ファーゴの紹介:1996年アメリカ映画。雪の降り積もるファーゴの街で殺人事件が起きた。担当となった刑事のマージはすぐに捜査に取り掛かる。彼女の見事な推理は犯人の行動だけでなくその周りも様子も読み取った。そしてある車のディーラーの元へと辿り着く。そのディーラーはマージの知らない所で妻を誘拐されていた。さらに新たな殺人事件が発生してしまう。その年のアカデミー賞で2冠を達成したコーエン兄弟製作によるブラックコメディ。
監督:ジョエル・コーエン 出演:フランシス・マクドーマンド(マージ・ガンダーソン)、スティーヴ・ブシェミ(カール)、ウィリアム・H・メイシー(ジェリー・ランディガード)、ピーター・ストーメア(グリムスラッド)、ほか
映画「ファーゴ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファーゴ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ファーゴの予告編 動画
映画「ファーゴ」解説
この解説記事には映画「ファーゴ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファーゴのネタバレあらすじ:起
自動車販売営業担当のジェリーは、投資などによる多額の借金がありました。どうにもしようがなくなったジェリーは、ジェリーの妻ジーンの父親で大富豪のウェイドにお金を借りようとしますが、金に厳しいウェイドに断られてしまいます。
そこで、追い込まれたジェリーは妻のジーンを狂言誘拐し、ウェイドから身代金をもらうという恐ろしい計画を思い付きました。
実行役として、カールとゲアという2人のチンピラを紹介されたジェリーは、ノースダコタのファーゴの酒場で実行する計画を練り始めます。まずはカールとゲアがジーンを誘拐します。そしてジェリーが身代金8万ドルを要求されているとウェイドに伝え、身代金と引き換えにジーンを解放します。その身代金をジェリーら3人で山分けするという計画です。
計画は実行されることになり、カールとゲアはジェリーの家に押し入ってジーンを誘拐。車の後部座席にジーンを押し込み、車を走らせます。しかしナンバープレートをつけ忘れるという痛恨のミスをしてしまったがために、怪しい車両だと警察に呼び止められてしまいました。
ジーンが見つかってしまうと計画が丸つぶれになってしまう。そう考えたカールとゲアは、車両を調べようとする警官を撃ち殺してしまいます。そして逃げようとしたときに、それを目撃してしまった運転中の若者を追いかけて殺害してしまいました。
ファーゴのネタバレあらすじ:承
翌朝、この殺人事件を担当するために臨月も近い妊婦の女性署長マージが動くことになりました。丁寧な聞き込みで捜査を進めていきます。そしてマージは殺害された警官が持っていたメモから、犯人が逃走に使用した車を洗い出し、その車をモーテルで発見することが出来ました。
早速調査が入り、そのモーテルからジェリーの会社のメカニックであるシェプに連絡していたこと、使用された車がジェリーの会社を携わってのものだったことから、捜査の目はジェリーに向かってしまいます。
マージはジェリーに聞き込みに行くと、予想外の展開に必死で誤魔化すジェリー。その中途半端な態度は、マージが疑惑の目を向けるには十分の材料となります。
怪しまれたものの、どうにかマージからの聞き込みを乗り切ったジェリーは、当初の計画通り事を進めようとします。ジーンを誘拐したと犯人から連絡が入り身代金を要求されたとウェイドに伝えます。警察に連絡しようとするウェイドを引き留め、身代金を払うべきだとジェリーは提案しました。
ミスしてしまった焦りから正常な判断が出来なくなっていたカールは、ジェリーに報酬を上げるように要求します。同様に、狂ってしまったプランを立て直すのに焦っていたジェリーも、ウェイドに身代金を100万ドル要求されたと伝えてしまいます。
ファーゴのネタバレあらすじ:転
ウェイドは素直に身代金100万ドルの支払いに応じますが、元よりジェリーの事を信用していなかったウェイドはジェリーに任せる事はせず、自ら身代金を持って犯人と交渉するために、単身向かう事にしたのです。
交渉場所にやってきたのはジェリーではなくウェイドでした。またしても予定が変わってしまったことにカールは怒りを表します。「ジーンを解放してからでないと金は渡さない。」ウェイドは強気の姿勢を崩しません。
その姿勢についに逆上してしまったカールはウェイドを撃ち殺してしまいました。そしてウェイドが持ってきた大金を持って逃げてしまうのです。
遅れて交渉場所にやってきたジェリー。そこにはすでに息耐えたウェイドの死体だけがありました。このままでは計画が警察にばれてしまう。そう考えたジェリーはウェイドの死体を車に積み、その場を立ち去ってしまいました。
その頃、カールは身代金が8万ドルではなく100万ドルあることを知ります。そしてそれを一人占めしようと企んだカールは、大金の入ったスーツケースを道中の雪の下に隠してしまったのです。
アジトに戻ったカールは、ゲアがジーンを殺害してしまった事を知ります。これで計画は完全に破綻してしまったのです。戸惑ったカールでしたが、当初の計画通り事前に100万ドルから抜いていた8万ドルをゲアと山分けすることにしました。しかし今回使用した車をどちらがもらうかで口論になり、ゲアは斧でカールを殺害してしまいます。
ファーゴの結末
マージはもう一度ジェリーに聞き込みに行こうとジェリーの元にやってきました。マージはジェリーを疑っているので、ジェリーが何か隠している前提で話をします。ジェリーは次第に誤魔化しが効かなくなり、居たたまれなくなってしまい、マージの目を盗んで逃げ出してしまいました。
ジェリーとウェイドの行方を部下に探させることにしたマージは、湖に変な顔の男がいるとの情報を聞きつけ湖に向かいます。
湖に到着したマージ。そこには小屋がありメモに記された特徴と類似する車が停めてありました。ゆっくりと小屋に近づくマージ、そこでマージはとんでもない光景を目にしてしまいます。それはカールを殺害してしまったゲアが、カールの死体を木材粉砕機で処分しようとしていたのです。
目を覆いたくなるような光景でしたが、マージは落ち着いてゲアに近づきます。完全にパニックになってしまったゲアはその場から逃走しようとしますが、マージがゲアの足を撃ち逮捕となりました。
その後、小屋の中からジーンの死体も発見されます。警察に送られる道中で、マージはゲアに何故こんなことをしたのかを問いましたが、ゲアは黙って何も答えませんでした。その後、逃亡していたジェリーも逮捕され、事件は無事解決となります。
いつもの日常に戻ったマージ。夫のノームが描いた絵が切手の絵柄に選ばれた事を知り、嬉しそうです。あと2ヵ月で子供が生まれるマージとノームは幸せそうに肩を寄せあっています。
以上、映画「ファーゴ」のあらすじと結末でした。
映像が印象的。
一面の銀世界で木材粉砕機が血しぶきを噴き上げている場面は、凄惨で美しく、あり得ないって感じでなんか笑ってしまった。
登場人物がことごとく愚かしい行動をとって、悪い方向にしか物事が進まない。
切れ者だけどどこかとぼけている妊婦、マージ刑事と旦那の家庭だけは、あの映画でほのぼのとしていて救いです。