江分利満氏の優雅な生活の紹介:1963年日本映画。酔っぱらって管を巻くだけの冴えない中年サラリーマンが、あることをきっかけに身辺小説を書く事になり、作品が世間から注目され直木賞まで受賞してしまいます。
監督:岡本喜八 出演者:江分利満(小林桂樹)、夏子(新珠三千代)、庄助(矢内茂)、明治(東野英治郎)、編集者(中丸忠雄・横山道代)ほか
映画「江分利満氏の優雅な生活」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「江分利満氏の優雅な生活」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「江分利満氏の優雅な生活」解説
この解説記事には映画「江分利満氏の優雅な生活」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
江分利満氏の優雅な生活のネタバレあらすじ:起
サントリーの宣伝マン・江分利満氏は、今日もうんうんとキャッチコピーをひねりだしています。終業のベルでみんなが帰りだすと呑み相手を探しますが、彼と呑むと荒れるのが目に見えているので、誰も一緒に行きたがりません。結局一人で何件もはしごし、方々で管を巻いて帰るのが彼の常なのでした。彼は妻・夏子と息子・庄助、それから年老いた父親・明治と一緒に暮らしています。ある日、いつものように呑んでいると、男女の2人組に声を掛けられ、そのまま流れで一緒に飲み明かして帰路につきました。次の日、ポケットに覚えの無い名刺が入っているのが見つかり、一応連絡を取ってみると、昨日一緒に飲み明かした二人が訪問してきました。二人は編集者で、呑みがてら彼に原稿の依頼をしていたのでした。彼らは以前から江分利の呑みっぷり、酔いっぷり、管の巻きっぷりに感心して、目をつけていたそうです。昨日の江分利はそれを快諾したそうですが、今日の江分利は全く記憶にありません。しかし、二人の情熱に根負けしてしぶしぶ原稿を引き受けた江分利なのでした。
江分利満氏の優雅な生活のネタバレあらすじ:承
さて、家に帰って原稿に向かっても、一行に筆は進みません。様子を見に来た妻といろいろと話しているうちに、アイデアが浮かびます。原稿が乗るのは婦人雑誌なので、女性が知らない平凡なサラリーマンの生き様を書くことにしました。社宅の前の通りの舗装されてない砂利道や、息子や妻のエピソード、他の社宅よりほんの少し広い庭への優越感、ご近所付き合いの加減具合など、なんでもないような日常。そして、自分がいかに不器用であるか、またある時は少し真面目に自分の半生を語ったりしました。江分利の小説は社内でも世間でも評判になりました。一部の男性社員からは、「酔って管を巻いているような小説」だと評されました。これには編集者の二人も大喜びです。また3人で呑みにいくと、江分利は「もうこれ以上は書けない」と言いはりましたが、2件、3件と回っているうちに「絶対に傑作を書いてみせるぞ!」となるのでした。次の題材は主に自分の両親のことについて書きました。父親のなかなかの変わり者ぷりや、亡くなった母親の気苦労などに思いを馳せて、人生の苦みを書ききりました。
江分利満氏の優雅な生活のネタバレあらすじ:転
書きたいままに淡々と書いていた江分利の小説「江分利満氏の優雅な生活」は直木賞を受賞します。この報告に家族は泣いて喜び、会社の皆も口々にお祝いの言葉を述べます。ささやかな祝賀会も行い、江分利はそこでも酒を飲み、多いに管を巻きました。
江分利満氏の優雅な生活の結末
今回の江分利の語りっぷりは長引きました。祝賀会が終わり、2次会、3次会となり一人二人と人数が減っていきます。最終的には家にまで連れ込んで管を巻きます。最終的には江分利がしゃべりくたびれて眠ってしまった所でお開きとなり、最後まで付き合った二人はへとへとになって帰路に着きます。外はもう明るくなっていました。次の日、普段通り出勤し屋上で社歌を歌う社員たちを眺めながら、江分利満氏の優雅な生活がまた始まるのでした。
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