ナパバレー:ワイン造りの旅の紹介:2016年アメリカ映画。ワイン用ブドウ農園を多く抱えるアメリカ、カリフォルニア州ナパ・バレーで、ぶどう栽培者、ワイン製造者たちの情熱と試行錯誤を描くドキュメンタリー。
監督: ニック・コバチッチ 出演: ハイディ・バレット、フィリップ・メルカ、スティーブ・レイノルズ、ジュリアン・ファヤード、ほか
映画「ナパバレー:ワイン造りの旅」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ナパバレー:ワイン造りの旅」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ナパバレー:ワイン造りの旅」解説
この解説記事には映画「ナパバレー:ワイン造りの旅」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ナパバレー:ワイン造りの旅のネタバレあらすじ:起
ハイディ・バレットがナパ・バレー上空をヘリコプターで飛んでいる。自分のぶどう園にヘリで通勤しているのだ。上空から四角いぶどう園がパッチワークのように連なっているナパ・バレーが映される。ぶどう栽培は環境の変化があるので、毎年新しく始めるようなものだと話す。高校の時のアルバイトがきっかけで泥臭いワイン造りの世界に飛び込んだ彼女は、人生は1度きりだから、やりたいことをやらないでどうするの?と語る。
2014年収穫期。レイノルズ・ワイナリーのスティーブ・レイノルズがぶどうの様子を見る。完璧な熟し方だという。カリフォルニアワインは有名だが、ナパ・バレー産は3~4%。ナパ・バレーは狭い地域だが、サンパブロ湾からのそよ風と火山性の谷がぶどう栽培に非常に適しているという。ワインを仕込むために、ブレンドするぶどうの種類によって収穫計画を立てる。夜を徹してぶどうが収穫されていく。ファヤード・ワインのジュリアン・ファヤードは、ヨーロッパの訛りで「我々は3年先のことを考えている。赤ワインのサイクルを」と言う。レイノルズは、長年試行錯誤を積み重ねていくと正道などないことに気づく、と言う。
ワインを作ることは、人を知ることと似ている、と語るのはアーロン・ポットだ。彼は9歳のときにフランスに旅行に行き、レストランでミルクを頼んだら、ウェイターに「ミルク?」と聞き返されたときから大人が飲むワインに憧れ、ワインメーカーになる夢を持った。太陽の下でぶどうの蔓を手入れしたり、自然のものを扱い、リラックスできる、すばらしい生活だと思った。メルカワインのフィリップ・メルカが言うには、ナパでは小規模なワイナリーに投資をして、極上のワイン造りを目指す人が増えたという。
ナパバレー:ワイン造りの旅のネタバレあらすじ:承
ナパは1891年に米国ぶどう栽培地に指定され、現在16の銘柄がある。ナパ・バレーにはワイナリー用地がもう残っていない。今用地を購入してぶどう栽培を始め、ワインを出荷するには少なくとも7-8年かかるので、時間短縮にはワイナリーを買収することだ。レイノルズは、2,3年前にマイク・マーティンという人物からワイナリーに投資したいという申し出があった。やめたほうが良いと言ったが、40問ほど質問をして意図や本気度を尋ねた。
投資家のマーティンは、これまでやってきた選別、梱包、宣伝、営業という作業がワイン造りに似ていると言った。ブランドコンサルタントのシュルツは、ラベルに「イタリック」を使おうと提案している。マイクは様々な質問の答えに合格し、3区画を手にすることになった。ワインの四大要素はぶどう、樽、酸味、タンニンで、このバランスを保ては良いワインになるというのは、ベル・ワイン・セラーのアンソニー・ベルだ。
ナパが世界で認められるために、オーナーたちは集まってヨーロッパの基準に照らした試飲会をしたり、勉強をしたりしている。また、プレミア・ナパバレーという大きなイベントを開き、流通業者に樽から飲んでもらい、オークションが行われる。
ナパバレー:ワイン造りの旅のネタバレあらすじ:転
アンソニー・ベルは、保守的な考え方を離れ、2年前から試していることがある。同じぶどう畑のぶどうを使って、通常の作り方で作ったワインと、オゾン処理をして作ったワインを飲み比べると大きな差があったという。オゾン処理すると酸化硫黄が含まれない。それは消費者が求めている商品だ。マーティンは、ワイン市場はグローバルになっているので、ブランド名を検討していてインターネットで検索してみると、すでにそのブランドが世界のどこかに存在していることがあった、と言う。「これは何か違いそうだ」とボトルを手に取ってもらうことがステップ1だ、とマーティン。それが試飲につながる。
テキサスに営業に行くレイノルズ。世界に700ケースしかないワインだと業者にアピールする。新ブランド名は「イタリック」だと業者に語るレイノルズ。バレットは、2000年のオークションで、50万ドルの値が付いたことを振り返る。それは1992に彼女が作った1本のワインだった。彼女はブレンドを得意としている。ベルがぶどうについて語り、BGMに合わせて樽づくりの様子が流れる。
ナパバレー:ワイン造りの旅の結末
レイノルズはスタッフといっしょに「イタリック」のブレンドについて試飲しながら話し合う。初のワインだから将来のワインを少し反映させたものにしたい。ワインができ、樽を寝かせる段階にあるが、場所がなく煮詰まっているレイノルズ。17年ほど前にも順調な数年の後に煮詰まったことを思い出す。父親に「お前は一生働く。だから仕事を楽しめ」と言われたことを語り、自分は仕事を楽しんでいると笑う。小型の船を操縦するベル。ボートに乗るとワイン造りとはまた違った会話ができて良いのだという。ファヤードは、自分の作ったワインを飲んだ人から感想を聞くのが何よりの喜びであり、彼らの味覚に合ったワインを作っていきたい、と言う。
工場でワインのボトル詰め、コルク詰めが行われている様子が流れる。ワインの机上評論家たちは、一度もワインを一から手掛けたことなどない、と語るレイノルズ。カリフォルニアワインをひとくくりにする人たちが多いが、ナパのワイナリーではボトルのガラスやラベル、銘柄のフォントまでこだわりを持って作っている。ITALICのラベルが丁寧に貼られている様子が流れる。
夕暮れの中、「世界でも有名なワイン産地、ナパ・バレーにようこそ」という看板が見える。またぶどうの収穫が始まった。大きなライトをつけて一晩中行う。この年は気温が低かったので害が出ていた。かなりの損害になる。しかし、それが自然相手の仕事だと言うワイン造り36年のベルは言う。収穫量は少なかったが今年のワインは良くできたと言うベル。構成とフルーティーさが最高だ、と。手作業での収穫風景が映される。すべてがスピード化し、クレイジーな社会にあって、ワイン造りは耐久性と誠実さを必要とする素晴らしい仕事だと語るフィリップ・メルカ。この仕事をするために生まれてきたというレイノルズ。砂浜で子どもと遊びながら、これまで誰も知らなかったワイン造りの知識を次世代に引き継いでいきたいと語る、ファヤード。ワイン造りは旅のようなもの、目的地はたくさんあるが、一つのボトルを選んでコルクを抜くとき、なんとも言えない瞬間になる、とレイノルズが結ぶ。
以上、映画「ナパバレー:ワイン造りの旅」のあらすじと結末でした。
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