デザート・ストーム(原題:DESERTED)の紹介:2016年アメリカ映画。砂漠で行われるフェスに向かう途中の若者8名が、車の故障がきっかけで広大な砂漠で迷子になってしまいます。予期せぬ過酷な事態が頻発する中で描かれていく人間ドラマ。
監督:アシュリー・エイヴィス 出演者:ミーシャ・バートン(ジェイ)、ジャクソン・デイヴィス(ロビン)、ウィンター・アヴェ・ゾーリ(ローズマリー)、トレント・フォード(トロイ)ほか
映画「デザート・ストーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デザート・ストーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
デザート・ストームの予告編 動画
映画「デザート・ストーム」解説
この解説記事には映画「デザート・ストーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デザート・ストームのネタバレあらすじ:起:「バーン・オブ・ザ・ムーン」へ
ある日、ロサンゼルス郡刑務所からジェイが出所します。外に出ると兄のロビンが迎えに来ていました。きつく抱きしめ合い、2人で家に帰ります。ロビンはローズマリーと付き合っていますが、ジェイはローズマリーのことをあまり良く思っていません。「彼女はもう高校時代とは違う。好きなんだ。兄貴を応援してくれよ」と言うロビン。ジェイは複雑な表情を浮かべます。ロビンがキッチンでビールを飲んでいると、ローズマリーが親友のヘザーとジャスミンと一緒に来ます。これからみんなでバーに行くから1杯付き合ってと誘われますが、今夜はジェイと一緒にいたいからと断ります。ローズマリーは「そうして」と納得します。ロビンとローズマリーが二人きりで話してる間、ヘザーとジャスミンはローズマリーとジェイの高校時代の揉め事についての噂話をします。高校時代、ジェイとロビンの父親は教師をしていて、ローズマリーは学校で人気があったジェイ達の父親に夢中でした。ジャスミンはジェイとローズマリーの再会に「面白くなってきた」と笑います。次の日の朝食中、ジェイはロビンにカレンダーに書いてある「バーン・オブ・ザ・ムーン」って何?と聞きます。「バーン・オブ・ザ・ムーン」は今週末に行われるヒッピー達が集う砂漠の野外フェスの事で、ロビンはローズマリー達と行く予定でしたが、ジェイと過ごすために自分だけ行くのを止めにしていました。ジェイは「面白そう。私も行ってみたい」と言い、みんなで行くことになります。車でデス・バレーへ向けて出発しますが途中で車が故障してしまい、通りかかった車に牽引してもらって修理に出します。修理に出している間、みんなで修理屋にあるバーに行くことにします。ローズマリー達から離れて一人でカウンターで飲むジェイ。すると、近くにいた男性ダックスに「君らみたいな美女がなんだってこんな小汚い店に?」と話しかけられます。ジェイが黙っていると、「失礼、うざかった?」「お前はナンパが下手すぎる」とその男性の友人トロイが来ます。トロイはダックスとウェイドの3人で来ていて、これから砂漠の音楽フェスに行くと言います。ジェイは「私たちも同じ。でも車が故障しちゃって」と答えます。車の修理が二日もかかることが分かり、ロビンとジェイがこれからどうするかを話していると、その話を横で聞いていたトロイがキャンピングカーで来たからフェス会場まで一緒に行こう、フェスは二日間だし、終わったらここに送ると言います。ロビンは渋い顔をしますが、携帯もつながらない田舎の砂漠地帯では他に選択肢もなく、みんなで彼らのキャンピングカーに乗って出発します。
デザート・ストームのネタバレあらすじ:承:キャンプ
キャンピングカーの中でみんなが盛り上がっている中、ジェイは離れて本を読みます。ローズマリーがジェイのところに来ますが、「話すことはない」と言うジェイ。「私、子供だったの。何の考えもなく・・・あの頃は本当にバカだった」と言うローズマリーに、ジェイは冷たく「そうだね」と答えて拒絶します。キャンピングカーは道を曲がって砂漠の中の道なき道を進んで行き、荒れた道にタイヤがハマって動かなくなります。みんなで車外に出てトロイとジェイが地図を見ながら道を確認していると、ジェイが「なぜこの道を?ここは四駆車専用の道よ」と言い、道を間違えていたことが分かります。危険なので朝までは進まないことにして、今夜はキャンプをして過ごすことになります。火をおこしてみんなで話をし、ダックスは幻覚剤のペヨーテでスープを作ります。