たとえ世界が終わってもの紹介:2007年日本映画。自殺サイトの掲示板にある自殺者集合場所に行った真奈美は、サイトの管理人・妙田に振り回され、結局死ぬことが出来ず、肺がんにかかっている長田という男を助けてやってくれと言われ偽装結婚をしてしまいます。妙田によって長田の生まれ故郷に置き去りにされた二人でしたが、真奈美の心に変化が見え始めます。自殺願望の強い女性が、がん患者と行動を共にすることによって、愛すること生きることの素晴らしさを理解していくドラマです。芦名星さんの初主演作品です。
監督:野口照夫 出演者:芦名星(宮田真奈美)、安田顕(長田寛治)、大森南朋(妙田)、平泉成(長田の父)、白川和子(長田の母)ほか
映画「たとえ世界が終わっても」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「たとえ世界が終わっても」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「たとえ世界が終わっても」解説
この解説記事には映画「たとえ世界が終わっても」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
たとえ世界が終わってものネタバレあらすじ:起
母と同じ病に悩まされ、自殺を思いつめた真奈美は、自殺サイトの掲示板にある、自殺集合場所へ向かいます。途中の駅で、同じように集合場所に向かうアスカに会います。アスカは「結婚を約束した男にフラれた。今日は死に装束に一番好きな赤いドレスを着てきた」と話します。電車に乗りこむと、アスカに元彼から電話が入ります。話をしたアスカは自殺をやめ電車を降ります。
集合場所に来たのは真奈美以外に、松井という男と、クミという女性でした。少しして自殺サイトの管理人の妙田がワゴン車でやってきます。3人が乗りこむと、自殺決行の場所へ向かいます。妙田が練炭の準備をしていると「しまった、今日は連続ドラマの最終回があるんだった。少しだけ時間をもらえる。見た後、必ず自殺させるから」と言って、一旦車を走らせます。
妙田が帰ってくると松井のお腹が鳴ります。妙田が「最後に何か食べよう」というと、「夜中のラーメンを食べたかった」とクミが言います。真奈美は店に入らず、3人が出てくると、妙田がボウリング場があるのをみて「1ゲームだけやらして?」と言います。真奈美は「いい加減にして」と怒ると、「1ゲームだけだから」と言って中に入ります。妙田はもう少しでパーフェクトの299点をはじき出します。
たとえ世界が終わってものネタバレあらすじ:承
ボウリング場を出ると、松井とクミがいません。「二人は?」と聞く妙田に「帰ってこないわよ」と真奈美が怒ります。ワゴン車の乗りこんだ真奈美に妙田が睡眠薬を渡します。これで死ねると思った真奈美が目覚めたのは、会社の自分の席でした。
真奈美は立ち上がり屋上へ向かいます。飛び降りようとしていた時、妙田が止めに来ます。「なんで!」と問い詰める真奈美に、妙田は「寝言で死にたくない・・・と言ってたから」と言います。「あなたに助けてもらいたい人がいる、助けてくれたら本当に死なせてあげる」と妙田が言いましたが、真奈美は答えず部屋に帰ります。
部屋に着くと鍵がありません。妙田から電話が入り、「鍵は持っている」と言われ、妙田の住む”妙田荘”へ行きます。変な男ばかり住むアパートで妙田が部屋に真奈美を入れます。その時、アパートの掃除をする長田が入って来ます。妙田が「フリーターでカメラマンをやっている」と教え、いなくなると、鍵を渡し、真奈美の病気の事を話します。「なんで知ってるの」と言う真奈美に、妙田は「寝言で言っていた」と言います。
そして「助けてもらいたい人はさっきの長田寛治だ。長田は肺がんで、親にも感動され仕事もない為、金もなく治療もできない。そこであなたに長田と偽装結婚してもらい、あなたの生命保険の受取人を長田にしてほしい。これであなたが自殺したら長田も治療ができる。あなたの死で人助けが出来るんですよ」と言ったのです。「協力できません」と言う真奈美に、妙田は長田の自費出版の写真集を渡します。
