ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言の紹介:2020年アメリカ, イギリス映画。1930年代にドイツで政権を奪取したナチス党は、ヒトラーの指導によりドイツ民族は優秀だという国民教育をはじめます。その一方で反ユダヤ政策を過激化させ各地にユダヤ人収容所を建てます。1939年の第2次大戦開始後は多くのユダヤ人やヨーロッパ人が殺されます。本作はかなりの高齢となったナチス世代のドイツ人と収容所の目撃者が語るドキュメンタリー映画です。
監督:ルーク・ホランド 製作総指揮:ジェフ・スコール、ダイアン・ワイアーマン、アンドリュー・ラーマン、クレア・アギラール
映画「ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言」解説
この解説記事には映画「ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファイナルアカウント第三帝国最後の証言のネタバレあらすじ:起・ナチスによる教育
1930−40年代のユダヤ人強制収容所。当時の関係者は、少年時代にナチス賛美の歌を歌わせられたと回想します。別の証言者は、飛行機で空からユダヤ人収容所を見たと言います。
あるドイツ人女性は、ナチス世代の父を訪れます。彼女は、父の持つ古いナチス時代の文書を見ます。それは血の勲章と呼ばれる1923年のミュンヘン一揆というナチスによる反乱の参加者への勲章に関する文書でした。
証言者たちは1930年代からの、ナチスから受けた教育を回想します。ある証言者はナチスは1933年の政権奪取以来、子どもたちにナチズムを教えたと言います。彼は少年時代に渡されたヒトラーユーゲントと呼ばれるナチスの少年組織の手帳を見せます。
ナチスの教育は少女たちにも及びます。彼女たちはスポーツを楽しみ、ナチスの歌を歌ったと回想します。彼女たちはいまでも、ナチスの歌を歌えると言います。映画はナチスの旗を持ち、町をパレードする軍と少女たちの映像が流れます。
ファイナルアカウント第三帝国最後の証言のネタバレあらすじ:承・ユダヤ人への攻撃
ナチスの政策にユダヤ人虐殺がありました。証言者は1933年のナチス政権樹立以来の反ユダヤ政策を語ります。証言者は、学校教育ではユダヤ人は諸悪の根源と教えられ、反ユダヤ人の映画が村で上映されたと言います。ユダヤ人の収容所も建てられ虐殺も始まりましたが、このことを語るのは難しかったと証言します。
1938年には水晶の夜と呼ばれる、ユダヤ人への攻撃が起こります。ユダヤ人の商店などが破壊され、ユダヤ教の施設も焼かれてしまいます。映画はヴェーナー市に1829年から1938年まで存在したユダヤ教寺院とコミュニティの跡地の映像を流します。
SSと呼ばれる、ナチス親衛隊は、ユダヤ人迫害の先頭にたちました。証言者はSSに入隊したが、純血ドイツ民族であることを証明しなければならなかったと言います。ある証言者は、自分にはユダヤ人の祖先がいたが、それを隠さなければならなかったと言います。
映画は各地のユダヤ人強制収容所の跡地を紹介します。収容所に配属されていた証言者たちはユダヤ人への強制労働、拷問、虐殺について語り始めます。証言者の一人は、ユダヤ人への迫害について罪の意識は感じていなかったと、振り返ります。
ファイナルアカウント第三帝国最後の証言のネタバレあらすじ:転・ユダヤ人絶滅政策
映画は証言者により各地のユダヤ人収容所とユダヤ人の様子が語られます。経理担当であったという女性は、ユダヤ人がひどく扱われる様子を見たと言い、経理ではなにもできなかったと言います。証言者の一人は、大企業もユダヤ人を強制労働でこき使い利益を得ていたと言います。証言者は逃走したユダヤ人が逃げて、捕まった話をします。
1939年のドイツ軍の東ヨーロッパ侵攻後には、占領地も増えユダヤ人収容者と施設も増えていきます。現在のポーランドにあるアウシュヴィッツもその一つ。証言者は、アウシュヴィッツに鉄道輸送されるユダヤ人のことを回想します。証言者はユダヤ人が焼かれる臭いが、遠くまで来たと回想します。
ドイツに占領されていたオーストリアでは、女性たちが当時のことを語ります。彼女たちは、当時は収容所のことは極秘で、多くを語れなかったと言います。しかし、ユダヤ人収容者を目撃した女性もいて、彼女はユダヤ人は殴られ死ぬまで働かせられたと言います。その収容所もアメリカ軍に解放され、収容者たちは歓喜の声を上げたと言います。
SSであったという証言者は「敵と戦っただけ、後悔はない」といいます。別の証言者はSSは無慈悲で、東ヨーロッパで家を焼き逃げ命乞いする人を撃ち殺したと話します。
ファイナルアカウント第三帝国最後の証言の結末:元軍人の本音と現代ドイツ人
元ドイツ軍人と若い学生の討論会が行われます。元軍人は、戦争犯罪は恥じるが、国のために戦ったことは恥じていないといいます。若い学生は泣き出し、元軍人は泣く学生に怒ります。若い学生は、元軍人の言うことがよく理解できない様子。元軍人と学生は口論になります。
ある証言者はユダヤ人が六百万人殺されたというのは冗談といい、百万くらいだろうと言います。ある証言者は、上からの命令には逆らえなかったといいます。多くのドイツ人は、戦後はナチスのメンバーであったことを隠したと言います。
ある証言者は今でもヒトラーを尊敬しているといい、彼のしたことは正しい、しかし、ユダヤ人絶滅政策は間違いでユダヤ人はドイツから追い出せば良かったと語ります。
メルケル元首相の言葉「六百万人のユダヤ人の大量虐殺は、ドイツの名のもとに行われ、言葉では言い表せない苦しみをユダヤ人にもたらしました。ユダヤ人虐殺により、私達ドイツ民族は恥ずかしさでいっぱいです。私は、犠牲者の前で頭を下げます。また、生存者と彼らを助けた人たちにも頭を下げます。」
以上、映画「ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言」のあらすじと結末でした。
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