数に溺れての紹介:1988年イギリス映画。美しい田園風景の広がる土地で連続する、男たちの溺死事故。死者の妻たちの名は皆『シシー・コルピッツ』。祖母、その娘、その姪の3人だった…。監督は独特の作風の知的な映画で人気だったピーター・グリーナウェイ。音楽は多くのグリーナウェイ作品や『ピアノ・レッスン』の音楽を担当したマイケル・ナイマン。カンヌ国際映画祭、最優秀芸術貢献賞受賞。別題は『数に溺れて/快楽の夫殺しゲーム』
監督:ピーター・グリーナウェイ 出演:バーナード・ヒル(マジェット)、ジョーン・プロウライト(シシー・コルピッツ1)、ジュリエット・スティーヴンソン(シシー・コルピッツ2)、ジョエリー・リチャードソン(シシー・コルピッツ3)、ジェイソン・エドワーズ(スマット)、ほか
映画「数に溺れて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「数に溺れて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
数に溺れての予告編 動画
映画「数に溺れて」解説
この解説記事には映画「数に溺れて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
数に溺れてのネタバレあらすじ:起
明るい月夜、家の前で縄跳びをしながら星の名を呼び、その数を数える少女がいる。シシー・コルピッツ1がその少女エルシーに「いくつ数えたの?」と尋ねると、100個だと言う。100以上星はあるけれど、それを超えたら同じなのだ。
帰宅したシシー・コルピッツ1は、日曜学校の教師をしているナンシーを連れて酔っぱらって帰った庭師の夫ジェイクが、ブリキの浴槽を二つ並べてナンシーと湯につかっているのを見て、夫の頭を湯に沈めて溺死させる。
シシー・コルピッツ1は娘シシー・コルピッツ2を訪ね、酔って眠っているナンシーを運ぶのを手伝わせる。次に二人は検死官マジェットを訪ね、ジェイクの死を事枚として処理するように迫る。マジェットが求めた代償は、61歳とマジェットよりかなり年上だが、彼が長年思いを寄せていたシシー・コルピッツ1の肉体だった。
たくさん羊を飼い、地域の人々を集めた様々なゲームの企画者でもあるマジェットと、彼の息子で親と同様に奇妙なゲームを考案するのが好きで、そしてその他昆虫採集も好きで、何にでもペンキを塗ること、ロケット花火、そして何でも数えること、物にナンバーをつけることも好きなスマット少年は、シシー・コルピッツ1,2と、シシー・コルピッツ1の孫娘でシシー・コルピッツ2の姪であるシシー・コルピッツ3の共犯者になる。だが、シシー・コルピッツ1は森に一緒にドライブに行くが、結局マジェットの誘いに乗らず、体を許すことはなかった。
一方、ジェイクのいとこたちやナンシーは、ジェイクの死に疑問をもっていた。シシー・コルピッツ3の恋人ベラミーも彼らと一緒にいるところを目撃されるが、シシー・コルピッツ3と結婚してしまう。
数に溺れてのネタバレあらすじ:承
シシー・コルピッツ2は海辺の白い家に夫ハーディと住んでいた。セックスを求める妻を拒み、泳ぎに行った夫に怒ったシシー・コルピッツ2が夫のタイプライターをめちゃくちゃにしていると、食べ過ぎのせいか夫が溺れそうになって助けを呼ぶ。
海に入ったシシー・コルピッツ2は母親同様に夫を溺死させてしまう。そしてまたマジェットに嘘の検視報告をさせた。シシー・コルピッツ1にふられたマジェットは森にドライブをして、今度はシシー・コルピッツ2にプロポーズするが、やはり断わられてしまう。
相次ぐシシー・コルピッツの夫の死に、人々は疑惑を抱く。ハーディが溺れた直後に海岸を走っていた二人のランナーもそうした人々に加わり、ベラミーも相変わらず彼らと一緒にいた。
数に溺れてのネタバレあらすじ:転
結婚後3週間のシシー・コルピッツ3は妊娠していたが、ベラミーが相次ぐ不審死に疑惑を抱く人たちの集会に参加するのを嫌い、泳ぎの出来ないベラミーに深夜のプールで泳ぎの指導をしているうちに、彼の体につけていた浮き具をはずして溺れさせてしまう。
またもマジェットに検視させるが、マジェットも、スマット少年がスマット自身を撮った写真のせいで息子への虐待を不当にも刑事に疑われていた。二人で森にドライブに出かけてマジェットはやや強引にシシー・コルピッツ3の体を求めるが、結局拒絶されてしまう。
数に溺れての結末
シシー・コルピッツ1,2,3が川で夫たちの散骨をする日、彼女たちに利用されていたことを悔いたマジェットは、彼の最後のゲーム、善と悪の綱引きを試みる。シシー・コルピッツたちやマジェット、スマットと彼らを疑う人たちとが綱引きをしたが、負けた側のシシー・コルピッツたちは、あわててマジェットを小舟に乗せて岸から離れる。
その時、スマットは刑事から訃報を教わっていた。彼の愛する、仲良しの縄跳びの少女エルシーが自動車にひき逃げされて死んだのだった。スマットは遺品のとび縄を使って、首に縄をまいて足のつかない高さから跳び下りるという彼の最後のゲームをして死に、それを祝ってロケット花火がさく裂する。
そのころ、嵐を前にした夜の水上で、シシー・コルピッツたちは小舟の底の栓を抜いて水を入れ始めてから、夫たちの遺品と遺灰の壺を捨て、死を悟ったマジェットを残して泳ぎ去る。小舟には「100」という最後のナンバーがペンキで描かれていた。
以上、映画「数に溺れて」のあらすじと結末でした。
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