電子戦隊デンジマンの紹介:1980年日本映画。『スーパー戦隊シリーズ』第4作『電子戦隊デンジマン』の劇場版作品です。本作はテレビ放映作の再編集版だった前作『劇場版 バトルフィーバーJ』(1979年)とはうって変わって書き下ろしのオリジナル作品となり、宿敵ベーダー一族に故郷を滅ぼされ、デンジマンに力を授けた“デンジ星人”にまつわる物語が展開されていきます。
監督:竹本弘一 出演者:結城真一(赤城一平/デンジレッド)、大葉健二(青梅大五郎/デンジブルー(声・演))、津山栄一(黄山純/デンジイエロー)、内田直哉(緑川達也/デンジグリーン)、弓あきら(桃井あきら/デンジピンク)、京田尚子(デンジ犬アイシー)、吉野由志子(杉本恵子/クレア)、片岡身江(杉本はるみ)、渡部猛(デンジランドのコンピューター)、美川利恵(ミラー)、湖条千秋(ケラー)、飯塚昭三(アンゴラー)、舟倉由佑子(デンジ姫)、藤堂新二(ヘドラー将軍)、曽我町子(ヘドリアン女王)、大平透(ナレーション)ほか
映画「電子戦隊デンジマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「電子戦隊デンジマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
電子戦隊デンジマンの予告編 動画
映画「電子戦隊デンジマン」解説
この解説記事には映画「電子戦隊デンジマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
電子戦隊デンジマンのネタバレあらすじ:起
海で恋人とヨット遊びをしていた青年、海水浴をしていた少年が次々と海の彼方から現れた全長60m以上の正体不明の謎の怪物に飲み込まれるという事件が発生しました。知らせを受けた「電子戦隊デンジマン」の5人、デンジレッド(声:結城真一/演:新堀和男)、デンジブルー(声・演:大葉健二)、デンジイエロー(声:津山栄一/演:伊藤久二康)、デンジグリーン(声:内田直哉/演:村上潤)、デンジピンク(声:弓あきら/演:竹田道弘)は戦闘母艦「デンジタイガー」で海底へと出撃しました。水面に浮上したデンジタイガーは突然霧の中から現れた怪物に襲われました。デンジタイガーは陸上へ上がり、ミサイルを発射しましたが怪物には逃げられてしまいました。
その頃、杉本恵子(吉野由志子)という女性が娘のはるみ(片岡身江)の誕生日祝いの準備をしていました。そこにはるみが事故に遭ったとの電話があり、恵子はすぐさまタクシーで飛び出していきました。ところが、当のはるみは事故には遭っておらず、帰宅したところ恵子がいなくなっていたことに気付きました。
変身を解除したデンジレッド・赤城一平(結城真一)、デンジブルー・青梅大五郎(大葉健二)、デンジイエロー・黄山純(津山栄一)、デンジグリーン・緑川達也(内田直哉)、デンジピンク・桃井あきら(弓あきら)は怪物が潜んでいるらしき海岸に罠を仕掛け、楽しむ海水浴客を装って怪物の出現を待ちました。しかし、いくら待っても怪物は一向に現れず、デンジマンは怪物が特定の人物を狙っているものと推測、恵子も怪物に飲み込まれた可能性があると睨みました。
デンジマンの推測通り、恵子・ヨットの青年・海水浴の少年は悪の「ベーダー一族」に拉致されていました。恵子・青年・少年はベーダー一族の戦闘司令官・ヘドラー将軍(藤堂新二)、女スパイのミラー(美川利恵)とケラー(湖条千秋)の待つヨットに連行され、舵を取るよう命じられました。青年と少年は操舵輪を握っても何の反応もありませんでしたが、恵子が操舵輪を取ると何やら反応がありました。ヘドラー将軍が言うには、このヨットはかつてデンジ星人が使用していたもので、今から3000年前にデンジ姫(舟倉由佑子)によって地球に持ち込まれたものであり、海の墓場・サルガッソー海で発見されたものでした。ベーダー一族は恵子がデンジ星人の末裔であり、その証拠は七色に光る“虹の石”であると告げました。
電子戦隊デンジマンのネタバレあらすじ:承
その“虹の石”ははるみの手元にありました。はるみは石に「私を夢の国に連れてって」と願いをかけると、彼女の意識はデンジ星の巨大帆船「グレートクイーン号」にいるデンジ姫の元へと転送されていきました。デンジ姫は「ママはきっと帰ってくるから元気を出して」とはるみを慰めると、はるみは愛犬ルナの鳴き声で目を覚ましました。その時、はるみの部屋に怪人アンゴラー(声:飯塚昭三)が現れ、はるみは“虹の石”に助けを求めました。
はるみの叫びは20km離れていたデンジマンの耳に届き、デンジレッドとデンジピンクはすぐさまはるみの家に駆け付けてはるみを助けて家を脱出しました。一行はアンゴラーとベーダーの戦闘員ダストラーに襲撃されましたが、駆け付けたデンジタイガーに窮地を救われました。デンジマンは巨大化したアンゴラーの魔の手から逃げ切り、はるみを秘密基地「デンジランド」で保護することにしました。
