否定と肯定の紹介:2016年イギリス,アメリカ映画。第二次世界大戦中に、ドイツ占領下のヨーロッパ各地で起こったユダヤ人虐殺はホロコーストと呼ばれ、多くの証拠、収容所の跡地、犠牲者の証言が残っています。アメリカの大学教授デボラはこの問題の研究者、しかし虐殺を否定するイギリス人歴史家アーヴィングから講演中に攻撃され、後にイギリスで名誉を毀損したとして訴えられます。デボラはユダヤ人の正義のため、法廷で戦うことを決意します。『肯定と否定』はデボラとその弁護士チームの、イギリス人歴史家アーヴィングとの対決を描いた実話に基づく法廷ドラマです。
監督:ミック・ジャクソン 出演:レイチェル・ワイズ(デボラ・E・リップシュタット)、トム・ウィルキンソン(リチャード・ランプトン)、ティモシー・スポール(デイヴィッド・アーヴィング)、アンドリュー・スコット(アンソニー・ジュリアス)、ジャック・ロウデン(ジェームズ・リブソン)、ほか
映画「否定と肯定」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「否定と肯定」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
否定と肯定の予告編 動画
映画「否定と肯定」解説
この解説記事には映画「否定と肯定」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
否定と肯定のネタバレあらすじ:起;デボラとアーヴィングの対決
デボラ(レイチェル・ワイズ )はアメリカの大学のナチスのユダヤ人虐殺の研究者です、ホロコーストを否定する反ユダヤ主義者とは論争をしないと決めています。ナチス擁護者でホロコーストを否定するイギリス人歴史家アーヴィング(ティモシー・スポール)は、デボラの講演に乱入し、デボラを激しく攻撃します。アーヴィングを相手にしないデボラ、しかしアーヴィングはイギリスで彼女と出版社を相手に、名誉を傷つけられたと告訴します。対抗せざるおえないデボラはイギリスへ行き、弁護士チームを結成します。ロンドンでランプトン(トム・ウィルキンソン )率いる弁護士チームと会うデボラ、イギリスとアメリカの裁判の進め方の違いに戸惑いながらも弁護団の意見を受け入れます。地元のユダヤ人団体はアーヴィングを有名にするだけの裁判への和解を勧告しますが、デボラは拒否します。
否定と肯定のネタバレあらすじ:承;弁護団とデボラの対立、デボラの不満
裁判準備のため、デボラと弁護団は実際にユダヤ人虐殺が行われたポーランドのアウシュビッツ収容所跡地へ向かいます。弁護団はユダヤ人虐殺が行われたガス室らを訪れ、証拠を収集します。アービングの嘘を暴こうとするデボラはかなり積極的ですが、弁護団はデボラに裁判では話さないように、指示に従うように求めます。また、裁判官でなく陪審員による決定が有利とする弁護団に対し、デボラは裁判官による判決を望みます。また、犠牲者の証言を求めるデボラに対し、厳密な証拠が求められる裁判では、50年前の曖昧な記憶に基づく証言は不利になると忠告します。
否定と肯定のネタバレあらすじ:転;弁護団とアーヴィングとの対決、沈黙のデボラ
マスコミの大きな関心を集める裁判が始まります。アウシュビッツのガス室が存在したかどうかに対し、アーヴィングは歴史家として専門家と対決します。アーヴィングの弁舌に対して沈黙を守るデボラは、我慢ができません。生存者の証言を求めるデボラは弁護団に説得されます。ランプトンと弁護団は論理と証拠でアーヴィングに対抗します。アウシュヴィッツにはガス室があったことの証拠を述べる弁護団、そしてアーヴィングの過去の著作の矛盾点をつきとめ、アーヴィングは歴史を歪めていると追求します。そして、アーヴィングの過去の日記から、彼がユダヤ人を嫌っていることを証言していきます。
否定と肯定の結末;デボラの勝利、忘れられない虐殺
裁判が終了して、デボラはアメリカに帰国します。裁判官への不満をぶちまけるデボラ、学生たちに裁判の体験を話します。判決が出たことを知らされるデボラはイギリスへ向かいます。2000年4月11日、法廷でアーヴィングと対面するデボラに、無罪判決がくだされます。裁判後の記者会見、デボラに多くの質問が浴びせられます。アーヴィングの言論の自由への挑戦では?、という意見には、言論の自由を乱用し歴史を歪曲することはできないといいます。デボラは弁護団を賞賛し、アービンに言いたいことは?の質問には、アーヴィングには言うべきことはないが、生存者は記憶されるべきだと答えます。裁判に負けたアーヴィングは今後もホロコーストを否定するといいます。ジョギングするデボラ、アウシュヴィッツのガス室の記憶がよみがえります。まるで、アウシュヴィッツを忘れるなと語りかけているようでした。
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