ジキル博士とハイド氏の紹介:1932年アメリカ映画。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの代表作で幾度も映画化などされてきた作品の1932年版です。人間ならば誰しもが併せ持つ“善”と“悪”の感情をモチーフに、温厚な科学者だったジキル博士が自ら開発した薬によって凶暴なハイド氏へ変貌していく過程と顛末を描きます。主演のフレドリック・マーチはアカデミー主演男優賞を受賞しています。
監督:ルーベン・マムーリアン 出演:フレドリック・マーチ(ヘンリー・ジキル博士/エドワード・ハイド氏)、ミリアム・ホプキンス(アイヴィー・ペアソン)、ローズ・ホバート(ミュリエル・カルー)、ホームズ・ハーバート(ラニョン博士)、ハリエル・ホブズ(ダンヴァズ・カルー准将)、エドガー・ノートン(プール)、テンペ・ピゴット(ホーキンズ夫人)ほか
映画「ジキル博士とハイド氏」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジキル博士とハイド氏」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ジキル博士とハイド氏の予告編 動画
映画「ジキル博士とハイド氏」解説
この解説記事には映画「ジキル博士とハイド氏」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジキル博士とハイド氏のネタバレあらすじ:起
温厚な性格の科学者ヘンリー・ジキル博士(フレドリック・マーチ)は、大学の講演で持論を語りました。人間には気高さを求める“善”の性質と、本能の赴くままに動く“悪”の性質があり、この2つは“悪”を抑制しながらせめぎ合うというのです。ジキル博士は自ら開発した“善悪を切り離す薬”を使うことで、“善”と“悪”は別の人格として切り離され、互いに分離可能になると力説しました。
ジキル博士はダンヴァズ・カルー准将(ハリエル・ホブズ)の娘ミュリエル(ローズ・ホバート)と惹かれ合っていましたが、カルー准将は二人の結婚には慎重な姿勢を崩さないままでした。
ジキル博士は同僚のラニョン博士(ホームズ・ハーバート)に愚痴をこぼしていると、そこで女の叫び声を聞きつけました。二人が駆け付けてみると、そこにはヒモに殴られて怪我をした娼婦のアイヴィー・ペアソン(ミリアム・ホプキンス)がいました。アイヴィーの手当てをしたジキル博士は彼女に抱きつかれてキスをされ、すっかり彼女の虜になってしまいます。そんなジキル博士を見かねたラニョン博士はミュリエルのためにも自制すべきだと忠告しましたが、もはや欲望を抑えきれなくなったジキル博士は自ら薬の実験台になることにしました。
ジキル博士とハイド氏のネタバレあらすじ:承
薬を飲んだジキル博士は凶暴な別人格となり、執事のプール(エドガー・ノートン)に自分は“エドワード・ハイド氏”だと名乗りました。その後、ジキル博士は改めてミュリエルに結婚を申し入れますが、父を気にするミュリエルは回答を保留して、カルー准将と共に旅行に出かけてしまいます。イラついたジキル博士は薬を飲んでハイド氏となり、夜の街を徘徊したあげく、酒場でアイヴィーと再会して彼女を口説き始めました。
ジキルはそれからハイド氏に変身しては暴力的にアイヴィーを支配するようになりましたが、やがてミュリエルが旅行から戻ってくることを知ると、ジキル博士はプールに裏口の鍵をアーヴィーに届けるよう命じました。やがてジキル博士はカルー准将からミュリエルとの結婚の許しを得ますが、その後にアイヴィーがハイド氏の相談をしにジキル博士の元を訪れてきました。
アイヴィーの身体についた傷の手当てをするジキル博士に、アイヴィーはハイド氏の恐怖について語ってきました。ジキル博士は自分が手を打っておくから二度とハイド氏は現れないようにすると約束しました。しかし、薬物中毒に陥っていたジキル博士はハイド氏としての人格を押さえつけられなくなり、ミュリエルとの約束のディナーに行く途中に公園を散歩していたところで、小鳥が野良猫に襲われるのを見たのを機にハイド氏に変身してしまいました。そしてアイヴィーの前に現れたハイド氏は、ジキル博士を偽善者だと切り捨て、アイヴィーの首を絞めて殺害してしまいました。
ジキル博士とハイド氏のネタバレあらすじ:転
ハイド氏は家に入ろうとするもプールから締め出され、自分はジキル博士の友人だと言っても聞き入れてもらえませんでした。その頃、カルー准将とミリュエルはラニョン博士と共にジキル博士の到着を待ち続けていましたが、とうとう博士は姿を表すことなく、カルー准将は怒りのあまりミリュエルにあんな男とは別れろとぶちまけてしまいます。
その頃、ハイド氏はラニョン博士宛に手紙を書き、男が受け取りに来るのでジキル博士の実験室に行って薬の小瓶を用意するよう依頼しました。やがてラニョン博士の元を訪れたハイド氏はジキル博士の安否を聞くラニョン博士に彼は無事だと伝え、ラニョン博士の目の前で薬を飲んでジキル博士に戻りました。
事情を知って驚くラニョン博士に、ジキル博士はもう二度と薬を使わないことを約束、そして明日ミュリエルに別れを告げると告げました。
ジキル博士とハイド氏の結末
翌日、ジキル博士はミュリエルの元を訪れて別れを告げますが、ミリュエルはどうしても納得がいきませんでした。ジキル博士は理由を教えてほしいというミリュエルに答えることができませんでしたが、彼女のこぼした涙を見て激情に駆られたジキル博士はハイド氏に変身してしまいます。
ハイド氏はミュリエルを抱きしめようとしますが、恐れをなしたミリュエルはカルー准将に助けを求めました。自宅に逃げ帰ったハイド氏は薬を飲んでジキル博士に戻りましたが、ハイド氏を追って警官がなだれ込んできました。
ラニョン博士は警官を制して、ハイド氏は裏口から逃げたと嘘をつきましたが、ジキル博士はハイド氏に変身して大暴れしてしまいます。ハイド氏は敢えなく警官の銃弾に倒れ、最期はジキル博士に戻って息を引き取るのでした。
以上、映画「ジキル博士とハイド氏」のあらすじと結末でした。
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