モニカ・ベルッチの 情事の紹介:1991年イタリア映画。「イタリアの宝石」と謳われるモニカ・ベルッチの映画デビュー作。己の美貌と肉体を駆使し、ピンチを乗り越えていく女性の姿を描く。実業家の夫が死亡した後、妻フランチェスカに遺されたのは一人娘と莫大な借金だった。フランチェスカは私財を売って生活費を捻出するが、長く続けられるはずもない。自分の魅力を理解している彼女は、とんでもない奇策を打ち出した。1口1億リラの懸賞を用意し、20人の参加者を募る。その当選者は、4年間愛人としてフランチェスカを好きに出来るというものだった。
監督:フランチェスコ・ラウダディオ 出演者:モニカ・ベルッチ(フランチェスカ)、マッシモ・ギーニ(チェーザレ)、ジュリオ・スカルパティ(アントニオ)、クリスティーナ・エンゲルハード(バーバラ)ほか
映画「モニカ・ベルッチの 情事」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モニカ・ベルッチの 情事」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
モニカ・ベルッチの 情事の予告編 動画
映画「モニカ・ベルッチの 情事」解説
この解説記事には映画「モニカ・ベルッチの 情事」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モニカ・ベルッチの 情事のネタバレあらすじ:夫の死
1990年代のイタリア。実業家の富豪マウリッツォ・パジーニが交通事故死し、妻フランチェスカと幼い一人娘が残されました。フランチェスカは深く嘆きますが、遺産があるので生活の心配は無いと思っています。
ところが蓋を開けてみると、遺産どころかマウリッツォには莫大な借金がありました。観光港の計画に失敗し、借金の総額は数億リラにも上るそうです。生命保険は半年前に解約されており、別荘も銀行の担保になっているため売れません。そのため、賃貸の家以外は全て差し押さえられてしまうだろうと説明されました。
これまでの何不自由ない生活から、突然借金苦に突き落とされたフランチェスカ。給料を用意出来ないからと家政婦を解雇しようとしますが、彼女は構わないと言います。職場として居心地が良く、金にも困っていないからとフランチェスカ達の世話をし続けました。家政婦は、まだ若く美しいフランチェスカを男達が放っておかないだろうと楽観的です。
フランチェスカは生活のため、友人に雇ってもらい働くことにしました。更に馴染みの弁護士チェーザレに船を売りますが、だいぶ買い叩かれてしまいます。金目の物はほとんど売り払い、友人知人を招いて宝石や毛皮を競売にかけました。しかし莫大な借金の前には、焼け石に水でした。
モニカ・ベルッチの 情事のネタバレあらすじ:裏切り
家政婦の言葉通り、未亡人になって早々男達がフランチェスカに声を掛けて来ました。議員のエンリコは特に熱心で、愛人になって欲しいと口説き倒します。その代わりに生活費を援助し、政治家の力を使った特権も与えると約束しました。フランチェスカは承諾し、しばらく彼と付き合うことにします。しかし心は満たされず、結局すぐに離れてしまいました。
そんなある日、親友カルラの家に遊びに行ったフランチェスカは、クローゼットに自分の毛皮があるのを見て驚きます。カルラはフランチェスカの窮状を知りながら、毛皮をかすめ取っていたのでした。激怒したフランチェスカはカルラの夫を自宅に呼び出し、誘惑して体の関係を持ちます。そしてセックスの代償として、新しい毛皮が欲しいと脅迫しました。
カルラの夫は喚き散らして出て行きますが、後日立派な毛皮がフランチェスカのもとに届けられます。フランチェスカはすぐに毛皮を売り払い、その金で1年以上滞納していた家賃、娘の保育園料を支払い、中古の車を購入しました。事実を知ったカルラは激怒し、フランチェスカの家を訪れます。
フランチェスカを盗人呼ばわりしたカルラは、マウリッツォがカミッラという女性ともう何年も浮気していたとばらしました。事故の日もカミッラと寝ていたのだと得意げに話すカルラ。これは友人全員が知っていることで、何も知らないのはフランチェスカだけでした。ショックを受けたフランチェスカは、結婚指輪をトイレに流します。