「ペヨーテは偉大だ。人生で最も美しい旅を体験できる。一晩中最高の旅が続くんだ」と言います。「誰も飲まないのか?」と言うと、ジェイが「飲みたい」と言います。ロビンが止めようとしますが、「いいでしょ。試すだけ」と言って飲むジェイ。そんなジェイを見てジャスミンは「2年の服役でワル気取り?」と笑います。ジェイが睨むと「キモイ女」と言うジャスミン。ジェイは「今何て言ったの?」と怒って席を立ち、トロイが後を追います。ロビンがジャスミンに皮肉まじりに「さすがお見事だ」と言って怒ると、「許して」と謝るジャスミン。ジェイとトロイは星を眺めながら語り合ってキスをします。みんなペヨーテを飲んでハイになり、ロビンとローズマリーは2人きりになって語り合い、「君と子供を持ちたい」「君は完璧だ」と言うロビンに「私は完璧じゃない」と言うローズマリー。「何があったか、あいつはちゃんと話してくれない。兄妹なのに。俺が頼りないのか・・」と言うロビンの言葉を無言で聞くローズマリー。「君ならジェイと仲良くなれる。打ち解けたろ?」と言われ、「まあね」と言葉を濁しながら微笑みます。夜が明けて、ロビンとトロイとジェイがキャンピングカーの様子を見てみますが、バッテリーがダメになっていて元の道を歩いて戻るしかなさそうです。ロビンはテントで眠っているローズマリーを起こしに行きますが、ローズマリーの様子がおかしいことに気が付きます。パニックになりながらジェイを呼んで様子を見てもらいますが、やはりローズマリー亡くなっていました。みんなローズマリーの突然の死にとまどい、ジャスミンは泣きじゃくり、男性達はペヨーテの過剰摂取かペヨーテと何かを混ぜたせいで亡くなったんじゃないかと口論になり、ダックスが責められます。そんな中、ジェイは「歩き始めないと。水がなくなる」と言って立ち上がります。悲しみの中、ローズマリーとキャンピングカーを残して出発します。トロイを先頭に何時間も歩き続きますが、ひたすら荒野が続くばかりです。次第に今いる場所さえも分からなくなってしまい、日が暮れて危険なためキャンプをすることになります。「ここは国立公園だ。きっと警備隊が見回ってる」と言うトロイ。ヘザーは「そもそもここに来て一度でも警備隊を見かけた?元の道も見つからないし、水がなくなったら大変」と言い、ジェイも「私もそれが心配」と言います。ジャスミンはウェイドにテントが壊れてるみたいだから見てほしいと言い、テントに誘います。
デザート・ストームのネタバレあらすじ:転:道を探して
翌朝、ウェイドが茂みで用を足しているとガラガラ蛇に足を噛まれてしまいます。ジェイがウェイドの足を布で縛って応急処置をしますが、早く病院に連れて行かないと命が危険です。トロイは「もうやってらんねえ!お前らを助けたせいでこのザマだ。俺は抜ける」と怒鳴って去ってしまいます。ロビンとジェイとヘザーは道か病院を探そうと話し合い、ロビンが「太陽はあそこにある。あっちが西だ。つまり俺たちはあっちに向かえばいい」と言い、歩いて探しに行くことになります。1人で歩いて行ってしまったトロイが「戻ってきてやったぜ」とすぐに帰って来て、今後のプランを聞いてきます。動けないウェイドはここに残して病院を探しに行くことになり、ダックスだけウェイドに付き添うために残ることになります。みんなが出発した後、ウェイドを看病して元気づけながら、「俺の人生、バカな失敗ばかりだ」と落ち込むダックス。一方、他のみんなは砂漠の荒野を何時間も歩き続けますが、何も見えてきません。ロビンとトロイが歩く方向について口論になりながらも、有名な砂丘が見えてきて、みんなで走ります。ダックスはみんなが帰って来るのを待ちながらウェイドの看病を続けていましたが、ウェイドは亡くなってしまいます。泣き崩れるダックス。一方、他のみんなは砂丘に着きますが、何もなくて途方に暮れます。「道はどこ?もうウンザリ!」と叫ぶジャスミンに「道なんかねえよ。迷ったんだから」と苛立ちをぶつけるトロイ。そんな二人をヘザーが今は力を合わせなきゃと言ってなだめます。みんな空腹で疲れてる上に水も減り、限界にきていました。今夜は野宿をして、また明日歩くことになります。ダックスはウェイドの隣に座り、「ひどいじゃないか。俺を置いて・・・お前とトロイに認められたかった」と語りかけてから立ち上がり、「こうなりゃ運試しだ。天に任せるさ」「あいつらは戻らない」と歩き出します。ジェイとヘザーは夜中に語り合います。「あんたの服役中、私のママも・・・」と言うヘザーに「残念だったね・・知らなかった」と言うジェイ。2人は子供の頃は仲良しでしたが、成長してからは会話することはありませんでした。