映画 オール・ユー・ニード・イズ・キルの紹介:2014年アメリカ映画。日本の小説家、桜坂洋のライトノベル『All You Need Is Kill』を原作に、トム・クルーズ主演で実写映画化されたSFアクション巨編です。異星人による地球侵略が進む中、戦いの中で死ぬと一定の時間にタイムループすることに気付いた主人公が、その能力と仲間たちの協力により敵の攻略法を探る姿を描きます。
監督:ダグ・リーマン 出演者:トム・クルーズ(ウィリアム・ケイジ)、エミリー・ブラント(リタ・ヴラタスキ)、ビル・パクストン(ファレウ曹長)、ブレンダン・グリーソン(ブリガム将軍)、ノア・テイラー(カーター博士)、キック・ガリー(グリフ)、ドラゴミール・ムルジッチ(クンツ)、シャーロット・ライリー(ナンス)、ジョナス・アームストロング(スキナー)、フランツ・ドラメー(フォード)、トニー・ウェイ(キンメル)ほか
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オール・ユー・ニード・イズ・キルの予告編 動画
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」解説
この解説記事には映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オールユーニードイズキルのネタバレあらすじ:起
ある日、ドイツ・ハンブルク郊外に謎の隕石が落下しました。それは擬態する能力を持つエイリアン、通称“ギタイ”であり、5年かけてヨーロッパ各地で侵略と殺戮を繰り広げ、アメリカなど世界各地に飛び火するのは時間の問題でした。ギタイ殲滅のため結集された「統合防衛軍」は“機動スーツ”と呼ばれる最新鋭パワードスーツを導入、女性軍人リタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)の活躍もあり着々とギタイへの反撃体制を整えつつありました。
ロンドンの統合防衛軍本部に、軍の広報を担当する報道官ウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)が降り立ちました。ケイジは指揮官のブリガム将軍(ブレンダン・グリーソン)から“ダウンフォール作戦”を提示され、これから1時間後にフランスに展開する前線への合流を命じられましたが、血を見ただけでも怖気づく臆病者のケイジはあの手この手で言い訳をして逃れようとしましたが却って将軍の怒りを買ってしまい、逮捕されて強制的にヒースロー基地へと連れて行かれました。
少佐から二等兵へと降格させられたケイジはJ分隊に配属され、機動スーツの使い方も武器の安全装置解除方法も教えてもらえないまま前線に送り込まれました。しかし、統合防衛軍の大軍をもってしてもギタイは圧倒的な戦力を誇っており、英雄であるはずのリタもケイジの目の前で戦死、次々とJ分隊の仲間たちも死んでいき、ギタイに襲われたケイジは地雷で相打ちとなり、青い血を浴びながら死亡しました。
オールユーニードイズキルのネタバレあらすじ:承
ケイジはなぜか昨日の基地に連れてこられた状態で目を覚ましました。ケイジはなぜかJ分隊のファレウ曹長(ビル・パクストン)やJ分隊の隊員たち、そして作戦当日に起こった出来事を記憶しており、そのまま再び戦場に送り込まれ、今度はリタを助けようとして戦士しました。
ケイジはその後も何度も死と共に前日に戻るという不可思議な現象を体験、ファレウや仲間たちに説明しようとしても聞き入れてもらえません。そうこうしているうちにケイジは次第にスーツや武器の使い方を覚えていきました。
ケイジはリタを助けた時に「目覚めたら私を探して会いに来て」と言われたことを思い出し、訓練を抜け出してリタに会いにいきました。どうやら事情を知っている様子のリタはケイジに軍の科学者カーター博士(ノア・テイラー)を紹介、ケイジはここでギタイについての特徴を教えてもらいました。
