに行くように命じました。困ったライアンは提督に相談に行きました。提督はライアンに腕利きで信頼できる男として、クラークを紹介しました。コロンビアに飛んだライアンは早速、クラークと相談しました。クラークはライアンにある情報を伝えました。その情報を頼りにライアンは調査しました。そして、その夜、ライアンは大統領に、つかんだ情報を報告しました。しかし、そこにはカッターとジェイコブスFBI長官が同席していました。大統領の命を受けたジェイコブスはコロンビアに飛びました。その頃、ラミレス陸軍大尉率いる部隊は、極秘作戦を決行、見事にエスコベドの麻薬工場を発見、爆破し、壊滅させました。当然、エスコベドは怒り狂いました。ただ、共に来ていたコルテズは冷静でした。彼はその現場から襲撃した相手の残した証拠物件を見つけました。ベネット大統領はその一報を聞き、直ぐさま、記者会見を開きました。大統領は、ライアンからの情報を元に、麻薬組織の銀行口座を凍結し、大きなダメージを与えることを発表し、自身の功績をアピールしました。それをTVで観ていたエスコベドは怒り、「奴を殺してやる」と呟きました。モイラからFBI長官ジェイコブスが密かにボゴダ入りするという連絡を受けたエスコベドは、ジェイコブスFBI長官の暗殺を目論みました。
今そこにある危機のネタバレあらすじ:5.作戦
コロンビアに到着したジェイコブスFBI長官一行を、ライアンは出迎え、警察の先導を受け一路オフィスに向かいました。その途中、コルテズの部下たちから、一行は突如、ロケットランチャーやマシンガンで襲撃されました。ライアンは必死で応戦しつつ、ジェイコブスを守ろうとしましたが、味方は悉く殺されました。ライアンは、撃たれて瀕死のジェイコブスを抱え、車で逃走しましたが、惜しくもジェイコブスは息を引き取ってしまいました。ただ、この襲撃暗殺作戦は、大損害を受け怒るエスコベドの報復に見せかけようとし、コルテズが他の麻薬カルテル「ロハス」と仕組んだ巧妙な作戦でした。コルテズは、アメリカに飛び、役目を終えたモイラを殺しました。手段を選ばない麻薬カルテルに憤ったカッターは、実力行使を指示しました。電話を盗聴し、麻薬カルテルのボスたちがロハス邸に集まるあることを知ったリッターは、パナマ湾の空母からF16を出撃させました。優れた能力を買われ極秘チームの一員となった狙撃の名手シャベスは、クラークと共に赤外線スコープでロハス邸に照準を定めました。彼らは高性能ミサイルでロハス邸を爆破し、女子供もろともボスたちを一掃しました。極秘作戦は成功したかに見えましたが、肝心のあのエスコベドは、時間に遅れ、命拾いをしていました。
今そこにある危機のネタバレあらすじ:6.誓い
アメリカ政府が行った不法攻撃の事実を知ったコルテズは、カッターと取り引きしようとしました。カッターは自らの利益と保身のため、コルデズの取り引きに乗りました。コルテズにカッターは、自らが派遣した極秘特殊部隊の現在位置を教えました。そしてまた、カッターは部隊との通信回線を切らせることを約束しました。また、ライアンはモイラの録音電話と盗聴テープから、ようやくコルテズの存在を突き止めました。ライアンはこの一連の事件の大枠を把握し、極秘に特殊部隊が送られたことに気付きました。そして、ライアンはかねてから不信をいだいていたカッターを、部下に監視させていました。カッターとコルですの取り引きの内容は、一部始終記録されました。その記録を見たライアンは戸惑いました。そんな時、敬愛するグリーア提督が亡くなりました。ライアンは提督が最後に残した「誓っただろう?…初めて公務に就いた日に、君は国家のために力を尽くして働くと誓いを立てたはずだ。…君は大統領の雇い主である国民に対して誓いを立てたはずだぞ。その誓いを全うしろ」という言葉を思い出しました。ライアンはリッターのコンピューターにハッキングし、物的証拠を得ようとしました。ライアンはリッターの極秘メール文書を得て、彼に迫りました。すると、リッターは大統領が当初から関係していたと言い、金庫から事前に得ていた承認書を見せ、開き直りました。ライアンは憤りました。
今そこにある危機のネタバレあらすじ:7.救出
コルテズは部下を派遣し、ラミレス陸軍大尉率いる部隊を襲撃しました。そして、ラミレスは囚われてしまいました。ライアンは単身コロンビアへ飛びました。そこで、見殺しにされようとしている部隊を必死で救い出そうと、彼らの行方を追うクラークと出会いました。クラークはカッターからこうなった全ての責任はライアンにあると言い含められていました。クラークはライアンを捕らえ、そして、カッターに「ライアンを殺した。救出隊を送れ」と言いました。カッターは無言で電話を切りました。カッターはライアンの言葉を信じました。救出に向かったライアンとクラークは偶然、隊から離れ生き残っていたシャベスと出会い、3人でラミレスらの救出のため、カルテルの本拠地に向かいました。ライアンはコルテズに取り引きと言い、コルテズが裏切り、カルテルを乗っ取る気であると教えました。証拠のテープを聴いたエスコバドは、コルテズを抹殺に行きますが、逆に彼に殺されてしまいました。その間にライアンとクラークは、兵士たちの救出と脱出に成功し、最後にコルテズも倒しました。
今そこにある危機の結末:8.エピローグ:正義の宣誓
一連の事件の全貌を確信したライアンは、ホワイトハウスに向かいました。ライアンは怒りに打ち震えていました。そんなライアンにベネット大統領は「腹立ち紛れに事を決めてはいかんぞ」と忠告してきました。ライアンは「それはあなただ!罪もない一般の人たちが命を落としたのです。…恥知らずが」と大統領に向かって言い放ちました。ベネットは「私はアメリカ合衆国大統領だぞ!」と言い返してきました。ライアンは静かに「そんな言葉には何も感じません。私は上院監視委員会に提訴するつもりです。」ときっぱりと言いました。ベネット大統領は何とかライアンを説得し、やめさせようとしますが、決意の堅いライアンは「あなたともう話すべき事はない」と言い、立ち去りました。そして、数日後、監視委員会に出席したライアンは、真実のみを語ると宣誓しました。
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