屋根裏部屋の花たちの紹介:1987年アメリカ映画。幽閉された子供達の恐怖と怒り、そして復讐を描くサスペンス・ミステリー。父親を亡くしたキャシーは、家族と一緒に母コリーンの実家に身を寄せることになった。しかし祖母から忌み嫌われ、コリーンと引き離されたキャシー達は幽閉されてしまう。きっとコリーンが助けてくれると辛抱するが、次第に母の心は遠ざかり、子供達には疑惑と死の恐怖が忍び寄る。原作はV・C・アンドリュースの同名小説。
監督:ジェフリー・ブルーム 出演者:ヴィクトリア・テナント(コリーン)、クリスティ・スワンソン(キャシー)、ルイーズ・フレッチャー(祖母)、ジェブ・スチュアート・アダムス(クリス)、ベン・ギャンガー(コリー)ほか
映画「屋根裏部屋の花たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「屋根裏部屋の花たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「屋根裏部屋の花たち」解説
この解説記事には映画「屋根裏部屋の花たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「屋根裏部屋の花たち」のネタバレあらすじ:幽閉された子供達
舞台は1950年代のアメリカ。キャシーは仲の良い家族に囲まれ、幸せな毎日を送っていました。尊敬する両親と、医者志望で優しい兄クリス、そして双子の弟妹コリーとキャリー。特に父親はキャシーを一番に愛してくれました。ところが父の急逝でキャシーの幸せは崩れ去ってしまいます。母コリーンは生きるために家を手放し、17年帰っていなかった実家に身を寄せることにしました。コリーンはある事情で父親を怒らせてしまい、相続権を奪われています。キャシー達にとって祖父となるその人物は、病気でもう長くないだろうと言われていました。コリーンは彼の愛を取り戻して遺産を手に入れようと計画し、子供達にも協力して欲しいと話します。汽車を乗り継いでたどり着いたコリーンの実家は、広大な土地に建てられた大豪邸でした。母子を出迎えたのはコリーンの母、キャシー達にとっては祖母にあたる人物です。彼女は不機嫌そうに階段を上がり、部屋に案内しました。祖母は「私が決めた規則に従うのよ」と冷たく言い放ちます。そしてコリーンと子供達を引き離し、子供達の部屋には外から鍵をかけると告げました。全く歓迎されていないことに戸惑いや反発を見せるキャシー達。コリーンは子供達を励まし、祖母と一緒に部屋を出ていきます。ドアには鍵がかけられ、窓には格子が下された部屋で、キャシー達は幽閉されることになってしまいました。
「屋根裏部屋の花たち」のネタバレあらすじ:辛い日々
子供達の食事は使用人のジョンが部屋まで運び、祖母がセッティングします。祖母は17年前、コリーンに何があったか暴露しました。コリーンは叔父と結婚したのです。近親婚の結果産まれたキャシー達を「不浄の子供よ」と吐き捨てる祖母。祖父には存在自体知らせていないそうです。コリーンは祖母から鞭打ちの罰を受けても、子供達のために歯を食いしばって耐えていました。動揺するキャシー達を励まし、部屋のクローゼットに屋根裏部屋へ通じる階段があることを教えるコリーン。屋根裏部屋をせめてもの慰めに使うことを勧め、部屋から出ていきました。クリスはコリーンを心の支えにしていましたが、キャシーだけは少しずつ疑惑を抱くようになります。翌日、子供達は早速屋根裏部屋へ行ってみました。長い間放置されていたらしい屋根裏部屋は、埃や蜘蛛の巣を被った高価な品がたくさん眠っています。驚くほど広い部屋に子供達は喜びますが、窓には頑丈な鉄格子が嵌められていました。子供達は協力して屋根裏部屋を片付け、過ごしやすいように変えていきます。
「屋根裏部屋の花たち」のネタバレあらすじ:変化
数ヵ月後。キャシー達は未だ幽閉されたままでした。コリーンが部屋に来る回数は減り、ついに来なくなってしまいます。そんな折、子供達はまた祖母の怒りを買ってしまいました。子供達に与えられたベッドはふたつ。祖母からは同性同士で使うようきつく言われていたのですが、キャリーがコリーと一緒に眠りたがるため、仕方なくキャシーはクリスと同じベッドを使っていたのです。それが祖母にばれてしまいました。身の危険を感じたキャシーとクリスは、まずコリーンを捜して相談することにします。深夜。双子が眠った後、キャシーとクリスは慎重に屋根裏部屋の鉄格子を外し、ロープを使って降りようとしました。しかし番犬に気付かれてしまい、失敗。2人は計画を中止するしかありませんでした。翌日、騒動を知ったコリーンが久しぶりに訪ねて来ます。彼女は「私の… 私達の計画を壊さないで」と言い出しました。クリスはコリーンを信じて擁護しますが、キャシーは不信感を強くします。その夜、入浴中のキャシーにクリスが話しかけていると、いつの間にか部屋に入って来た祖母が見咎め「罪人ども!」と怒鳴りました。クリスは溜まっていた鬱憤を爆発させ、祖母を追い返してしまいます。これが祖母の逆鱗に触れたのか、彼女はキャシーを隔離してその長い髪を乱暴に切りました。その後、ついに食事すら運ばれなくなってしまいます。キャシー達は痩せ衰え、特にコリーは病気になって日に日に弱っていきました。クリスはカミソリで腕を切り、自分の血をコリーに与えます。
