ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!の紹介:2011年/アメリカ作品。バレエコンクールの中でも比較的新しいユース・アメリカ・グランプリ。バレエダンサーを目指すファイナリスト達とその家族に迫る。
監督:べス・カーグマン 出演:アラン・ベル、ミケーラ・デ・プリンス、レベッカ・ハウスネット、ジョアン・セバスチャン・ザモーラ、ミコ・フォーガディ
映画「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ファーストポジション 夢に向かって踊れ!の予告編 動画
映画「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」解説
この解説記事には映画「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!のネタバレあらすじ:若い才能、それぞれの理由
ニューヨークのファイナルの開場にある丸バレエダンサーを目指す者たち。舞台袖、楽屋、すでにお互いに値踏みが始まっている。アラン、レベッカ、ジョアン、ミコとその弟、ミケーラの6人をクローズアップしていく。アランはイタリア北部に住む男の子。男の子らしいおもちゃに混じって足をストレッチする補助器具を見せてくれる。床の上でターンの練習をする姿はすでにダンサー父親が米軍の医療チームであるため引越しが多いのが悩み。レベッカは高校生活を満喫しながらバレリーナを目指している。高校生らしい思い出として見せてくれたのはチアリーディングの写真。バレエにはお金がかかるとは、彼女の両親の言葉。コンテンポラリー用の振り付け師を雇ほど裕福。ミコは日本人の母親とアメリカ人の父親のハーフ。母親は完璧主義なのか、ミコがバレエを習い始めると自分はバレエについて勉強を始める。父親はミコのレッスンのために会社を引越しするほど。いわく、土日も練習に励む彼女は自分たちよりも勤勉。そんなミコはレッスンの時間をより多く取るために学校には通わずに自宅学習をしてる。友達に寂しいこともあるけれど、12歳だがすでに自分の未来をきっちり見据えている。弟と同じ舞台に立つのが夢。ジョアンはコロンビアから奨学金で言葉も分からないアメリカに単身でやって来た。バレエダンサーとして成功するのは家族のため。コロンビアには成功できる場所がないのでアメリカへ。電話で母親は彼に必ず成功して、稼いでという。ミケーラはシエラレオネの内戦で両親を殺され、孤児院にいるところ、アメリカ人夫婦の妹と養女になった。首に白斑がありそれを忌み嫌われてなかなか養父母が見つからなかったが、その話を聞いたアメリカ人夫婦は姉妹揃って引き取る事にしたという。ミケーラがバレリーナを目指すのは、孤児院で見た雑誌の表紙のバレリーナに憧れたから。彼女は自分の外見(黒人であること、筋肉質であること)を裏切りたい。古典バレエを繊細に踊るダンサーになりたい。
ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!のネタバレあらすじ:ユース・アメリカ・グランプリへの批判
劇団やバレエ学校からのスカウトも扱うこの大会には批判も多い。しかしそれは、若いダンサーの活躍の場を考えていない人の意見だと、開催側は言う。ダンサーを減らしている今日では、バレエダンサーになるのは厳しい。しかしこの大会は劇場側からのスカウト、つまりプロ契約をすることで新しい人材が踊れる場所を作る。予選は15カ国。17歳まで5000人の応募者がたった5分で自分をアピールする。また予選でもレベルの高い所へは各劇場の視察が入る。ファイナルにいけるのは200名。
ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!のネタバレあらすじ:バレリーナの食事と怪我、偏見
ミコは食事制限をしている。ミコの母親も、ぽっちゃりになったら困ると言って特に乳製品には気をつけている様子。一方でレベッカやジョアンは踊るにはエネルギーが必要と言って食事制限は特にしていない様子。
個々でバレエへの偏見が語られる、特に男子に関しては未だに偏見が消えない。ジョアンは自分の国で踊っている男がいたら狂人とみなされてしまう、だからダンサーとして成功する事は出来ない。それに対してミケーラはバレエはアスリートと同じくらいハードでストイックだと言う。常に怪我にさらされる点も同じ。バレエシューズを脱いだ足は傷だらけ。指導者の一人、腱を痛めることや骨折などは練習をしたい盛りの子には辛いと思う、こちらは休ませようとするが、練習を始めてしまうから完治が遅くなると嘆く。そんなミケーラはファイナル直前にアキレス腱を痛めてしまう。
ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!の結末:予選、そしてファイナルへ
世界各地で予選が行われる。アランはイタリアで予選を受け、イスラエルから参加したガヤとファイナリストに選ばれる。ミコは初めて舞台で転ぶという経験をするが、すぐに立て直して踊りを続け、ファイナルへ。ミコの先生はこの予選でミコの収穫は舞台で転ぶ事だと転んでも踊り続けた彼女を誉める。ミコの弟ジュールズは最年少と言う事でファイナルへの特別枠をもらうが、バレエをやめてしまう。一番悲しんだのは母親だった。他の面々もファイナルへコマを進める。
ファイナルのためにニューヨークへ面々が集まってくる。それぞれ衣装を作るための布を買いにいったり、ショッピングをしたりして楽しむ子もいる。
アキレス腱を心配していたミケーラは、本戦でジャンプをするのをやめようとするが、見事に踊った。他の面々もそれぞれに踊る。ジュールズの姿は無かった。
幼少クラスでアランは優秀舞踏賞を、ジュニアクラスでミコは最年少でブロンズをもらう。ミケーラは賞こそもらわなかったが、アメリカのバレエスクールへのスカラシップを手にする。シニアクラスになるとスカウト・プロ契約することがある、レベッカはスカウトを狙っていたが、どこからも声はかからなかった。ジョアンは念願のイギリス・ロイヤルバレエ学校のスカラシップをもらい、コロンビア出身者として始めての生徒となる。レベッカには二ヵ月後、ワシントンバレエ団からスカウトが来る。ジュールズはバレエを辞めた代わりに、ハーバードかMITに入るように勉強しなさいと山ほど参考書を沙汰される。アラン、ガヤ、ミコ、それぞれ新しい演目や、練習に日々取り組んでいる。
ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!について:踊りたいという情熱
審査をしているバレエ団やバレエ学校が共通して言うのは、バレエを踊りたいという情熱があること。本作には、バックグラウンドも人種も考え方も違う応募者たちが出てくる。憧れであったり、家族のためであったりとの理由は様々である。印象的だったのは「努力は評価されない」と言う点。舞台の上でのアピールが全て。結果主義と言ってしまえばそれまでかもしれないが、舞台で転んでその後踊れないまま舞台を去る応募者もいれば、ミコのように転んだ後すぐに立て直す者もいる。それは、普段の努力の賜物だろうと思うので、一概に結果主義とも言えないと思っている。出演者は年少の者いるが子ども扱いをせず、公平に取っているドキュメントのスタイルは見ていて好ましい。
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