會議は踊る(会議は踊る)の紹介:1931年ドイツ映画。1814年のウィーン会議を題材に、ロシア皇帝と街娘の恋をコミカルに描くミュージカル&ドラマ。トーキー初期のオペレッタ映画として、今もなお愛され続けている名作。1814年、ウィーンでは欧州の首脳が集まり重大な会議が開かれようとしていた。手袋店の売り子クリステルは、パレード中に花束を投げロシア皇帝アレクサンダーに直撃させてしまう。その後兵士に捕まったクリステルはアレクサンダーの口添えで助かり、2人は互いに惹かれ合うようになった。自分の思惑通り会議を進めたいオーストリア宰相メッテルニヒは、クリステルを利用してアレクサンダーを排除しようと目論むのだが…。
監督:エリック・シャレル 出演者:ヴィリー・フリッチ(ロシア皇帝アレクサンダー/替え玉ウラルスキー)、リリアン・ハーヴェイ(クリスティーネ・ヴァインツィンガー)、コンラート・ファイト(宰相メッテルニヒ)、リル・ダゴファー(伯爵夫人)、アルフレート・アーベル(ザクセン国王)ほか
映画「會議は踊る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「會議は踊る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
會議は踊るの予告編 動画
映画「會議は踊る」解説
この解説記事には映画「會議は踊る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
會議は踊るのネタバレあらすじ:皇帝と街娘の出会い
舞台は1814年のオーストリア、ウィーン。フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの失脚を受け、欧州の今後を決めるための重大な会議が開かれようとしていました。各国から首脳陣が集まる中、オーストリアの宰相メッテルニヒは、会議を自分の思い通りに進めようと画策しています。盗聴や手紙の盗み読みに始まり、会議と同じ日に舞踏会を開く計画まで立てていました。他の者が恋愛にかまけている間に、政治を掌握しようと目論んだのです。
そんなメッテルニヒには頭痛の種がありました。街の手袋店の売り子、クリスティーネ・ヴァインツィンガー(愛称クリステル)です。彼女は店の宣伝のために、広告を入れた花束を到着した各国首脳めがけて放り投げていました。メッテルニヒの秘書官でクリステルに恋をしているペピがその都度注意に行きますが、彼女は全く聞き入れません。
ある日、クリステルは到着したばかりのロシア皇帝アレクサンダーのパレード中に、いつものように花束を放り投げました。するとその花束がアレクサンダーに直撃してしまい、しかも爆弾だと疑う声が上がったため周囲はパニックになります。騒動の原因となったクリステルは捕まり、鞭打ちの刑に処せられることになってしまいました。ペピ経由でそれを知ったアレクサンダーは、自ら出向いてクリステルを釈放させます。
會議は踊るのネタバレあらすじ:夢のような時間
クリステルを気に入ったアレクサンダーは、歓迎のオペラを、自身の替え玉ウラルスキーと侍従長ビビコフに任せ、酒場へ出かけました。アレクサンダーと一緒にワインと歌を楽しんでいたクリステルは、途中で彼がロシア皇帝本人だと気付き震え上がります。しかしアレクサンダーは笑顔で許し、クリステルを優しく部屋まで送り届けました。
一方、オペラに出席したウラルスキーは、オペラよりも美しい伯爵夫人に夢中になっています。翌日、アレクサンダーがクリステルと伯爵夫人に色目を使っていたという噂が飛び交いました。盗聴でそれを知ったメッテルニヒは、これでアレクサンダーは会議を欠席するだろうと喜びます。店で昨夜の出来事をうっとり語るクリステルのもとへ、アレクサンダーの使者がやって来ました。夢見心地のクリステルは用意された馬車に乗り、郊外の別荘に案内されます。
広く立派な邸宅にたくさんの使用人、そして豪華なドレスがクリステルを待っていました。それを知ったペピがやって来てアレクサンダーは本気ではないと喚きますが、幸せの絶頂にいるクリステルは相手にしませんでした。
會議は踊るのネタバレあらすじ:クリステルの憂鬱
メッテルニヒはアレクサンダーに会議を欠席させるため、ウラルスキーが夢中になっていた伯爵夫人に茶会を開いて貰います。その招待を受けたアレクサンダーはメッテルニヒの狙いを看破し、クリステルと伯爵夫人の相手にウラルスキーを向かわせ、自分は会議に出席しました。
ウラルスキーをアレクサンダーだと思って迎えたクリステルは、昨夜とは別人のようだと訝しみます。その日以降、クリステルは忙しいアレクサンダーに忘れられてしまいました。ペピはクリステルを完全に諦めさせるため、舞踏会への出席を促します。クリステルは気が乗りませんでしたが、せめて一目だけでもと思い参加することにしました。
會議は踊るのネタバレあらすじ:舞踏会
舞踏会の会場には、華やかに着飾った人々が大勢集まっていました。メッテルニヒは今日こそアレクサンダー抜きで会議をすると息巻いています。特にエルバ島へ流刑となったナポレオン問題は、メッテルニヒにとって最も重要な議題でした。ナポレオンがフランスに戻るようなことがあれば、メッテルニヒはお払い箱になってしまうからです。
そこでウィーンの貧しい者への救済と称して、アレクサンダーがキスのチャリティを行うと発表させました。女性達が一斉に長蛇の列を作り、目を白黒させたウラルスキーが半ば自棄になってキスし続けます。思わぬ足止め策に面白がっていたアレクサンダーは、列の中にクリステルを見つけました。彼は急いでウラルスキーを引っ込ませ、颯爽と彼女の前に現れます。
そしてクリステルにキスをして踊り始めました。2人の楽しそうなダンスに釣られ、会場は更に盛り上がります。会議場にも音楽が届き、1人、また1人と出席者が舞踏会へ流れていきました。1人になったメッテルニヒは、満足げにナポレオンのエルバ島終身追放を可決します。
會議は踊るのネタバレあらすじ:思いがけない知らせ
ところが、盛り上がる舞踏会の場に、不似合いな伝令係が現れました。彼がもたらした情報は会場中を驚かせます。ナポレオンがエルバ島から脱出し、フランスに上陸したというのです。人々は波が引くように会場を後にし、君主達も祖国へ帰る準備を始めました。当然会議は中止され、メッテルニヒは1人立ち尽くします。
ペピは馬車に乗り込むアレクサンダーを見送り、これで再びクリステルは自分のものだと喜びました。しかしペピが見送ったのはウラルスキーの方で、本物のアレクサンダーはクリステルと酒場で歌とワインを楽しんでいました。そこに現れたビビコフからナポレオンのフランス上陸を聞いたアレクサンダーは、すぐに帰らなければと席を立ちます。
話を聞いてしまったクリステルは、縋るように「明日 会いましょう」と囁きました。アレクサンダーは「さよなら ありがとう」とだけ言っておく、と告げます。2人とも、もうきっと二度と会えないと予感していました。アレクサンダーは馬車に乗り、クリステルは胸を引き裂かれるような悲しみを覚えます。クリステルがいつまでもアレクサンダーの馬車を見送り、この物語は終わりを迎えます。
以上、映画「會議は踊る」のあらすじと結末でした。
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