炎の戦線 エル・アラメインの紹介:2002年イタリア映画。第二次世界大戦の激戦地となったエジプトのエル・アラメインでの死闘を、当時の記録や生存者の証言をもとに描いた戦争ドラマです。敗退したひとりのイタリア軍の若き兵士の視点から炎天下の砂漠地帯での苦闘を克明に描いていきます。
監督:エンツォ・モンテレオーネ 出演者:パオロ・ブリグリア(セッラ)、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(リッツォ曹長)、エミリオ・ソルフリッツィ(フォオーレ中尉)、ルチアーノ・スカルパ(スパーニャ)、トマ・トラバッチ(デ・ヴィータ)、ピエロ・マッジオ(タロッツィ)ほか
映画「炎の戦線 エル・アラメイン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「炎の戦線 エル・アラメイン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「炎の戦線 エル・アラメイン」解説
この解説記事には映画「炎の戦線 エル・アラメイン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
炎の戦線 エル・アラメインのネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦も混迷を深めていた1941年2月から北アフリカ・エジプトで勃発した、アメリカ・イギリスなどからなる連合国軍とドイツ・イタリア連合軍との激戦「エル・アラメインの戦い」。戦局も膠着状態に陥った1942年10月、パレルモ出身の大学生セッラ(パオロ・ブリグリア)は使命感(と臆病と言われるのが嫌だったこと)からイタリア軍に志願、イギリス軍と対峙しているパヴィア歩兵師団第27連隊に配属されました。ところが、着任早々にセッラと共に配属されていた伍長が敵の砲撃を受けて戦死してしまい、セッラは辛うじて一命を取り留めました。そんなセッラに対する上官のフィオーレ中尉(エミリオ・ソルフリッツィ)の反応は、セッラの熱意よりも交代要員がセッラ一人だけだという失望感の強いものでした。フィオーレ中尉はセッラをリッツォ曹長(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)の分隊に配属することを決めました。
炎の戦線 エル・アラメインのネタバレあらすじ:承
セッラが配属された陣地の目の前には見渡す限り荒れ果てた砂漠が広がり、鉄条網の向こうには地雷原が設けられていました。装備も性能の劣る旧型しかなく、食糧や水も不足しており、装備・物量のいずれも勝っているイギリス軍の容赦ない砲撃にさらされていました。
リッツォ曹長はセッラに「頭を低くしていること」「たとえ赤痢になっても、全員罹っているので報告などしないこと」「サソリには気をつけること」といった忠告を与えました。
セッラはスパーニャ(ルチアーノ・スカルパ)やデ・ヴィータ(トマ・トラバッチ)、タロッツィ(ピエロ・マッジオ)とともに任務に就いていましたが、イギリス軍の執拗な攻撃の前に次々と味方の兵士が倒れていきました。イギリス軍は破壊された車の影から攻撃を仕掛け、イタリア軍は車の残骸ごと敵を吹き飛ばしてようやく攻撃を逃れました。
炎の戦線 エル・アラメインのネタバレあらすじ:転
セッラやフィオーレ、リッツォ、デ・ヴィータやスパーニャらは死体から食糧を回収したり馬を殺して肉を喰らおうとしたりと、生き延びるために必死でした。セッラたちはラクダを捕まえ、数カ月ぶりに新鮮な肉にありつきました。
やがて遂にイギリス軍の総攻撃が始まり、迎え撃つ戦車などの兵器もなく、援軍の飛行機も来ないままイタリア軍は砲弾の雨にさらされました。セッラは仲間たちとともに塹壕に籠りながら必死の抵抗を続け、地雷原の効果もあって何とか退けることに成功しました。軍に志願した時こそは戦死は名誉だと信じ切っていたセッラも、過酷な戦場の日々がその考えを大きく変えていました。今のセッラにとっては、死というものは美しくも何ともなく、惨めで悪臭がある嫌悪すべきものとなっていました。
炎の戦線 エル・アラメインの結末
フィオーレの部隊は遂に撤退を余儀なくされ、灼熱の太陽が照り付ける砂漠を横切る過酷な移動を開始しました。途中で一行は撤退を開始していたドイツ軍のトラックに遭遇、一緒に乗せてほしいと助けを求めましたが、同盟国であるはずのドイツ兵は「イタリア野郎なんかくたばっちまえ!」と冷たく吐き捨てて走り去っていきました。部隊はその後も移動を続けましたが、途中で力尽きるものや捕らえられるものなどが続出、もはやこの時点で生き残っているのはセッラ、フィオーレ、リッツォの三人のみとなりました。
道中でセッラたちは壊れたトラックと何とか走れそうな一台のバイクを見つけましたが、フィオーレは傷の悪化で歩くこともままならず、リッツォはフィオーレの傍にいると告げてセッラを単身脱出させることにしました。セッラは助けの車を見つけて帰ってくると約束、バイクで走り去っていきました…。
時は流れ、年老いたセッラはフィオーレやリッツォ、スパーニャやデ・ヴィータが眠るエル・アラメインの地を訪れました。
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