映画 おくりびとの紹介:2008年日本映画。死という誰にでも起こりうる最期の時に立ち会う納棺師という職業をテーマに、おくりびと(納棺師)として働く主人公の葛藤や成長を描いた映画。生と死、家族の絆、愛する人との別れについて、深く考えさせられる名作です。おくりびとは第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品です。
監督:滝田洋二郎 出演:本木雅弘(大悟)、広末涼子(大悟の妻)、山崎努(社長 佐々木)、余貴美子(事務員)ほか
映画「おくりびと」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「おくりびと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「おくりびと」解説
この解説記事には映画「おくりびと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
おくりびとのネタバレあらすじ:起・失業し、納棺士となった大悟
オーケストラの経営破綻により失業したチェロ奏者の大悟(本木雅弘)は、東京を離れ、妻(広末涼子)とともに故郷の山形に戻ります。山形の母が残してくれた家で、大悟は新しい職を探し始めます。そんなある日、大悟は、「旅のお手伝い」と書かれた求人広告を目にします。旅行関連の求人募集だと早とちりした大悟は、さっそく面接を受けにいき、大した審査をされることもなくあっさりと採用されます。しかし、仕事の内容は、大悟が思っていたような旅行関連ではなく納棺の仕事でした。つまり「おくりびと」の仕事です。
おくりびとのネタバレあらすじ:承・徐々に変化する大悟の仕事への想い
仕事内容にひるんでしまった大悟でしたが、社長の佐々木(山崎努)の熱意と待遇の良さから、仕事を引き受けてしまいます。納棺の仕事は、素人には一筋縄ではいかない仕事でしたが、社長の佐々木の手ほどきにより徐々に大悟は仕事を覚えていきます。あるとき、大悟は、遺族から感謝されたことをきっかけに、納棺の仕事の奥深さとやりがいを見出すこととなります。そんな折、妻に仕事の内容を知られ、仕事を辞めてほしいと懇願されますが、大悟はそんな妻の要求を聞き入れず、妻は実家に帰ってしまいます。
おくりびとのネタバレあらすじ:転・試練を乗り越え、再び納棺師として生きることを決意した大悟
黙々と仕事を続ける大悟でしたが、仕事を蔑まされたことをきっかけに、ついに仕事を辞める決心をします。辞職を告げに行った大悟は、社長の佐々木が納棺師になった経緯を知り、再び仕事を続けることを決意するのでした。そんなある日、大悟のもとに突然妻が戻ってきます。妻は妊娠しており、子供のためにも仕事を辞めてほしいと再び大悟に頼みます。大悟の心は揺れますが、仕事を辞めることはしませんでした。
おくりびとの結末:納棺士として立派に父を送り出した大悟
ある日、大悟に友人の母を納棺する仕事が舞い込みます。そこで、夫の仕事をする姿を見た妻は、夫の仕事に対する誇りと情熱を理解したのでした。そんな折、大悟のもとに父親が死んだという知らせが届きます。自分を捨てた父親に恨みを持っていた大悟は複雑な思いで、父のもとへと向かいます。そこで、地元の葬儀屋の遺体に対する扱いに怒りを覚えた大悟は、自分で父を納棺することにします。そこには、おくりびととして自らの手で立派に父を送り出すことができ、あふれる涙をとめることのできない大悟の姿がありました。
以上、映画おくりびとのあらすじと結末でした。
「おくりびと」感想・レビュー
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この映画を観た時は、まだ身内が亡くなったことが無かったので、人が亡くなってから葬儀までの手順を全く知りませんでした。この映画の中で、亡くなった人の口が開き、閉じる場面がありましたがどうしてそうなるのか、本当にそうなるのか?疑問でしたが、身内が亡くなりその事実が分かりました。このように細部に渡っても正確に描かれていたのだな、と今になって理解できました。若い人は一度観ておくことをお勧めします。
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納棺師。この映画を観るまでこんな職業があることを全く知りませんでした。作品の中の新聞の求人広告に「旅のお手伝い」とあり、それを誤植とする場面がありますが、私はこの表現は間違っておらず、むしろ納棺師の仕事にぴったりの表現だと感じました。死は悲しいものではなく新たな旅。そう感じました。死後の世界についても考えさせられる映画です。死んだら自分の魂はどうなるのだろうか。人間いつかは訪れる死。一度じっくり考えてみることも大事だと思いました。
納棺師という仕事は、故人の大切なご遺体を、遺族の心に寄り添いながら、遺族と同じくらい大切に真心込めて見送る仕事だとはじめて知りました。崇高で素晴らしい仕事だと思いました。
そして何よりこの映画は音楽が素晴らしいです。台詞が少ない分、かえって言葉で言い尽くせない世界を音楽で表現していると感じました。