エリザベスの紹介:1998年イギリス映画。16世紀のイングランド。混沌の中、25歳の若さで即位した女王エリザベス1世が、“ヴァージン・クイーン”になるまでの激動に満ちた半生を描いた歴史映画です。
娘時代から、ラスト・シーンの神々しいエリザベスまでを演じきったK・ブランシャットには脱帽します。第71回アカデミー賞では作品賞を始め7部門にノミネートされ、メイクアップ賞を受賞。2007年に同じ監督・主演で続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』も公開されています。
監督:シェカール・カプール 出演者:ケイト・ブランシェット(エリザベス1世)、ジョセフ・ファインズ(ロバート・ダドリー)、ジェフリー・ラッシュ(フランシス・ウォルシンガム)、クリストファー・エクルストン(ノーフォーク公)、リチャード・アッテンボロー(ウィリアム・セシル)ほか
映画「エリザベス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エリザベス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「エリザベス」解説
この解説記事には映画「エリザベス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エリザベスのネタバレあらすじ:起・宿命を生きる
ヨーロッパ列強国に翻弄される続ける、16世紀の小国イングランド。カトリックを捨てたヘンリー8世が、新教である国教会を打ち立てたことで、新旧の宗教抗争が絶えない不安定な状態です。ヘンリー8世が崩御後、女王に即位したカトリックの長女メアリーには世継ぎがないため、継承権は異母妹でプロテスタントのエリザべスとなります。メアリー女王により、エリザベスはロンドン塔に幽閉の身となります。しかし国の将来を案じた臣下が、エリザベスに政略結婚を進言するものの、当の本人は恋人ロバートと逢い引きを重ねています。病を患っていたメアリーが亡くなり、エリザベスは25歳で女王に即位します。
エリザベスのネタバレあらすじ:承・選択の連続
ロバートとの逢瀬を楽しむエリザベスの元に、敵国が軍を増援した一報が届きます。戦争を回避したいエリザベスでしたが、臣下達に押し切られ軍を派遣します。惨敗となったイングランドに敵国のスコットランド女王メアリは、行軍や止める替わりにエリザベスと甥アンジュー公との結婚を突き付けます。臣下に説得されエリザベスは仕方なく受け入れます。一方エリザベスは、自身の信仰プロテスタントで、国の信仰を統一することを宣言します。この宣言は、ローマ教皇やカトリック列強国にとって大事件となります。アンジュー公の歓迎の宴で、エリザベスの暗殺未遂事件が起こります。アンジュー公との結婚を急かす中、エリザベスはロバートが既婚者だと臣下から聞かされます。さらに、アンジュー公の女装癖を知り、エリザベスは結婚を拒否します。
エリザベスのネタバレあらすじ:転・苦渋の決断
カトリックを激怒させたエリザベスの前に、ヴァチカンの脅威が迫ってきます。エリザベスに会えないロバートは、侍女と体を重ねますが、毒が塗ってあったドレスで侍女は死にます。侍女が着ていたエリザベスのドレスは、敵国からの贈り物です。エリザベスの腹心ウォルシンガムは、カトリック側と通じているスコットランド女王のメアリを暗殺します。次に国内貴族ノーフォーク公はじめ、カトリック派を一気に捕縛、処刑します。陰謀に加担していたロバートに関してエリザベスは、自身の戒めのために彼を生かしておくことにします。その後ロバートとは絶縁します。
エリザベスの結末:無垢になる
国家の危機が去り、エリザベスはウォルシンガムから、人は偉大なものを崇めたいのものだと聞きます。エリザベスは侍女に髪を切らせ、顔には白い化粧を塗り、カツラをかぶります。神々しいエリザベスに、臣下達はひざまずきます。国家との結婚を誓ったエリザベスは“ヴァージン・クイーン”となります。イングランドは世界最強国となり、エリザベスが統治した40年余りの年月は、後にゴールデン・エイジと呼ばれるようになります。
以上、映画エリザベスのあらすじと結末でした。
ケイト・ブランシェットの人間ぽくないというか、人形のような顔立ちが神格化したエリザベス一世の雰囲気をよく伝えていて、迫力のある映画です。
と、同時に即位するまでの間の一人の女性としての苦悩や王として生きる決断をした過程が丁寧に描かれていて歴史の勉強にもぴったりだと思います。