幸福(しあわせ)の紹介:1964年フランス映画。モーツァルトの音楽と共に映し出される、パリ郊外の町に住む一家のまぎれもなく「幸福」なピクニック風景。しかし、夫は間もなく郵便局員の女性と知り合い、彼女と妻を等しく愛し等しく「幸福」を味わうようになる。皮肉な物語と幸福感に満ちた映像が調和した、ヴァルダ初期の代表作。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。
監督:アニエス・ヴァルダ 出演者:ジャン=クロード・ドルオー(フランソワ)、クレール・ドルオー(テレーズ)、サンドリーヌ・ドルオー(ジズー)、オリヴィェ・ドルオー(ピエロ)、マリー・フランス・ボワイエ(エミリ)
映画「幸福(しあわせ)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「幸福(しあわせ)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
幸福(しあわせ)の予告編 動画
映画「幸福(しあわせ)」解説
この解説記事には映画「幸福(しあわせ)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
幸福(しあわせ)のネタバレあらすじ:起
夏の休日、フランソワは家族でヒマワリの咲きみだれる森にピクニックに出かけた。彼は家の内装が専門の大工で、近所に住むおじの会社で働いている。妻テレーズは家で洋服の仕立てをしている。ジズー、ピエロの幼い二人の子供がいて実直に暮らしている。
仕事先の町でフランソワはおじに電話をかけるために郵便局に入る。フォントネに電話をかけたいと言うと、局員の若い女性はそこに間もなく転勤すると言う。それがエミリとフランソワの出会いだった。
幸福(しあわせ)のネタバレあらすじ:承
フランソワとエミリは互いに好意をもつ。カフェで話をするようになる。フランソワは妻や子供の話もする。エミリは、フォントネに住む兄がアフリカに転勤するので兄の家の留守番をするために引っ越すのだという。引っ越したらすぐ、本棚を作るためにエミリを訪れるとフランソワは約束する。
テレーズの客の娘が、テレーズ自信作のウェディングドレスを着てフランソワとテレーズの家から結婚式に行ったその日、フランソワはエミリの家を訪れ、二人は自然に唇を交わし、結ばれてしまった。
幸福(しあわせ)のネタバレあらすじ:転
フランソワとエミリの情事は続く。エミリといてフランソワは幸福を感じる。でも、家にいても以前と変わりなく妻を愛していて幸福だった。テレーズはセックスの時おとなしく、エミリはもっと激しいという違いがある。でも同じように二人を愛していた。
ある休日、フランソワ一家はまた森にピクニックにでかけた。テレーズは以前にもましてうれしそうな夫のことが気になっていた。フランソワはその理由を話してしまう。ひと月前からエミリと関係をもっていること。エミリを愛していて幸福で、テレーズも愛していて幸福であること。テレーズは彼の幸福を納得し、この生活を許してくれたようだった。フランソワは喜ぶ。子供たちは眠っている。二人は草の上でセックスをした。
ひと眠りしたフランソワは、母親を探す子供の声で目覚める。テレーズがいない。彼は「金髪の青い服の女性を見なかったか」と森に遊びに来ていた人たちにたずねて回る。そのうちに池の周りが騒がしくなる。溺死体がみつかった。それはテレーズだった。
幸福(しあわせ)の結末
テレーズの葬儀が済んだ。親類は男一人の子育てを心配する。フランソワは子供たちと離れて暮らすことになる。
フランソワはエミリを訪れて求婚する。エミリは死んだテレーズの代わりは嫌と言う。フランソワにそんなつもりは全くなかった。エミリも妻も愛していたが、妻が死んだのでエミリと結婚するのは自然だった。
エミリをまじえてフランソワの家族は森にピクニックに行った。やがてエミリが子供たちの面倒を見、家事をするようになる。平穏な生活が戻った。
すっかり木の葉が色づいた頃、フランソワ、エミリ、子供たちは再び森にピクニックに行くのだった。
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