大殺陣 雄呂血の紹介:1966年日本映画。1925年の阪東妻三郎主演の名作「雄呂血」をリメイクしたもので、オリジナル同様、ラストの大立ち回りが見どころ。阪妻版では主人公は捕囚の身となるが、このリメイクでは追手を全員切り捨てる。脚色は後に直木賞作家となった星川清司。
監督:田中徳三 出演:市川雷蔵(小布施拓馬)、八千草薫(真壁波江)、中谷一郎(真壁十郎太)、加藤嘉(真壁半太夫)、内田朝雄(井坂弥一郎)、藤村志保(志乃)、ほか
映画「大殺陣 雄呂血」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大殺陣 雄呂血」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「大殺陣 雄呂血」解説
この解説記事には映画「大殺陣 雄呂血」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大殺陣 雄呂血のネタバレあらすじ:起
水無月藩の井坂弥一郎が師範を勤める道場に岩代藩供頭・樫山伝七郎が道場破りにやってきます。井坂が留守のために師範代の小布施拓馬が対応し、執拗に立ち会いを求める伝七郎を追い払います。
ところが同じ道場の片桐万之助と真壁十郎太がその傲慢不遜ぶりに腹を立て、伝七郎を街道で斬り殺してしまいます。このため、事態は紛糾――。日頃から10万石の大藩である岩代藩は1万6千石の水無月藩を軽んじており、この事件を奇貨として藩主にまで難癖をつけてくることは間違いありません。
大殺陣 雄呂血のネタバレあらすじ:承
責任を感じた片桐は父親である家老に自分が下手人であると告白するのですが、家督を受け継ぐべき一人息子が罪に問われるのを恐れた家老は、身代わりの犯人を立てるという奇策に出ます。
一命を受けた用人の真壁半太夫は小布施拓馬を家へ呼び、藩の存続のために彼に身代わりになってくれと懇願します。たださすがに切腹や仇討の相手となることは頼めず、脱藩してくれと頭を下げるのが精一杯でした。
拓馬は真壁の娘である波江と婚約を交わしており、岳父となるべき人物の頼みは断れません。一義に及ばず、拓馬はそのまま脱藩してしまいます。
大殺陣 雄呂血のネタバレあらすじ:転
真壁も拓馬をこのまま見殺しにするつもりはなく、1年後に会って善後策を相談するつもりでした。ところが生憎急な病にかかり、仕事の引き継ぎもなしに亡くなってしまいます。
そのために拓馬が身代わりであることを知る藩士は真壁の甥の十郎太だけとなりますが、波江に横恋慕していた彼は邪魔者の拓馬を助けるつもりはなく、却って自ら加勢を募り、その口を封じようとします。
裏切られた事を知った拓馬は怒りに燃え、かつての道場仲間たちを次々と斬り捨てると、再び逃亡の旅に出ます。
大殺陣 雄呂血の結末
当てもなく旅を続ける拓馬は侍としての自恃心もなく、ただ虚無的に生きているだけでした。木曽谷では仏の五郎蔵一家の用心棒となりますが、それもただカネ目当てです。しかしある遊郭で1人の遊女と出会い、拓馬の心に再び明かりが灯ります。
その遊女は何とかつての許嫁波江でした。彼女は拓馬を探して旅に出て、こんな境遇にまで落ちぶれていたのです。再会に驚く2人ですが、間もなく水無月藩と岩代藩合同の追手が拓馬に迫ってきます。多勢に無勢ながら、気力と体力を振り絞って彼らと戦った拓馬は何とか生き延びます。
死人だらけとなった宿場町には、もはや彼と波江の2人しかいませんでした。
以上、映画「大殺陣 雄呂血」のあらすじと結末でした。
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