「屋根裏部屋の花たち」のネタバレあらすじ:離れていく心
このままでは命が危ないと感じたキャシーとクリスは、再び脱出を計画します。深夜、そっとドアの蝶番を外した2人は寝静まった廊下に足を踏み出しました。忍び足で屋敷内を移動していたところ、高価な調度品に囲まれた豪奢な部屋を発見します。室内でコリーンの私物を見つけた2人は、ここが母の部屋であると確信しました。子供達の窮状に手を差し伸べず、自分だけ豊かな暮らしをしているコリーンに激怒するキャシー。クリスはコリーンから直接事情を聞こうと宥め、部屋を移動します。次に見つけたのは、大きなベッドで臥せっている祖父の部屋でした。そっと近付いたキャシーは、突然目を開けた祖父に捕まってしまいます。「可愛いコリーン」と呟く祖父の力は老人とは思えないほど強く、クリスがやっとのことで引きはがしました。2人は一目散に部屋に逃げ帰ります。その翌日から、また食事が運ばれてくるようになりました。冬を迎え、コリーの病状はますます悪化していました。そんなある日、久しぶりにコリーンが屋根裏部屋にやって来ます。彼女は祖父の愛を取り戻したと話し、社交界に復帰できると胸を躍らせていました。痩せ衰えた子供達を気にも留めないコリーンに、キャシーとクリスは惨状を訴えます。しかしコリーンは水を差されたことに腹を立て、「私を愛するようになるまで来ないわ」と言って屋根裏部屋を出て行ってしまいました。その内にコリーの容態がどんどん悪くなります。キャシーは病院に連れて行くべきだと祖母やコリーンに訴えますが、彼女達は動こうとしません。子供より金が大事なのかとコリーンに詰め寄るキャシー。コリーンに頬を叩かれた彼女はそれ以上の力で叩き返し、コリーが死亡した時は必ず復讐すると宣言します。病院に行くため部屋から連れ出されたコリーが戻ってくることはありませんでした。子供達の部屋を訪れたコリーンは、コリーは肺炎で手遅れであり、既に墓に埋めてきたと話します。悲しむ子供達を見ても、コリーンは冷淡にドアを閉め出て行くだけでした。
「屋根裏部屋の花たち」の結末:真実と復讐
悲しみに沈む兄妹は、コリーが飼っていたネズミが死亡しているのを見つけます。コリーが餌として与えていたのは食事の度に出されるクッキーでした。クッキーの欠片を見つけたクリスは、ある恐ろしい考えに慌てて医学書を調べます。そして「ヒ素がクッキーの砂糖に混じってた」と告げました。大人達の殺意を知ったクリスは、金目の物を盗んで屋敷から逃げ出そうと計画します。夜、部屋を抜け出したクリスは思いもよらない真実を知りました。コリーンが明日、新しい恋人バートと結婚するのです。母の裏切りという事実を前に、クリスは泣き崩れました。翌日。コリーンは子供達に食べさせるクッキーに、ヒ素入りの砂糖をたっぷり振りかけました。クリスは結婚パーティーの来客に紛れて脱出しようと考えます。部屋にやって来た祖母を殴って昏倒させた子供達は、真実を話すべく祖父の部屋に急ぎました。しかし祖父は既に死亡しており、大きなベッドも撤去されています。2ヵ月も前に書かれた遺言書の写しを発見したクリス。それによると、コリーンは最初の結婚で子供がいた場合、遺産を相続出来ない決まりになっていました。遺産相続のために子供達を殺害しようとしていたコリーン。それが分かったキャシー達は、コリーンとバートの結婚式に乗り込みます。キャシーは怒りに満ちた声で「ママ」と呼びました。驚いたコリーンは知らない子供だとシラを切ります。キャシーとクリスはバートや列席者の前で、コリーンの罪を全て暴露しました。結婚祝いだと言って、クッキーの欠片をコリーンに突き出すキャシー。コリーンは追い詰められたバルコニーから転落、ベールが引っ掛かって首つりの状態で死亡しました。手を繋いで悪夢の屋敷から出て行く子供達。その様子を祖母が窓から見下ろし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「屋根裏部屋の花たち」のあらすじと結末でした。
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