魂のゆくえの紹介:2017年アメリカ映画。ニューヨーク近郊にあるとある古い教会は、今では信者も少なくなり、牧師はアルコール中毒に悩み健康も悪化の一途です。ある日、一人の女性信者から、夫の過激な環境問題への考え方について相談を受けたことから、その牧師は地球の環境問題と大企業や政治家の関係に、宗教的観点から疑問を持つことになり、牧師は社会正義実現のために、ある決断をすることになります。『魂のゆくえ』はキリスト教と環境問題のストーリーで、キリスト教徒ではなくても宗教問題と環境問題などについて考え学ぶことのできる作品になっています。
監督:ポール・シュレイダー 出演:イーサン・ホーク(トラー牧師)、アマンダ・セイフライド(メアリー)、セドリック・カイルズ(ジェファーズ)、ヴィクトリア・ヒル(エスター)、フィリップ・エッティンガー(マイケル)、ほか
映画「魂のゆくえ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「魂のゆくえ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
魂のゆくえの予告編 動画
映画「魂のゆくえ」解説
この解説記事には映画「魂のゆくえ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
魂のゆくえのネタバレあらすじ:起・トラーの悩みとメアリーの夫の過激な思想
トラー(イーサン・ホーク)はニューヨーク近郊のファースト・リフォームド教会の40代の牧師です。教会は250年もの歴史があり、オランダ移民により始められた教会ですが、今日では礼拝に訪れる人も減っています。信者のメアリー(アマンダ・セイフライド)は妊娠中ですが、夫マイケル(フィリップ・エッティンガー)の件でトラー牧師に相談を持ち掛けます。マイケルは環境活動家で、極端に環境保護活動に影響されているとのことで、トラーはマイケルと会うことにします。
メアリーとマイケルの家を訪れたトラーは、マイケルから地球環境の危機について聞かされます。地球の行く末に悲観しているマイケルは、生まれてくる子供がかわいそうだから中絶を考えていると話しますが、トラーは自らの子供をアメリカ軍に入隊させたものの、イラクでの戦争で命を失ったことを話し、命の大切さをマイケルに教えます。帰宅したトラーは酒を飲みますが、トイレで自身の健康悪化を感じます。トラーは歴史あるファースト・リフォームド教会の250周年記念イベントの準備中でもあります。トラーは彼の教会を所有する大きな教会のアバンダント・ライフのジェファーズ(セドリック・カイルズ)と、教会設立250周年記念の件で会議を持ちます。大物政治家や大企業の関係者の参列もあるというイベントで、ジェファーズは楽しみですが、トラーは嬉しそうに見えません。
魂のゆくえのネタバレあらすじ:承・マイケルの自殺とトラーの健康悪化
トラーはジェファーズとの会議の後、アバンダント・ライフの職員で前妻のエスター(ヴィクトリア・ヒル)に会いますが、ジェファーズが大物と金ばかり気にしているため、自らの健康について本音を言います。
トラーはメアリーから至急のメッセージを受け取り、彼女の家を訪れます。トラーがそこで見たのはマイケルが買った爆発物とベストでした。メアリーはマイケルの自殺とテロを心配します。トラーは家に帰りますが、嘔吐し健康のさらなる悪化を感じます。トラーはマイケルが会いたいと言うので公園に向かうと、雪の中でマイケルの自殺死体を見つけます。
トラーは悲しみのメアリーの元を訪れますが、マイケルの机の上にトラー宛ての遺書を発見します。トラーはマイケルの死にショックを受け、教会の仕事も集中できません。マイケルの遺言通り産業廃棄物の処理場で、寒い中マイケルのささやかな葬儀が行われます。子どもたちが歌う中、メアリーはマイケルの遺灰を海に葬ります。
魂のゆくえのネタバレあらすじ:転・トラーの疑念とメアリーとの関係
トラーとジェファーズは、大企業バルク社の社長であるバルクと、ファースト・リフォームド教会の250周年記念イベントのミーティングをもちます。バルクはこのイベントに政治問題と環境問題を持ち出さないことを要求します。ジェファーズは同意しますが、トラーは納得がいきません。トラーは「そういうことを神は許すのか?」と宗教的な疑問を提起しますが、バルクは不機嫌になります。
メアリーは出産を決意し、トラーと自転車に乗って気分転換し、マイケルの思い出を語ります。
トラーはマイケルの遺品にあったパソコンに残されていた、環境問題に関する様々な情報に目を通していた。その中にはバルク社に関する記事もあった。そこから、バルク社の環境破壊を隠すための政治献金や、教会への多額の寄付に関する情報をトラーは知ることとなる。
トラーの健康は悪化し、飲酒のため胃ガンが疑われ、医師より禁酒を勧告されます。前妻エスターは彼を心配しますが、トラーは「ほっといてくれ」と怒ります。トラーは自爆テロを考え始め、マイケルの遺品にあった自殺用の爆発ベストの使用法を調べます。メアリーはトラーのもとを訪れ、悩みを打ち明けます。メアリーはマイケルとやっていたという体を寄せて二人で空中浮揚する、”マジカル・ミステリー・ツアー”という儀式をトラーと行い、想像の世界の美しい地球と環境破壊の汚れた世界を漂います。
魂のゆくえの結末:トラーの自爆テロ決意とメアリー
トラーは自爆ベストを体につけ、自爆テロの準備をはじめます。トラーはバルクの工場に行きます。バルクの工場では偽善的に同社がいかに環境保護に力を入れているかが話されますが、トラーはここでは何もしませんでした。トラーは250周年記念イベントの件でジェファーズと会います。ジェファーズはトラーの健康を心配して禁酒を勧めますが、トラーはアバンダント・ライフとバルク社の関係を批判します。ジェファーズは「トラーは現実を見ていない、お前の教会は礼拝者はほとんどいないではないか」と反論します。二人は議論しますが、トラーはイベントに参加することには合意します。
250周年記念のイベント当日、バルクや大物政治家が参列しますがトラーは見当たらず、ジェファーズが心配します。トラーは別室で自爆用ベストをつけて、イベントでの自爆テロを決行しようとします。しかし、トラーは遠くからメアリーの姿を見ると気が動転します。トラーはベストを脱いで、有刺鉄線で処刑前のイエス・キリストのように体中を血だらけにし、毒物を飲んで自殺する準備をします。そこへメアリーが訪れます。トラーとメアリーは激しくキスをして、トラーは生きる希望を持ったようです。
以上、映画「魂のゆくえ」のあらすじと結末でした。
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