たとえ世界が終わってものネタバレあらすじ:転
その夜、真奈美は長田の写真集を見て眠ります。翌日、真奈美は会社に辞表を出します。妙田に会いに行くと、長田との婚姻届を渡します。生命保険の受取人の変更が終わると、妙田は「夫婦だった証を残そう」と言って真奈美と長田を連れハイキングに出かけます。
長田は色々な写真を撮ります。妙田はカメラを借り、二人の様子を映します。しばらく楽しんでいると妙田が一人で車を走らせて帰って行きます。歩いて帰ることになったものの、自分たちがどこにいるのかわかりません。そこで走ってきた車を止めて、駅の方向を聞こうとすると、運転していたのは長田の幼馴染でした。ここは長田の故郷だったのです。「お前、死んだことになっているぞ」と言う友人は、長田の実家を見せに行きます。15年前に勘当された長田は遠くから眺めるだけで、家には近づきません。その後、駅に行くと、すでに電車はありませんでした。仕方なく二人は旅館に泊まります。
長田は真奈美に「迷惑をかけてすいません」と謝ってばかりです。翌朝、長田は子供時代に遊んだ場所へ行って写真を撮りはじめます。「ここで四つ葉のクローバーを探していた」と言いながら、遊んでいる子供たちを写真に収めます。突然長田が咳き込みます。苦しむ長田を介抱する真奈美には笑顔が戻っていました。真奈美は「御両親に会いに行きませんか?私も妻として行きます」と言います。
真奈美にせかされて長田は実家の前に立ちますが「帰ろう」と言います。真奈美は一人で家に向います。そこへ長田の母が帰って来ます。母は「寛治、おじさんになったなあ」と喜びを隠せません。家の中からは、勘当した父が見ています。二人は家に上がり、長田は今までの事を詫び、真奈美は妻として挨拶をします。父が長田に「仕事は何してるんだ?」と聞きます。長田が「カメラマンだ」と言うと、「食えてるのか?」と聞きます。すると真奈美が「寛治さんの写真は本当にいいんです」と言います。それを聞いた父は喜び「お前の15年は無駄じゃなかった、真奈美さんもいるし」と大喜びします。
たとえ世界が終わってもの結末
酒を飲んで陽気になった父は、長田と相撲をとります。3人は本当の家族のように楽しいひと時を過ごします。その夜、二人の布団はくっつけられて敷かれていました。長田が引き離そうとしましたが、真奈美が「そのままでいい」と言って眠りにつきます。翌朝、二人は両親と別れます。照れ屋の父は遠くから「寛治!お前の人生はこれからだ!100点を目指せ」と言って送り出します。両親が見送る姿を電車の中で見ていた真奈美は涙を落とします。
真奈美は駅のホームでアスカとすれ違います。アスカは思いつめ足元がふらつき、眼もうつろです。自販機で飲み物を買っていた長田の横をアスカが通ります。アスカの足取りを見た長田は、自殺する!と感じとります。電車が入って来ます。アスカは電車に向かって歩き出します。長田が走ります。この時、真奈美は二人を見ていました。電車が通り過ぎ、長田とアスカは電車に撥ねられてしまいます。
長田が亡くなり、両親が遺体の側で泣き続けています。悲しみで呆然とする真奈美の横へ妙田がやってきます。「アスカは一命を取り留めた」と言うと、真奈美が「私と会わなければ死ななかったのに」と泣きます。妙田は「妻として長田の部屋を片付けてくれ、私は楽に死ねる薬を持ってくる」と言います。
一人になった真奈美は、自殺サイトの掲示板の自殺の集合場所に向います。車に乗った真奈美は「見たいテレビがあるの」と言って車を降ります。生きることを決意した真奈美は妙田に会い、「長田さんの田舎で病院に通います。長田さんの写真を全部ご両親に持って行きます」と言います。そして新しいアルバムを見ると、長田が撮った写真を妙田が全部現像していました。真奈美は、長田の実家で並んだ布団でキスをしたことを思い出します。
以上、映画「たとえ世界が終わっても」のあらすじと結末でした。
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