ある天文学者の恋文の紹介:2016年イタリア映画。『ニュー・シネマ・パラダイス』『鑑定士と顔のない依頼人』などのジュゼッペ・トルナトーレ監督作品。死んだはずの恋人から手紙やメールが届く…ある種の謎解き要素も含みながら、語られるのは愛。人は死んでも相手を思い、愛せるのか。技術は時間と距離を縮めるのか。
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:ジェレミー・アイアンズ(エドワード・フィーラム教授)、オルガ・キュリレンコ(エイミー・ライアン)、ショーナ・マクドナルド(ヴィクトリア)、パオロ・カラブレージ(オッタヴィオ)、アンナ・サヴァ(アンジェラ)、ほか
映画「ある天文学者の恋文」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ある天文学者の恋文」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ある天文学者の恋文の予告編 動画
映画「ある天文学者の恋文」解説
この解説記事には映画「ある天文学者の恋文」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
詳細あらすじ解説
ある天文学者の恋文のネタバレあらすじ:起
暗闇の中でキス音から始まります。2人の男女が服の上からキスしています。ただ、2人の年齢差は父と娘程の隔たりはありました。女性は満たされていました、男性は心配がありました。エド「僕に何か言い洩らしていることはないか」 エイミー「全部言ったわ。何が不安なの?」エド「いや、ならいい」 エイミー「飛行機の時間に遅れるわよ」
そこはロンドンのホテルの一室。朝6時です。エドは別の部屋で着替えを済ませて出かけます。迎えのタクシーに乗り込もうとするところをエイミーが窓際で見守っています。エイミーが寝ようとすると、ベッドで箱を見つけました。それには星の指輪がが入っていました。するとメールが送信されてきました。「また1つ謎が減ったかな? エド」エイミーは、そのメールに返信して、眠りにつきます。そして、起きてから出かけたのは燃え盛る炎の中、その火の中に飛び込み、走り抜けた時、背後で爆発が起きました。
「はい、カット!」 エイミーはスタントをやっていて、エドからカミカゼと呼ばれていました。アパートに帰るとしばらくして、配達物が届きました。それは花束でした。さらに、手紙も添えていました。エドからです。CD-Rのビデオメッセージでした。
「誕生日おめでとう。これまでの5年間楽しかった。」まるで別れの挨拶のようですが、「これからもよろしく」と続くので、杞憂のようです。再生する、エイミーのノートパソコンは調子が悪いようです。時々、叩いて、調整します。
それから、数日、音信不通になりました。でも、時折、メールは届きます。けど、声が聞きたいエイミーは時折、電話するのですが、留守録です。口頭試験は、エドの言うように、得意分野の質問でした。魔法使いは、彼女のことを何でも知っているのです。
そして、大学のエドの講義に出席しますが、「僕の代わりに誰が出てる?」とメールが送られてきたのに、入ってきた講師が告げたのはエドの死でした。しかも数日前に亡くなっているというのです。全員が起立して、黙とうする中、混乱した、エイミーは教室を抜け出して、電話をしますが、応答はありません。その後、数日、エイミーは新聞記事やネット情報から、エドの死を受け入れようとしますが、時々、エドからのメールも来るのでした。
エイミーは、2人で最後にとまったホテルを訪ねます。すると部屋をノックする音がしました。開けてみると、忘れ物を届けに来た従業員でした。中には、約束していた、エドの臭いつきのYシャツでした。その日は、そのYシャツを着て寝ました。
ある天文学者の恋文のネタバレあらすじ:承
起きるとたまらなくなって、エドの実家があるエジンバラに向かいます。ロンドンの北662.56km。大体、東京から函館の距離が680kmなので、そのくらいの移動です。家に行きますが、エドには妻子がいますので、訪問するわけには行けません。そこで、墓だけでも探そうとすると埋葬されてないというのです。代わりに、墓を探しに来た人物に伝言が残されていて、ある弁護士事務所を教えられました。そこで、小さな箱と手紙を受け取ります。弁護士は言います。「何か困ったことがあれば、連絡を」
