恋多き女の紹介:1956年フランス映画。「ゲームの規則」、「大いなる幻影」のジャン・ルノワールの演出でイングリッド・バーグマンがつややかに輝くカラー映画。19世紀末から20世紀初頭のフランスを舞台とした恋と政治的陰謀とドタバタのラブコメディ。
監督:ジャン・ルノワール 出演者:インドリッド・バーグマン(エレナ・ソロコフスカ)、ジャン・マレー(フランソワ・ロラン将軍)、メル・ファーラー(アンリ・ド・シュヴァンクール)、ジュリエット・グレコ(ミアルカ)
映画「恋多き女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋多き女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「恋多き女」解説
この解説記事には映画「恋多き女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋多き女のネタバレあらすじ:将軍の閲兵式
ポーランドの公女、エレナ・ソロコフスカ。爆弾好きの夫はハプスブルク家でなく自分の屋敷を爆破してしまって死に今は未亡人。彼女のおばである男爵夫人とパリで生活している。今日は革命記念日。音楽家のリオネルといっしょにピアノを弾いているが、海外で勝利を収めて帰国して大人気のロラン将軍の閲兵式に集まる人の騒ぎの方が気になる。リオネル作曲のオペラの上演が決まったという話にも驚かない。彼にはヒナギクを贈っていたからである。リオネルが結婚を申し込むが彼は彼女には用済みである。ところが、閲兵式をいっしょに見に行く靴製造業者のマルタン=ミショー氏との結婚をエレナは直ちに決めてしまう。おばの真珠がなくなったので自分自身しか彼女には売り物がないのだ。
閲兵式の人出の多さにマルタン=ミショーの馬車が動かない。歩き出したエレナは彼からはぐれ、人ごみに押されて左右に行ったり来たり。そのうちにロラン将軍の友人の若い伯爵、アンリ・ド・シュヴァンクールと知り合う。彼を通じてロラン将軍を権力の座につけようとする取り巻きたちと将軍その人に会う。エレナは将軍にヒナギクをあげる。それは彼女にとって成功のおまじない。その効果か、直後に陸軍大臣就任を打診する政府の使者が来てそれを将軍は受諾する。エレナとアンリはにぎやかな街で夜まで遊びつづけるが、アンリとかわす熱いキスにエレナは不安になる。ロラン将軍に反対する男とアンリがもめごとになったすきにエレナは帰ってしまう。
恋多き女のネタバレあらすじ:ヴィドバン大尉を解放せよ
フランスの軍用監視気球が隣国に落下し、乗っていたヴィドバン大尉が捕虜になるという事件が起きる。フランスではヴィドバンを奪還せよという世論が強まる。ロラン将軍擁立グループはこれをつかって将軍を大統領にしようと狙う。閲兵式以来将軍は「ポーランド女」のエレナに夢中。将軍擁立グループは権力への意欲が足りない将軍の説得をエレナに依頼しようとする。依頼する役はアンリに任せられる。一方、マルタン=ミショー家では父親とエレナ、息子ウジェーヌとゴム製造業者ゴダンの娘との同時結婚の準備が進められていた。だが、息子の方は婚約者をないがしろにしてエレナの小間使いロロットやエレナその人を追いかけまわし、家業を継ぐより二等兵になりたいと言い出す始末。そこへアンリたちが現れてエレナに将軍説得を依頼する。マルタン=ミショーも結婚より政治家とコネをつくって商売に役立てることを優先する。アンリとエレナは軍の演習場にもぐりこんで逮捕されロラン将軍に近づく。エレナは再びヒナギクをあげ、マルタン=ミショーの屋敷へ招待した。その晩、ロロットをロラン将軍の従卒とウジェーヌが共に追い回し、エレナへの気持ちを抑えられないアンリが将軍に決闘を挑む等の混乱の中エレナは将軍説得に成功する。将軍は下院議会でヴィドバン大尉解放要求の最後通告を求める。
恋多き女のネタバレあらすじ:外出禁止の将軍
ヴィドバンは解放されてロラン将軍の名声は高まる。一方でアンリとエレナは次第に親密になっていった。だが政府は将軍を警戒し、陸軍大臣を辞職させ地方に赴任させた。将軍擁立グループは再びエレナに将軍を説得させてクーデターを起こさせようと考える。将軍とエレナが密会する宿が用意される一方、将軍は外出を禁止される。将軍とエレナを近づけたくないアンリは、将軍の愛人のポレットと手を組む。密会場所近くに滞在する旅芸人の馬車にポレットを隠してもらう。 アンリから将軍外出禁止の情報を得たエレナとロラン擁立グループは小間使いのロロットにヒナゲシと将軍の従卒への連絡を託す。
恋多き女の結末:フランス国民は恋愛第一
エレナに会いたい一心の将軍は梯子をつかって密かに兵営を脱出して密会場所に着く。将軍には権力欲はないがエレナのためならと権力掌握を決意する。しかし、警察が密会場所をかぎつけて周囲を取り囲んでいた。将軍はあえて窓から姿を現して民衆に大歓迎されるが、脱出方法に困る。旅芸人の服を借りて外へ出ることになる。代わりにアンリが将軍の軍服を着る。将軍脱出の時間稼ぎのためのアンリのアイデアはエレナと彼がキスをしているところを見せて将軍は情事の最中と思わせること。二人の熱いキスに影響されて民衆もキスを始めだす。混乱のうちに外に出た将軍が旅芸人の娘ミアルカによって導かれた馬車で待っていたのは愛人のポレットだった。観念した将軍は彼女と、パリでなく南フランスへ行くことになる。二人は結婚することになる。ミアルカが歌い、それに誘われたように将軍擁立の陰謀は忘れ去られ皆がロマンティックな一夜を過ごす。もちろんアンリとエレナも。
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