ギタイには“オメガ”という母体があり、我々はその末端組織としか戦っていないこと、ごくまれに“アルファ”と呼ばれる特殊な個体があり、アルファが倒されると時間を操る能力を有するオメガがアルファが倒される前の時間まで巻き戻すということでした。ケイジは最初の戦いでアルファと相打ちになっており、その際にアルファの血を浴びたことで同じ能力を手に入れたということでした。リタとカーター博士はケイジこそ人類の最後の希望だとして猛特訓を課し、ケイジも次第にスーツや武器を上手く扱えるようになっていきました。実はリタもまたケイジと同じ能力を手に入れていたのですが、戦闘で負傷した際に輸血を受けたことでその能力を失っていたのです。
オールユーニードイズキルのネタバレあらすじ:転
それからというもの、ケイジはリタのもとで過酷な訓練に励み、何度も死と復活を繰り返しながらも逞しく戦士として腕を上げていきました。やがてオメガの幻影を見るようになったケイジは、オメガの居場所がドイツの山奥にあるカーネルダムであることを突き止め、リタと共に戦場から抜け出し、近くの車を奪ってダムへと向かいましたが途中でガス欠を起こし、辿り着いた廃屋で車とヘリを見つけました。しかしこれもまた数度目の挑戦での出来事であり、ケイジはリタがヘリに乗ったところでギタイに殺されることを知っていました。
しかし、リタはケイジの警告を無視してギタイに殺されてしまい、再び過去に戻ったケイジは今度はリタを置き去りにして一人でカーネルダムへと向かいましたが、そこにはオメガの姿がなく、アルファと一般のギタイがいるのみでした。再びタイムループしたケイジはそのことをリタとカーター博士に話すと、カーターはあらかじめアルファの能力を応用した追跡装置の試作品を作っていたのです。しかしそれはケイジを戦場送りにしたブリガム将軍に押収されてしまっていました。
オールユーニードイズキルの結末
ケイジとリタはタイムループ能力を通じて統合防衛軍本部の警備状況やブリガム将軍の説得方法を探り、何とかブリガム将軍から追跡装置を取り戻すことに成功しました。ケイジが装置を起動させると、オメガの居場所はパリのルーブル博物館にあるガラスのピラミッドの地下の奥深くであることがわかりましたが、ケイジとリタは防衛軍の追っ手から逃げる際に事故を起こして負傷してしまい、気が付くとケイジは軍の医療施設で輸血を受けており、二度とタイムループ能力を使えなくなってしまったことに気が付きました。
絶対に失敗できない極限状態の中、ケイジとリタは翌朝の出撃を控えたJ分隊を説得して味方につけることに成功、作戦が実行される前にオメガと決着をつけるべくルーブル博物館に乗り込みました。次々と仲間たちがギタイとの交戦で死んでいき、生き残ったケイジとリタはようやくオメガのいる地下へと辿り着きましたが、リタはケイジにキスをすると自らオメガを護るアルファの囮となって命を落とし、ケイジはアルファに襲われながらもオメガのもとに辿り着き、手榴弾を爆破させて相打ちとなり、オメガは破壊されて全てのギタイは機能を停止していきました。
ケイジは死の瞬間、オメガの青い血を浴びたことから再びタイムループの能力を取り戻し、統合防衛軍本部に向かうヘリの中で目を覚ましました。オメガの破壊により既にギタイは全滅しており、人類はギタイとの戦いに勝利していたのです。ケイジは変わらず訓練を続けるJ分隊の姿に安堵し、訓練中のリタに会いに行きました。ケイジのことは知らない様子のリタは「何か用?」と尋ねると、ケイジは思わず微笑みを浮かべました。
以上、オール・ユー・ニード・イズ・キルのあらすじと結末でした。
オールユーニードイズキルのレビュー・考察
近未来。ギタイと呼ばれる宇宙からの侵略者が地球に侵攻しヨーロッパ全体を支配している世界。軍はギタイのイギリス上陸を阻止すべく、フランス海岸に総攻撃を仕掛ける。そこへ半ば強制的に参加させられるのが主人公のケイジ。彼は広報で実績を積む が、突然2等兵として荒くれ兵の中へ押し込まれる。壮絶な死闘の中、戦闘経験のないケイジ(トム・クルーズ)は、ギタイと差し違えるも無惨な死を迎える。しかし気が付くと前日の世界に戻っている。とまどうケイジ(トム・クルーズ)は作戦が失敗することを仲間に伝えようとする。だが、そんな話を誰も信じるわけが無く、ふたたび絶望の戦場へと戻っていく。
原作は桜坂洋作のライトノベルである。日本のライトノベルがハリウッド映画になったのは、もちろん初めてのこと。主人公の死をもって時間をやり直すことが出来るタイムループもののSF作品である。主人公は死までの記憶を覚えており、その記憶を元に新たなステージをクリアしていく。それはテレビゲームのアクションものと同じで、もちろん原作者もそれを意識したであろうと思われる。