モニカ・ベルッチの 情事のネタバレあらすじ:フランチェスカの奇策
フランチェスカはチェーザレにある計画を持ちかけました。彼女はこの窮状を打破するため、自分自身を賞品にした懸賞を思いついたのです。参加者には1人1億リラの掛金でクジを引かせ、その掛金はフランチェスカのものになります。そして当選者は4年間フランチェスカを所有出来るという内容でした。
参加出来るのは20人。特定の人物にだけ、細心の注意を払って話を広めて欲しいと頼むフランチェスカ。チェーザレははじめ戸惑いますが、報酬を約束されたことで計画に乗ることにしました。チェーザレは慎重に懸賞の話を広め、掛金を集め、完璧な規約書を用意します。
美しいフランチェスカを自分のものに出来るとあって、様々な人が目の色を変えて参加すると言って来ました。その中にはカミッラの姿まであり、フランチェスカは動揺を隠せません。話を聞きつけた義母からは非難され、時に下劣な女だと罵られます。親友セレーナの夫までもが参加すると知り、フランチェスカはいよいよパニックになりました。セレーナの夫を説得しようとするも、彼は絶対に降りないと言い放ちます。
想像していた以上の欲望に搦め取られたフランチェスカは、懸賞を中止にしようとしました。しかしチェーザレは、もう手遅れだと言います。落ち込むフランチェスカに、チェーザレは自分がどうにかして当選者になろうと笑いました。彼もまたフランチェスカを欲しているのです。
モニカ・ベルッチの 情事のネタバレあらすじ:アントニオとの出会い
ある朝、娘を保育園へ送ろうと車を発進させたフランチェスカは、誤って若い男性にぶつかってしまいました。慌てたフランチェスカは彼を自宅に入れて手当てをします。アントニオと名乗った男性はフランチェスカを熱烈に口説き、何度振られてもめげずに彼女に付きまといました。
アントニオの真っ直ぐなアプローチに、フランチェスカは次第に心惹かれていきます。そしてついに肉体関係を結んでしまいました。一方で懸賞の話は順調に進み、ついに20人の参加者が決定します。
アントニオに惹かれるフランチェスカは憂鬱な気持ちでしたが、今更後戻りは出来ません。フランチェスカはアントニオと激しい夜を過ごし、翌朝彼に別れを告げました。もう二度と会わないと話すフランチェスカに、「4年後にも?」と言い出すアントニオ。彼は最初から懸賞の話を知っていて、その上でフランチェスカに近付いて来たのです。4年間は隠れて会おうと提案するアントニオに、フランチェスカは「哀れな人」と言い捨てて部屋を出て行きました。
モニカ・ベルッチの 情事の結末:密告者
抽選日の直前になって、恐れていたことが起こります。懸賞の話を検事局に嗅ぎつけられ、チェーザレが家宅捜索を受けたのです。検事によると、匿名の密告があったということでした。フランチェスカは検事の尋問を受けることになります。懸賞の話は本当かと問われたフランチェスカはあっさりと肯定しました。そして「慈善事業を否定する必要が?」と言い出します。
今回の懸賞はマウリッツォの友人達がフランチェスカと娘の状況を知り、助けるために計画してくれたことだと説明し始めます。フランチェスカ達の生活を助け、娘に高等教育を与えることが目的なのだと。内密にしていたのは、自分達母娘の自尊心を守ろうとしてくれたからだと。そして懸賞の賞品は、チェーザレが提供してくれた船だと、フランチェスカはまるで練習でもしてきたかのように嘘をスラスラと並べ立てました。
検事は納得出来ませんが、フランチェスカの話に矛盾がないため切り崩すことが出来ません。懸賞の参加者達も、社会的立場を考えると口を閉じるしかありませんでした。こうしてフランチェスカは慈善事業の名のもと、莫大な掛金を掴み取ります。
抽選が行われるはずだった土曜日、フランチェスカは娘と家政婦を連れ空港にいました。旅立つ彼女を追って来たのは検事です。検事に「密告者は誰だろうね」と問われたフランチェスカが美しく笑い、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「モニカ・ベルッチの 情事」のあらすじと結末でした。
何と言っても28歳の一番輝いていたモニカ・ベルッチの存在がこの映画の魅力です。彼女の娘も彼女以上の美貌の持ち主で、今後どのような人生を迎えるのか楽しみです。