エリン・ブロコビッチの紹介:2000年アメリカ映画。大手企業PG&Eの水質汚染について訴訟を起こし、法律関係に素人にもかかわらず、史上最高額の和解金を勝ち取った実在の人物エリン・ブロコビッチの奮闘を描いた映画。
監督:スティーヴン・ソダーバーグ 出演:ジュリア・ロバーツ(エリン・ブロコビッチ)、アルバート・フィニー(エドワード・L・マスリー)、アーロン・エッカート(ジョージ)、マージ・ヘルゲンバーカー(ドナ・ジェンセン) 、トレイシー・ウォルター(チャールズ・エンブリー)、ほか
映画「エリン・ブロコビッチ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エリン・ブロコビッチ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「エリン・ブロコビッチ」解説
この解説記事には映画「エリン・ブロコビッチ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エリン・ブロコビッチのネタバレあらすじ:起
3人の子供を持つシングルマザーで無職のエリン・ブロコビッチは、職探し中です。面接に落ちた帰り、追突事故に巻き込まれまれ、むち打ちになります。相手に落ち度があるため勝てると弁護士エドワードに言われ、訴訟を起こしますが、裁判でエリンが怒りにまかせ暴言を吐き、裁判に負けます。貯金も尽きたエリンは、エドの事務所に押しかけ、強引にアシスタントとして働き始めます。隣に引っ越してきたジョージが、エリンの子供たちのシッターをしてくれることになります。
エリン・ブロコビッチのネタバレあらすじ:承
ある日、書類整理をしていたエリンは、ドナの家の買取り調査資料に興味を持ち、ドナの家を訪問。体調の悪いドナの家族全員の精密検査代をPG&E社が全額払っている事を知ります。不審に思ったエリンはPG&E社の工場で使用されているクロム金属を調べるために、水道管理局を訪れ、人体に悪影響を及ぼす6価クロムが工場で使用されている事を突き止めます。エリンが職場に戻ると、無断欠勤と思われていて席が無くなっていました。激怒して帰宅したエリンをジョージが慰め、2人は愛し合います。
エリン・ブロコビッチのネタバレあらすじ:転
その後、誤解が解けエリンは職場に復帰、エリンとエドは証拠資料をPG&E社へFAXします。PG&E社の弁護士がドナの家の買取価格を連絡してきますが、医療費がカバーされていないためエドは拒否、訴訟を起こすことになります。エリンが近辺の家を訪問してみると、健康を害している住民が多い事が分かり、原告団が増えます。証拠集めに奔走するエリンは子供と接する時間が減ります。いつも子守を押し付けられるジョージは、限界だ、と出て行きます。エドは訴訟に強い弁護士カート・ポッターの助けを得ることに成功します。
エリン・ブロコビッチの結末
ポッターから、裁判を調停にしようと提案されます。最初は反対したエリンでしたが、裁判が長期化すると、今支援が必要な人が亡くなる可能性もあるため、エリンも調停にするために、原告団を説得して回ります。そんな中ジョージが戻ってきます。エリンも彼に謝ります。エリンはバーで知り合った男から、本社が工場の不始末を知っていたという証拠書類を手に入れます。そして和解が成立、和解金は3臆3300万ドル、ドナには5000万ドルが支払われることになりました。エリンもエドから200万ドルもボーナスをもらいます。今日もエリンはエドとともに、訴訟に奔走しています。
「エリン・ブロコビッチ」感想・レビュー
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カリフォルニア郊外に住む3人の子持ちのシングルマザー、エリン。ある日の事、車にぶつけられる交通事故に遭ってしまうが、過失がないにもかかわらず裁判で負けてしまう。加害者が医者であり、社会的信用度の高さが敗因だったのだ。元ミス・ウィチタの威信にかけ、エリンは担当弁護士のエドに自分を雇うように持ちかける。法律事務所で働き出したある時、訴訟の書類に健康診断書が紛れ込んでいる事に気付く。何かが怪しいと感じたエリンは、勝手に調査を開始し、ついに大手企業が放流する六価クロム問題を暴き出す。エリンの暴走ぶりに時に頭を悩ませながらも、エドは調査に協力し地元住民と共に闘う事を決意したのだった。存命である実在女性をモデルに実話を元にして、当時脂ののってきたスティーブン・ソダーバーグが監督した作品。ジュリア・ロバーツがナイスバディを武器に、人並外れた好奇心と熱い正義感でもって、狭い法曹界の壁や凝り固まった常識をぶち破ってゆく痛快サクセスストーリーは、ある意味アメリカならではであるけれど、30代の女性であれば国籍民族問わず、誰しもが感じるような壁や社会の不条理も描かれており、彼女のひたすらポジティブな姿勢に心打たれ、いつしか元気と勇気を貰える事間違いなし。シェリル・クロウによるテーマ曲、『エヴリデイ・イズ・ア・ワインディング・ロード』も耳に心地よく残る。
実在の人物であるエリン・ブロコビッチをジュリア・ロバーツがキュートに演じています。ちなみに本物のエリンも映画の中でこっそり出演しているので、どこでどんな登場の仕方をしているのかを探しながら観るという楽しみ方もあります。主人公のエリン・ブロコビッチという女性は時たま少々下品でセクシーすぎて、おまけに頻繁にかんしゃくを起こし怒りまくって怒鳴りまくしたてるので、実際に身近にいたら偏見のまなざしで見てしまうかもしれません。でも、映画の中では彼女の本質がジュリア・ロバーツの見事な演技で表現されていきます。見た目だけでは敬遠されがちな彼女の中に秘められた熱い正義の心、それが多くの人々を救うこととなります。エリンが子を持つ母だったことが被害者の心に寄り添うきっかけともなったのだ、ということが伝わるエピソードもあり、脚本の巧みさも感じます。