エイミーは、道端のベンチで、箱を開くと指輪が入っていました。そして、手紙に、エドが父親から貰った指環を君にゆずると書かれていました。エイミーがそのまま、立ち去ろうとすると、止まっていたタクシーの運転手が、忘れてものがあると言います。そこにはフロッピーの入った封筒がありました。ロンドンの下宿に帰り、フロッピーを再生すると、2人でかつていた別荘への招待状がありました。エイミーが合いカギを失くしていてはいけないと、合いカギもあります。週末、エドの誕生日に島に向かうことにしました。
その前に、いつものスタントとは違う仕事がありました。石膏像の型取りです。動いてはいけないのですが、閉塞感と孤独感、そしてエドをなくした喪失感から、つい泣いてしまったのです。顔がブレてしまいました。仕事を紹介したスタント仲間は、事情を知ってるので、説明してやめるか? と聞きますが、エイミーは続けます。
また試験があり、無事合格したエイミーにエドからメールがありました。しかし、それはエドの息子の18歳になった時のお祝いメールでした。エイミーの合格祝いは花束が届けられました。魔法使いにも狂いが生じているようです。
イタリアにある島に向かうには、船で渡る必要があります。その船頭のオッタヴィオは、知恵おくれのせいか、エドの死を理解していません。エイミーが別荘に着くと、誰かいたかのように、暖炉に火がついていました。昼食のため、レストランに向かうと、そこの主人が、エドが以前、3カ月滞在して、エイミーのために、メールや手紙を書いていたことを告げました。メニューは2人分。主人は「エドのために」といって去っていきます。
食事が帰って別荘に帰ると、アンジェラが準備をしていました。つまり、別荘に着いた時、暖炉に火をつけていたのは、アンジェラだったのです。彼女が別荘を管理していたのでした。そして、贈り物がありました。1つはフロッピー。もう一つは大きな包みです。
包みにはノートパソコンが入っていました。エイミーのノートパソコンが不調なのを知っていたからです。そして、次の日にお説教をするというのです。それまでに、見るかどうか覚悟を決めてくれというのです。
エイミーには連日、母親からの連絡がありましたが無視していました。翌日、別荘を出て、浜辺の岩の上でエドのメッセージを開きました。昨日のメッセージの中に、「浜辺で君を見つけた」と書かれていたのです。確かに、水面に寝ている女性がいるように見えます。つい、エイミーはメールで、「あなたの言う通りよ」と返信しようとして、バカげた行為と削除しました。そして、ノートパソコンを開きます。エドはエイミーの場所が浜辺と言い当てお説教を始めました。それは、何故エイミーが危険なスタントを続けているのかということです。
エドはエイミーに断りもせず、母親に会って、その理由を突き止めていました。そして、君の父親の死は、君のせいじゃない。そして君の母親も、それを心配している…とエドに言われ、エイミーは再生をストップし、別荘に帰り、フロッピーを暖炉に投げ入れます。
レストランの主人とアンジェラに挨拶をして、思い直して、火に当たらず、少し変形したフロッピーを拾い上げ、そして、オッタヴィオの船に乗って、憔悴して帰国します。
ある天文学者の恋文のネタバレあらすじ:転
飛行機の中で、エイミーを10回押すことで、エドからのメールや手紙が届かないように消去します。当然、後に後悔します。エドを10回押してもダメでした。スタント仲間の知り合いがMI6にいるとかで、データ復元しようとしますが、変形したフロッピーは流石に画像は再生できても音声データは無理でした。
録画した元データがあれば、再生できるかも…という話を聞き、エイミーは再びエジンバラに向かいます。そして、エドの娘のヴィクトリアを呼び出しました。彼女の方が3カ月年上です。当然、彼女はエイミーを恨んでいました。しかし、同時に羨ましくも思っていました。娘の自分より、エドは深くエイミーを愛していたからです。そして、エドの遺品にあったビデオカメラを渡してもらうのです。また、郵便が届けられていた運送会社をつきとめ、差出人があの弁護士だったことに気づきます。弁護士は、エドの親友でした。しかし、彼は約束を守る男で、エイミーの頼みは聞けません。エドからの指令がないと渡せないというのです。
そしてスタントは危険な首つりシーンです。流石にこれは死んでしまいます。映画のスタッフはもっと長くと無茶を言います。だから、スタントの仕事もやめてしまいました。
