歌え!フィッシャーマンの紹介:2001年ノルウェー映画。ノルウェー北限の町の男性合唱団の個性豊かな面々。メンバーたちのエピソードを織り交ぜながら、ロシアでのコンサートまでを追う。
監督:クヌート・エーリク・イェンセン 出演者:ベルレヴォーグ男声合唱団
映画「歌え!フィッシャーマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「歌え!フィッシャーマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「歌え!フィッシャーマン」解説
この解説記事には映画「歌え!フィッシャーマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
歌え!フィッシャーマンのネタバレあらすじ:起・北端の合唱団
ノルウェー北端の海辺の町、ベルレヴォーグにある男性合唱団はストランド・ボーイズと呼ばれ、町の人々から親しまれている。最年長は96歳までがその団員として集い、歌う。彼らの歌はアカペラで、讃美歌じみたものから、民族音楽までそのレパートリーは多岐にわたる。またこの合唱団があることで、この町の誰もが互いによく知り合うようになる。団員たちは職種も生活スタイルもみなそれぞれ異なるが、歌う場になるとぴたりと息が合う。
歌え!フィッシャーマンのネタバレあらすじ:承・町の現状と暮らし
ベルレヴォーグはかつては水産業、水産加工業で栄えたが、かつては五つあった工場もも、今は一つになってしまった。それでも水産業は必要な産業なので続いている。しかし水産業の衰退によって、この町の雇用は減った。ある団員は引っ越しも考えたが、子供を育てる環境考えると、この海辺の町が良いので、ここで仕事をしている。この町の移り変わりを、悲観的に見る者もいれば、楽観的に見る者もいる、皆それぞれ異なる意見を持ち合わせている。
歌え!フィッシャーマンのネタバレあらすじ:転・それぞれの拠り所
練習時のピアノ伴奏者は自分は楽器を弾かずにはいられない質で、教会のオルガン奏者をしている。彼自身は無神論者だが、地域にとって教会がある事の意味は理解している。彼がオルガンを弾く教会で合唱団が歌う事もあった。また、別の町の教会に呼ばれてコンサートをすることもあった。また団員の中には共産主義者もいた。彼はこのノルウェーにいて、政治的に自分は死んでいるようなものだと嘆き、腰を上げなければと自分を叱咤する。彼らは町の中で、海辺で、港で歌い、また、彼らの歌と共に、ヴェルレヴォーグの四季の美しい風景が映し出される。
歌え!フィッシャーマンの結末:いざロシア公演へ
合唱団はロシアのムルマンスクでのコンサートに呼ばれた。バスで移動しながら、ロシアに入ると彼らはマンションの立ち並ぶ街並みや、工業地帯に驚く。そして同時に公害のせいではげ山になってしまった土地を見て愕然とする。共産主義者は冷戦のせいだとかつてのソ連をかばおうとした。ホテルで集まった女性たちとチークダンスを踊った団員たちは、翌日、この町のモニュメントと戦没者の名の刻まれた慰霊碑を見た、共産主義者はそれを見て涙をこらえきれなかった。ムルマンスクは二次大戦時、ソ連とナチスが激戦を繰り広げた場所で、町を流れる河は血で赤く染まったとまで言われている。そのモニュメントと慰霊碑のある広場の階段で彼らは歌う。そしていよいよ、コンサートが開かれる。彼らの前にも別の合唱団が歌を披露し、拍手喝采されているのを見ながら、団員は緊張するばかり。そして、本番の舞台で彼らはロシア民謡を歌い切り、会場から拍手喝采を得、お客たちからサインを求められた。そして、冬、吹雪の吹きすさぶベルレヴォーグの町で、彼らは今日も歌う。
以上、映画「歌え!フィッシャーマン」のあらすじと結末でした。
歌え!フィッシャーマンのレビュー・感想:歌によって結ばれた絆
北限の町には、幼少からその土地で育った人もいれば、移ってきた人、仕事で赴任してきた人、様々な人がいる。合唱団はそんな彼らを繋げる一つの役割を担っている。町は水産業の衰退によって雇用が減ったと語られるものの、町には若者もおり、時折ベビーカーが並んで通る。それは次の世代がこの土地に確実に根差している証拠で、この町の未来が確実に育まれているのがわかる。吹雪の中で髭や眉を凍らせながらも歌う彼らは、とても誇らしげに見える。
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