もし助かったらまた友達になろうと話す二人。ヘザーは「・・聞いていい?お母さんを殺したの?」と聞くと、ジェイは事件が起きた時のことを語り始めます。「母は心を病んでた。私が15歳の頃からすごく攻撃的になって・・・ロビンは家を出てた」「ある晩、母は激しい剣幕で父を罵倒し始めた。”生徒と浮気してる”と。ギラついた目をしてナイフで父を刺した。私は父を愛してたから母を撃ったの」。ヘザーはジェイの話を静かに聞き「それはつらかったね。それでローズマリーと・・ロビンは事情を知ってるの?」と尋ねます。「知らないよ。この先もずっと」と言うジェイ。眠れずに横になっていたロビンは二人の会話を聞いてしまい、苦悩の表情を浮かべます。
デザート・ストームの結末:それぞれの道
朝になり、ヘザーが目を覚ますとロビンの姿が見えません。近くを探してみると、ロビンが1人で立っていて、「聞いてくれ。反対するだろうが俺1人で行く。車で来た時、太陽があった方角が西だ。俺には確信がある」と言います。ヘザーは「置き去りにしないで、兄貴まで失いたくない」と必死に止めますが、「俺が行かないと全員が死ぬ」「必ず戻る。一緒に家に帰ろう。今度は俺がお前を守る番だ」と言って行ってしまいます。残ったジェイとヘザーとトロイとジャスミンは火をおこしてキャンプをします。ジェイが最後の1本の水をヘザーにあげたのを見て「マジかよ。最後の水を俺らに相談もなくヘザーに?お前ら全員バカかよ。あいつは戻ってこない。今頃とっくに死んでる」と怒り出します。疲れて歩くのもやっとのジャスミンはトロイに用を足したいと言いますが、勝手にそこらの岩陰を探してしてこいと言うトロイ。トロイの言葉を聞いて、ロビンは戻らないのかもと落ち込むジェイ。ヘザーは「絶対戻るよ。あんたの服役中も私たちの面倒を。いつだって助けてもらってた。彼なら大丈夫」と元気づけます。その時、ジェイが砂嵐がすぐそばまで来ていることに気が付きます。「避難しなきゃ」と急いでトロイ達のところへ戻ります。ジャスミンは用を足した後にトロイがいた場所に戻ろうとしますが、迷ってしまいます。ジェイとヘザーがトロイのところに着いて避難を促し、「ジャスミンは?」と聞きますが、「知るかよ。逃げよう」と言うトロイ。みんなで谷の方へ避難することにします。ジャスミンの名前を呼びながら歩くヘザー。谷に着きますが、「あの子を置いていけない」と言うヘザーに「諦めよう。居場所が分からないんだ。俺たちだけでも身を守ろう」と谷へ下りるトロイ。ジャスミンとダックスは砂嵐に巻き込まれてしまいます。砂嵐が去り、ヘザーがジャスミンを探そうとすると、「確かあっちに行ったぜ」と言うトロイ。ヘザーは「知ってたわけ?」と激怒します。ダックスは砂嵐から身を守って助かることが出来ましたが、ジャスミンは亡くなってしまいます。ジェイが「ロビンはこっちに」とヘザーを連れて出発しようとすると、トロイが別の方向を指差し「こっちだ」と言います。ジェイはロビンが言っていたことを信じて歩き出し、ヘザーも続きます。「勝手に死ね。俺はごめんだ」と言って残るトロイ。その頃、ダックスは歌を歌いながら歩いていました。トロイも「やってやろうじゃないか。これが俺の進む道だ」と呟いて歩き始めます。砂漠の荒野をぐったりと疲れ果てながら歩き続けるジェイとヘザー。ついにヘザーが「もうダメ」と座り込んでしまいます。ジェイが「前に進まなきゃ」と励ましますが、ヘザーはもう歩くことができずに横になり「隣に寝て」と言います。「しょうがないな。少しだけね」とヘザーの横に寝転ぶジェイ。ダックスは「砂漠の野郎。タチが悪ぎる。人間をバカにして・・・」とぼやきながら歩き、崖に辿り着きます。崖上から見える砂漠の夕暮れの美しさに感嘆し、崖上から身を投げます。ジェイが起き上がると、隣で寝ていたヘザーは息絶えていました。ヘザーが大事に持ち歩いていたカメラを持ち、泣き叫びながらまた歩き出すジェイ。トロイは娘の元へ帰りたい一心で力を振り絞って歩き続けます。ジェイはついに道路に辿り着き、走って来た車に助けを求めます。ロビンはヨロヨロと乾いた荒野を歩き続けていましたが、目の前にヘリコプターが飛んで来るのが見えて安堵の表情を浮かべます。ジェイは車の中で静かに涙を流します。その頃、なぜかトロイは行くはずだったフェス会場に辿り着いてしまい、「ウソだろ・・なんで今頃。見たくもねえ」と呟きながら歩き続けるのでした。
以上、映画デザート・ストームのあらすじと結末でした。
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