ヴィクトリアからもらったビデオカメラにはデータが残っていませんでした。再び、エイミーは島に向かいます。そして、オッタヴィオが島から帰る途中のエドが何かを捨てたので、いつか返さなきゃいけないんだと言っていたものを貰います。それはビデオデータでした。
水没していたので、データは完全ではありませんでしたが、何とか再生されました。しかし、それはエドの苦悩の様子でした。エドは一方的にエイミーからの返事があるわけもなく、延々と未来予測してビデオメッセージを取っていたのです。エイミーは泣きながら、見続けます。
そして、エイミーも返信をすることにしました。それは父親の死についてです。その日、エイミーは父親とドライブしていました。田舎の一本道です。少女のエイミーが運転していて、前から対向車が来ていたので交わしたら、横の土手を横転し、エイミーは脱出できましたが父親はその事故で亡くなりました。それ以降、危険なスタントを挑むようになっていたのです。
その足で、母親のもとに帰り、エドのことを報告しました。その帰りに、エドとエイミーを交互11回というエドとの会話を思い出します。僕は君の周りをまわり続けるというセリフを。
メールは再開されました。ビデオメッセージのエドは、「長い喧嘩だったね。仲直りで来てよかったよ。でも、僕は後悔していない。これからも君の指導教官として、しつこくメールする」と再会を喜びます。エイミーは博士論文で悩んでいたので、早速、そのヒントをくれます。
ある天文学者の恋文のネタバレあらすじ:結
その資料のある協会地下の図書室でおかしなメールがきました。「僕は君の男友達に嫉妬する」という物でした。「私が浮気するとでも思ってるの?」とつい叫んでしまい、「お静かに」と注意されます。その翌日、スタント仲間が父親の死と同じ状況のスタントを頼んできました。当然断りますが、お詫びに食事に誘われます。そしてメールが来ました。今度のメールは卒論のアドバイスです。流石のエドも、順序は読み切れなかったようです。そのメールをみてエイミーは大笑いします。スタント仲間は、落ち込んでいたエイミーを笑わせる彼女の彼氏は優秀だなと褒めますが、事情通のスタント仲間だけは、それを切なそうに見つめます。
偶然、エイミーは元エドの主治医を見つけました。彼は忙しそうでしたが、エドの名前を出すとしばらく会話を許してくれました。彼は、医師として、彼の計画に反対しました。エイミーや家族・友人を巻き込み、そして彼の人生すらも犠牲して、未来に干渉しようとしていたからです。
そこで、エイミーはエドの病名を知ります。脳にがん細胞が出来ていたのです。また、彼が最後にかに星雲の研究をしていたそうです。カニ=キャンサー=ガン。かに星雲は、エドの頭の中の腫瘍と似ていたそうです。エイミーも観測します。
ある日、エイミーの学生寮に泥棒が入りました。エドからもらった新しいノートパソコンも盗まれてしまい、以前の古いノートパソコンを使うことにしました。
最期のスタントとして、父親の死の原因となった事故を再現するスタントに参加しました。見事、成功し、相手役の同僚も死なせずに済みました。
そしてそれは客星(超新星)の博士論文として完成し、其之発表会はヴィクトリアや母親を招待して、大盛況で終わりました。その足で、母親の家に泊まることになり、母親は、エドからのメッセージを預かっていました。それはエドからの最期からのメッセージでした。顔を見せず、後ろを向いています。3カ月のラストで、病状が悪化してるからでした。流石のエドも大学を卒業し、スタントもやめたエイミーを予測することはできません。それが最期であり、別荘をエイミーに譲渡すると言って、お別れしました。
その帰り道にエイミーをかたどった石膏像を元にした展示会が行なわれている場所に偶然立ち寄りました。それは、あの泣いた時の物でした。製作者は、その後、泣いてない完全なエイミーの像も作ったのですが、何故か不完全な、こちらの像の方が気に入ったそうです。
彼女が何を考えていたか、僕は知らない、連絡先も分からないと言っているので、エイミーは立ち去ることにします。そこにスタント仲間が声をかけます。今日は気分じゃないと言って断りますが、その内、連絡すると言って別れるのでした。
以上、映画 ある天文学者の恋文の詳細あらすじ解説でした。
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