戦火の勇気の紹介:1996年アメリカ映画。湾岸戦争で戦死した女軍人の調査に就いた、心に傷を抱える軍人が、彼女の足跡を辿るうちに「本当の勇気」とは何かを見出だしていく人間ドラマです。
監督:エドワード・ズウィック 出演者:デンゼル・ワシントン(ナサニエル・“ナット”・サーリング)、メグ・ライアン(カレン・ウォールデン)、ルー・ダイアモンド・フィリップス(モンフリーズ)、マイケル・モリアーティ(ハーシュバーグ将軍)、マット・デイモン(イラリオ)ほか
映画「戦火の勇気」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「戦火の勇気」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「戦火の勇気」解説
この解説記事には映画「戦火の勇気」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
戦火の勇気のネタバレあらすじ:起
1991年、湾岸戦争でアメリカ軍が展開した「砂漠の嵐」作戦の最中、戦車部隊長だったナット中佐(デンゼル・ワシントン)は、敵の戦車と誤認して自軍の戦車に攻撃命令を出し、部下で親友のボイヤー大尉を死なせてしまいます。終戦後、ペンタゴンに戻ったナットは事務職に配置されます。主な任務は軍のセレモニーなどを担当したり、名誉勲章対象者がそれにふさわしいかを調査するというものです。しかし、ナットは友を失った喪失感と罪悪感を酒で紛らわし、妻メレディス(レジーナ・テイラー)との関係もギクシャクしていました。
戦火の勇気のネタバレあらすじ:承
誤射事件を追うワシントンポスト紙の記者ガードナー(スコット・グレン)がナットの周辺を嗅ぎ回る中、ナットの上司であるハーシュバーグ将軍(マイケル・モリアーティ)は事件のことは気にしないようにと言うと、新たな任務として史上初の女性の名誉勲章候補であるカレン大尉(メグ・ライアン)の調査を命じます。カレンは救助ヘリのパイロットで、勇敢に戦って戦場に散ったといわれ、ペンタゴンや政治家たちはカレンの名誉勲章を利用しようと虎視眈々でした。早速調査にあたったナットでしたが、やがて大きな疑問に突き当たっていきます。
戦火の勇気のネタバレあらすじ:転
カレンの死の真相は未だ謎に満ちたものであり、ナットは彼女の周りの人物を調査しているうちに証言に食い違いが露見してきました。衛生兵だったイラリオ(マット・デイモン)はカレンは勇敢だったと言えば、軍曹のモンフリーズ(ルー・ダイアモンド・フィリップス)は彼女は臆病者だったとも発言、隊員の意見は真っ向から分かれていました。やがて軍の上層部から圧力がかかり、ナットはハーシュバーグから報告書を求められますが応じられず、任務から外されてしまいます。それでもナットは単独で真相を追い続けました。
戦火の勇気の結末
ナットは再びモンフリーズの元を訪れますが、彼は何も語ることなくナットの目の前で車ごと列車に衝突して自殺しました。ナットはイラリオから証言を得ようとしましたが、彼はヘロインが原因で不名誉除隊になっていました。それでもナットはようやくイラリオの居場所を突き止め、ようやく真相に辿り着きます。事の真相は、カレンのヘリはイラク軍との交戦で被弾して不時着、敵軍への投降を訴える部下に対してカレンは反逆とみなし軍法会議にかけると恫喝、恐れをなした部下らは救援隊が来た際にカレンを見殺しにし、カレンはナパーム弾の炎に焼かれたというのです。そして、それ以来生き残った部下たちはナットと同様に罪悪感に苛まれていたのです。ナットはガードナーと取り引きしてハーシュバーグらに真相を報告します。その後、カレンには名誉勲章が贈られることになりましたが、ナットは授与式を欠席してボイヤーの両親を訪ね、謝罪します。両親は「もう重荷を下ろしなさい」と許します。ナットはカレンの墓に自分の名誉勲章と花を手向け、家族の待つ家に帰っていきました。
名誉勲章の候補に、湾岸戦争で殉職した救出ヘリの女性パイロットがあがり、デンゼル・ワシントン扮するサーリング大佐が調査を命じられる。
彼は、生前の彼女と行動を共にした兵士たちを訪ね、証言を求めるのだが———。
微妙に食い違う証言の内容を、黒澤明監督の名作「羅生門」の形式で再現するという、謎解きの面白さをはらんだ、戦争ヒューマンドラマになっている。
回想シーンに登場する女性兵士に扮するメグ・ライアンは、ある場面では臆病、ある場面では勇敢にと、同じ女性を3タイプに演じ分ける熱演を見せてくれる。
湾岸戦争を取り上げ、重い題材を扱っているのに、暗くならず、カラッとしているのが実にいい。