大菩薩峠 完結篇の紹介:1961年日本映画。市川雷蔵主演の大映版「大菩薩峠」3部作の完結編。竜神の滝の断崖で消えた机竜之介。彼を探し求める宇津木兵馬と裏宿の七兵衛。運命は竜之介と兵馬を故郷の甲州へ導く。監督は第1,2部の三隅研次から森一生に交代。
監督:森一生 出演者:市川雷蔵(机竜之助)、中村玉緒(お豊/お浜/お銀)、小林勝彦(がんりきの百)、本郷功次郎(宇津木兵馬)、近藤美恵子(お玉)、矢島ひろ子(お徳)、阿井美千子(お絹)、見明凡太朗(裏宿の七兵衛)そのほか
映画「大菩薩峠 完結篇」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大菩薩峠 完結篇」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
大菩薩峠 完結篇の予告編 動画
映画「大菩薩峠 完結篇」解説
この解説記事には映画「大菩薩峠 完結篇」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大菩薩峠 完結篇のネタバレあらすじ:起
竜神の滝の断崖からすべりおちた盲目の竜之助は、お豊に手を引かれて山野をさまよった。やがて、お豊は伊勢古市の大きな廓の遊女になるが、肺を病んでしまう。
たまたまお松の行方を捜しに廓に忍び込んでお豊に会った裏宿の七兵衛がお豊に同情し二十両を渡す。お豊はその金に手紙を添えて、伊勢大湊の与兵衛宅にかくまわれている竜之介へ届けることを芸人お玉に託し、お玉の姿が見えなくなってから自害する。
甲府へ転勤をする旅の途中である旗本神尾主膳の金を奪ったと疑われたお玉は、役人から逃げるときに金を落してしまうが、手紙だけは竜之助に渡すことができた。
目の見えぬ竜之介も字の読めぬお玉も手紙は読めないが、お豊が自害したことを知って竜之介は「歌いたいものは勝手に歌い、死にたい者は勝手に死んだだけだ」と冷たく言い放つ。
大菩薩峠 完結篇のネタバレあらすじ:承
翌朝、竜之助は虚無僧姿で東海道を下り始める。途中無礼な侍たちを木刀で打ちのめすのを見た江戸の生花の師匠お絹は竜之介に惚れこみ竜之介の旅に同行して世話をするようになる。宇津木兵馬の剣の師、島田虎之助が毒殺されたことをお絹から教わり竜之介は激しく動揺する。
竜之介とお絹を、お絹を自分のものにしようとつけねらう旅の渡世人、甲州刺青のがんりきの百と、宇津木兵馬を助ける裏宿の七兵衛が追う。
百の差し金により、竜之介の駕籠とお絹の駕籠が山中で引き離され、竜之介の駕籠は甲州路を行く。百の小細工を知って怒った竜之助は百の片腕を切り落すが、足を滑らして谷底に落ちてしまう。
大菩薩峠 完結篇のネタバレあらすじ:転
倒れていた竜之介を救ったのは、薬売りの仲間と旅をしていた、蔵太郎という男の子と暮らすお徳という後家であった。お徳は竜之介の目に良いかもしれないと、竜之介を湯治に連れていく。
わが子郁太郎を思い出して蔵太郎をかわいがる竜之介。彼にとって初めて落ち着いた生活が得られる。しかし彼らの暮らす宿屋で事件が起きる。
甲府勤番神尾主膳が、土地の旧家望月家から恐喝しようと、花嫁を八幡村から迎えて戻る途中の若主人を召し捕った。お徳から助け舟を出すように頼まれた竜之助は若主人を救い出すが、主膳が短銃で竜之助に狙いをつけたのであえて捕らわれる。
主膳は竜之助の腕を見込んで名刀を預け、目障りな上役、甲府勤番支配駒井能登守の暗殺を依頼する。「頼まれたから斬るのではない。斬りたくなるから斬る」とうそぶく竜之介。夜の町に辻斬りが続くようになる。
大菩薩峠 完結篇の結末
役人に追われる身になってしまったお玉と、東海道で竜之介に追いつこうと目論んだ兵馬は、清水港行きの舟でいっしょになって以来共に旅をすることになる。
しかし、がんりきの百がよけいなことをしたせいで竜之介の足取りがつかめなくなっていた。お玉、兵馬、七兵衛の三人は慢心和尚の寺に身を寄せて竜之介を捜すが、仇討ちなどという考えは捨てよと言う和尚に兵馬は反発する。
主膳は有野村の馬大尽の一人娘、お銀との縁組が決まっていた。竜之介に預けた名刀もお銀が所有しているものだった。しかしお銀は、お銀の金が目当ての主膳に破談を申し入れる。そうはさせまいと主膳はお銀を誘拐し、竜之介のいる屋敷に連れこむが、お銀は竜之助によって主膳から守られる。
額の左側にむごたらしい火傷の跡のあるお銀にとって、竜之助が盲目であることはうれしかった。その夜、二人は屋敷を逃げ出すが、お銀が駕籠を呼びに行く間に、竜之助は通りかかった駒井能登守の一行を襲う。しかし、「心まで盲(めしい)た奴の相手はできん」と刀を鞘に納めた能登守を斬ることはなかった。
お銀と竜之助は、八幡村のある屋敷の離れに住まわせてもらう。だが、間もなく竜之介はそこが、竜之介が斬ったお浜の実家、庄屋の小泉家であることに気づく。お銀は竜之介の非道のふるまいを知ることになるが、もはや竜之介の元を離れることはできなかった。
兵馬は慢心和尚の一行と共に僧形で大菩薩峠を登り頂上まで来る。お松の祖父を竜之介が斬ったすべての始まりの場所である。そこで兵馬は与八と再会する。竜之介の子郁太郎を育てながら、石に地蔵を彫っていることを知る。そしてお松もそこにいることがわかった。
その時急に暴風雨が起きる。強風によって破壊され始める小泉家離れの中で竜之介はお浜を始めとする自分が殺した人々の幻影におびえる。笛吹川の氾濫にさらされる兄嫁お浜の実家を心配してやってきた兵馬は竜之助を発見し、宿命の対決となったが、濁流を恐れて兵馬も離れから逃げる。
ちょうどやってきたお銀も離れに近寄ることはできない。息子郁太郎の名を呼ぶ竜之介と共に離れが濁流に押し流されていくのだった。
以上、映画「大菩薩峠 完結篇」のあらすじと結末でした。
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