若干のCGに頼りすぎの傾向があるが、それを忘れさせてくれる圧倒的な戦闘描写が繰り広げられる。敵、ギタイの描写は素晴らしく、良い意味での嫌悪感を感じさせるものだ。フランス海岸への上陸作戦は映画「プライベートライアン」でのノルマンディー上陸作戦へのオマージュであろうか。戦闘の悲惨さ、個人はヒーローになれないことをつくづく感じさせられる。物語中盤ではケイジ(トム・クルーズ)とリタ(エミリー・ブラント)による連携した戦闘が中心となる。徐々に力を付けていくケイジ。圧倒的な戦闘力を持ちながらも中で次第に人間らしくなっていくリタ(エミリー・ブラント)。他に頼るものが無い状況で二人の個人戦闘力は極限まで高められていく。後半のルーブル美術館への突入は、ふたたび仲間と共に共同作戦を繰り広げることになる。
アクションシーンを中心とした映画であるが、主人公ケイジの成長物語でもある。前述のようにテレビゲームのアクションものと同様に徐々に強くなる主人公と共に、観客も徐々に感情移入され、自分が強くなっていく感覚を得ることが出来る。テレビゲーム世代においては普段親しんでいるゲームの世界が映画館という大スクリーンの展開されることに興奮しないはずがない。ケイジの成長を自分自身のことと実感できることがこの映画の醍醐味ではなかろうか。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」感想・レビュー
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主人公が何度も死亡し、その都度少しずつ少しずつ物語が進んでいくというのが個人的に凄く面白く感じました。原作がライトノベルだというのは知らなかったのですが、映像作品としてはとても楽しく見ることが出来ました。また、戦闘シーンがメインですが、そこまでグロテスクな表現もなく観やすかったように感じます。最後にボスを倒した後、「最初から!?」と一瞬思っていましたが、ラストシーンも良い感じに終わってすっきり見終えることが出来ました。
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タイムループものとして大変楽しめる作品でした。何と言ってもこの作品の見どころは主人公であるケイジ(演:トム=クルーズ)が不本意ながらタイムループしてしまう場面だと言えます。歯痒い場面が多い上に、何度も死を経験することでケイジが精神的に追い込まれてしまうと思いきや、死を経験することで次こそは必ず敵であるギタイを倒してみせるという気持ちが強くなり、肉体面でも我先にと戦場を駆け抜ける程に鍛え上げられていく描写が斬新に感じました。
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これはね、ほんとみんなにオススメする映画ですよ。
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ここで、原作が日本の小説:桜坂洋ライトノベルと知り驚き。邦画でこの映像化は難しいでしょう。
タイム・パラドックス系好きには堪らない作品。
中盤以降、ケイジとリタの連携からのラストカット・・ちょっと原作読んで来よう
トム・クルーズの劣化は置いておいて、原作は読んでいないですがとても面白い作品でした。ミッションインポッシブルのトム・クルーズを知っているだけに、この作品でのトムは冴えない戦闘員で少し残念です(笑)ですが死んではまた繰り返し死んではまた繰り返している内にいつもの強いトム・クルーズになっていきます。中盤でトムがエミリーにヘリコプターに乗るなと何度も説得しているにも関わらず乗るエミリー。意地っ張りというか強情というか…トムが知っている未来を私だったら変えられる!とでも思ったんでしょうか。しかもトムは何度もあっさりとエミリーに殺されていますが、その度に痛くないんでしょうか(笑)ですが最後まで楽しむことができたので、いつもとは違うトム・クルーズを観たい人には尚更おすすめしたい作品です。