映画「トリック 消えた男たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
トリック 消えた男たちの紹介：2014年チリ映画。貧しい海辺の町にネグロのサーカス団がやって来ます。マジシャンとしてはプロ級のオラシオは、弟のアンヘルとサーカス団に雇ってもらうおうとネグロに会いますが追い返されます。ネグロの大掛かりなマジックのトリックを解いたオラシオは認められ、サーカス団に出入りするようになると、ネグロの麻薬の密売を知り、更にネグロの女であるカルロタとも関係を持ってしまいました…という内容のチリ発のサスペンス映画です。アドベンチャー要素もあり、楽しめる作品です。
監督：マティアス・ピノチェト 出演者：ジーン・ポール・オルハベリー（オラシオ）、ビクター・モンテーロ（ネグロ）、アロンソ・キンテロス（アンヘル）、イングリッド・イセンシー（カルロタ）ほか
この解説記事には映画「トリック 消えた男たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
刑事の取り調べを受ける前のアンヘルは、受付職員のパルマにお金を使ったマジックを見せています。興味深く見ていたパルマでしたが、刑事が入ってくると追い出され、サーカス団殺人事件の唯一の生き残りであるアンヘルの取り調べが始まりました。
海辺の町に住むオラシオとアンヘルの兄弟。兄のオラシオはマジックの腕前がプロ級で、二人はちょうどやってきたサンタクルスサーカス団の会場へと向かいます。テントの設営中の中、オラシオらは団長のネグロを訪ねます。ネグロの前でオラシオがカードマジックを数々見せますが、ネグロは「ありきたりのマジックだ、帰れ!」と追い返します。
その際ネグロが、ダンサーのカルロタにキスをすると、カルロタはオラシオを見つめます。オラシオはカルロタに一目ぼれしてしまいます。
父親とトレーラーハウスで暮らすオラシオたちでしたが、夜になると二人はサーカスを見に行きます。会場ではネグロが司会にパフォーマンスと、一人で何役もこなしていました。翌日、オラシオらは再びネグロの元を訪れ、マジックで挑発します。しつこいオラシオにネグロは「見せてやる」と言って、二人を車に乗せて走りだしました。
砂漠の真ん中で車を止め、ネグロが「ここに立ってろ、動くなよ」と言って、二人めがけて車を走らせます。怖くなったアンヘルは逃げますが、オラシオは言われるがまま立って見ていると、目の前で車が消えたのです。一瞬にして車を消したマジックを見せられた二人は、驚きと興奮で震えました。
この日以来、サーカス団への出入りを許された二人でしたが、当然のように邪魔者扱いされます。夜になり、オラシオはアンヘルを連れて車の消えた砂漠に向います。そこで地下道へ通じる入り口を見つけます。オラシオはネグロに「マジックのトリックがわかった」と言います。このことでネグロはオラシオとアンヘルをマジックショーに出すようになります。オラシオはカルロタと頻繁に話すようになり、やがて二人は愛し合います。
オラシオはネグロたちを自宅前に呼び、脱出マジックを見せます。金庫に自分が入り、アンヘルに扉を閉めさせます。ダイヤルを回すと開かなくなり、父親が電動ノコで扉を壊すと、中からカルロタが出てきます。次にアンヘルが港へネグロらを連れていき、吊るされたサメの腹を切り裂きます。すると腹からオラシオが出てきたのです。
ネグロはオラシオを認め、自分の人体切断ショーに登場させます。箱の中にはペルー人の双子兄弟の片割れが入っています。オラシオに刀を持たせ、上からネグロが力を入れて切断します。オラシオは肉を切った感触を味わいます。完全に殺したと思ったオラシオの前に、双子のもう一人が登場します。人体切断ショーのからくりは双子でした。
やがてネグロは、オラシオとカルロタが愛し合っている事を知り、カルロタを責め立てます。一方オラシオは、暇があれば水中で息を止める練習を始めます。更に砂漠の地下道で大量の麻薬を見つけたのです。ネグロはサーカスを隠れ蓑にし、麻薬の密売を行っていたのでした。
オラシオは麻薬を盗むと、カルロタを連れて逃げ出します。カルロタを奪われたうえ、麻薬を盗まれたことで怒りが頂点に達したネグロは、手下らにオラシオを探させます。少ししてオラシオはカルロタと一緒にいるところを急襲され拉致されます。
拷問にかけられたオラシオは、船にアンヘルと一緒に乗せられます。沖合に出ると、ネグロが「最後のマジックをやれ」と言って、オラシオを金庫に入れると、海に投げ込んだのです。金庫は海中へと沈んでいきます。
アンヘルは兄を心配して海に飛び込みます。ネグロは「放っておけ、いずれ溺死するだろう」と言って船を走らせます。数時間後、オラシオは漁船に助けられます。家に帰ると、オラシオの死を知った父が酒を飲みながら自殺します。
一人になったアンヘルは、子供時代にオラシオと遊んだ砂漠の廃車に向かいます。トランクの中にある札束をとり、拳銃を買います。そしてサーカス会場へ向かい、大車輪に細工をしてネグロを転倒させて怪我をさせます。
ベッドで寝ているネグロに拳銃を突きつけると、すでにネグロは頭を撃ち抜かれて殺されていました。別のトレーラハウスではペルー人の兄弟の片割れが、ネグロの手下どもを射殺していたのです・・・これでアンヘルの供述は終わりました。
聞いた刑事は「嘘を言うな、殺したのはお前だろうが!」と迫ります。その時、パルマが刑事に「奥さんが昼食に行こうと電話で言ってます」と言います。「30分遅れると言っておけ」と言い、刑事が署から出ます。するとパルマが「僕のお金を返せ」とマジックの続きの話をします。アンヘルが「もっとすごいのを見せよう」と言って、パルマの頭を瓶で殴ると、署を飛び出します。
そこにはオラシオとカルロタが『トレブランカ・サーカス』と書かれたバスで待っていました。全てオラシオが仕組んだもので、息を止める練習をしていた結果、海中の金庫から脱出したあとネグロを殺し、麻薬を奪って売りさばき、その金で自分たちのサーカス団を結成したのでした。
以上、映画「トリック 消えた男たち」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する