デンジマンの司令官・デンジ犬アイシー(声:京田尚子)は“虹の石”についてデンジマンに説明しました。“虹の石”は太古の昔に故郷デンジ星をベーダー一族に滅ぼされたデンジ星人の末裔が地球に持ち込んできたものでした。デンジ星の崩壊時、デンジランドで地球に逃れてきたアイシーは赤城・青梅・黄山・緑川・桃井をデンジマンとしてスカウトしたのです。しかし、アイシーは誰が“虹の石”を地球に持ち込んだのかという詳細についてははっきりと覚えていませんでした。そこで桃井はデンジランドのコンピューター(声:渡部猛)に聞いてみると、コンピューターは“虹の石”を持ち込んだのはデンジ姫であると語り、デンジ姫は地球ではない別の惑星に避難したものの、その惑星もベーダー一族によって滅ぼされたと明かしました。デンジ姫は惑星崩壊の直前にグレートクイーン号で脱出しており、宇宙を漂流した末に地球に流れ着いた可能性があるということでした。
電子戦隊デンジマンのネタバレあらすじ:転
地球に流れ着いたデンジ姫はグレートクイーン号から1隻のヨット(現在ベーダー一族の手にあるヨット)を発進させ、わずかな部下たちを引き連れて一足先に地球に辿り着いていたデンジランドに向かいましたが、生き残っていたのはアイシーただ一人でした。デンジ姫はこの地球は故郷デンジ星に似ているとして、自分たちが生きている間は地球人と共存してこの地球を守り、後のことはアイシーに託すことにしたのです。デンジ姫は自ら太陽系の各惑星をパトロールする意思を固め、別れを惜しむ部下のひとり・クレア(吉野由志子(二役))に“虹の石”を託したのです。そして“虹の石”は代々デンジ星人の末裔によって守られてきたのです。“虹の石”はデンジマンのパワーの源“デンジストーン”のエネルギーを司るものであり、ベーダー一族の首領・ヘドリアン女王(曽我町子)はその力を悪用しようと企んでいるのです。
ヘドリアン女王は“虹の石”のパワーをアンゴラーに授けてデンジマンを倒そうと考えており、ヘドラー将軍は石は今デンジランドにあると推測しました。その頃、はるみは“虹の石”から発せられる恵子の声を聞きつけていました。実は恵子の声はヘドリアン女王が妖魔術テレパシーで装ったものであり、ヘドリアン女王は“虹の石”を通じて恵子がベーダー一族に捕らえられていること、“虹の石”を持って近くの海辺まで助けに来てほしいと告げ、デンジマンに気付かれないようこっそりとデンジランドを抜け出すよう誘いかけました。はるみは“虹の石”を持って抜け出そうとしたところを桃井に制止されましたが、ヘドリアン女王は今度は桃井に催眠術をかけ、“虹の石”を持って海岸に来るよう誘いました。赤城たちは桃井の後をつけましたが、ヘドリアン女王は桃井をさらってヨットに連行していきました。桃井はヨット内の牢で恵子たちと対面、必ず助けが来ると励ましました。
ヘドリアン女王はアンゴラーに“虹の石”を与え、ヘドラー将軍はデンジマンを誘い出して挟み撃ちにする作戦を立案しました。ベーダー一族がミサイルの準備をしていることを察知した桃井はヨットから抜け出そうとするも失敗、ヘドラー将軍らによってデンジマンを誘き出すための囮とされました。
電子戦隊デンジマンの結末
デンジレッド・デンジイエロー・デンジグリーンは2隻のモーターボートで桃井を助けに駆け付け、ヘドラー将軍たちの攻撃を引きつけました。その間に海に潜っていた青梅がヨットに潜入、桃井を救出してデンジレッドたちと合流しました。
「見よ! 電子戦隊デンジマン!」陸地に上がり、名乗りを上げたデンジマンはアンゴラーやダストラーたちと戦い始めました。ダストラーを一掃したデンジマンは合体技“ドラゴンフライ”をアンゴラーに炸裂させましたが、“虹の石”の力を手にしたアンゴラーには全く通用しませんでした。デンジマンはアンゴラーの前に苦戦を強いられましたが、アイシーがデンジタイガーを操って加勢すると戦況は一転、反撃を開始したデンジマンは“電子稲妻落とし”でアンゴラーにダメージを与えました。
アンゴラーは巨大化してデンジタイガーに襲いかかりますが、デンジタイガーは巨大戦闘機「デンジファイター」を発進させて反撃しました。デンジファイターは巨大ロボ「ダイデンジン」に変形、アンゴラーは冒頭で登場した謎の怪物の姿を現してダイデンジンに襲いかかりましたが、ダイデンジンは“ダイデンジンブーメラン”や“デンジボール”でアンゴラーにダメージを与えると、最後は“デンジ剣”による必殺技“電子満月斬り”でアンゴラーを倒しました。
デンジマンは恵子たち三人を救い出し、恵子は無事はるみと対面を果たしました。その後、デンジマン五人とアイシーは改めてはるみのために誕生日パーティーを開き、楽しいひと時を過ごしました。その時、空の彼方からグレートクイーン号が姿を現し、デンジ姫は“虹の石”を失ったはるみのために新たな“虹の石”を授けました。そしてグレートクイーン号は兄弟船であるヨットを回収すると再び宇宙の彼方へと飛び立っていきました。“虹の石”はデンジマンが預かることにしました。デンジマンの五人も確かにデンジ姫の姿を目撃しており、自分たちもまたデンジ星人の末裔ではないかと思いを馳せていました。
以上、映画「電子戦隊デンジマン」のあらすじと結末でした。
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