不法滞在の紹介:1996年日本映画。入国管理局の辰巳は、不法滞在者に偽装パスポートを手配している男を追っています。やがて中国クラブが怪しいと踏んだ辰巳は、客として潜入しますが、その店のママであるコウランに会い動揺が走ります。捜査でありながらコウランに魅かれていく辰巳のとった行動は・・・という内容のハードボイルド作品です。
監督:香月秀之 出演者:陣内孝則(辰巳)、李丹(コウラン)、平泉成(山本)、古尾谷雅人(江川)、南野陽子(美奈子)、本田博太郎(横川)、石橋蓮司(周)ほか
映画「不法滞在」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「不法滞在」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「不法滞在」解説
この解説記事には映画「不法滞在」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
不法滞在のネタバレあらすじ:起
法務省入国管理局の辰巳らは、今夜も不法滞在で働く女性たちを検挙します。翌日、上海パブの取り締まりの会議が行われ、その夜、客を装った辰巳が店内に潜入し、証拠をつかんだ段階で連絡し、一斉に手入れが始まります。調査の結果、あるプロダクションが不法滞在の中国人たちにパスポートを手配していることがわかり、辰巳は陽子ら3人で張り込みを始めます。
出てきた社長の木村の後を辰巳が尾行します。木村は中国系クラブに立ち寄り、ピアノを弾いていたカレイと話をします。その後、木村は古ぼけたビルに入り、金髪の女に会います。隠れて見ていた辰巳は二人の中国人に襲われ、木村を見失ってしまいます。
翌日、刑事の江川が木村がワイヤーのようなもので首を絞められて殺された写真を見せます。クラブに手がかりがあるとにらんだ、辰巳は再び陽子ら3人でクラブを張りこみます。全く動きのない状況に、辰巳は客としてクラブに潜入します。そこでママとして紹介されたコウランを見て動揺します。ダンスを一緒に踊った辰巳は、コウランが自分が過去に捕まえた不法滞在者だったことを思い出します。
不法滞在のネタバレあらすじ:承
店を出て、再び張り込んでいると、高級外車に乗った男が、コウランを乗せ走りだします。高級マンションに二人が入っていくと、やがて電気が消えます。陽子が調べると、その部屋はコウランの部屋でした。
翌朝、男が車で帰って行きます。男を尾行すると、オートクチュールのオーナーの郭だと分かります。そして郭は、コウランを愛人にしていました。
日曜日、スーパーの中で辰巳がコウランを見つけます。買い物カゴのエビを見て、「エビチリソースが得意だ」と言う辰巳に、「家で作って」と言うコウランは、辰巳のアパートに上がりこみます。二人でエビチリソースを食べ、身の上話になり、コウランには日本人の夫がいる事、辰巳は娘を亡くし妻と離婚したことを話します。やがて、コウランは辰巳を誘いますが、辰巳はそれ以上の事は出来ませんでした。
一方、郭は翌朝、工場へ向かいます。工場の2階の小部屋では、3人の男が偽装パスポートを作っています。色々調べた結果、コウランの夫が横川だと知った辰巳は、横川に会いに行きます。横川は辰巳の先輩で、「コウランとは偽装結婚した。コウランは台湾に娘を残して出稼ぎに来ている」と教えました。
不法滞在のネタバレあらすじ:転
アパートに帰った辰巳は、悲しそうなコウランの留守電を聞き部屋に向かいます。コウランは食事を作って待っていて、二人はそのまま愛し合ってしまいます。
翌日、局長に呼ばれた山本と辰巳は「今回の捜査は警視庁に任すことにした」と言われます。納得のいかない辰巳がコウランに会いに行っていると、コウランが中国人二人に拉致され、車で連れ去られます。追いかけた辰巳は相手の車を壊しコウランを助けます。コウランは辰巳が入管の人間であることを覚えていて「私は郭の愛人です。郭は偽装パスポートの工場を持っている。自分だけ儲けて、金を払った中国人は皆苦労している」と言いました。
辰巳は山本の制止を聞かず、メンバーを連れ郭の工場の手入れをします。しかし、郭に手入れの情報が流れ、偽造パスポートの証拠は全て燃やされていたのです。郭の部屋に金髪の女がやって来ます。それは変装したコウランで、手入れの情報はコウランが流していたのです。郭はコウランをメイリンと呼び「あの男を今まで通り見張ってろ」と言います。
一方横川は、コウランが実はメイリンで、騙されていたことを知り、コウランを脅し1千万円を要求します。コウランは辰巳に「郭に手入れの情報を流したのは私です。それは台湾から来る周を迎えに行く郭と一緒に二人を逮捕してほしいから」と言って台湾行の航空券を渡し、「私台湾に帰る、一緒に行こう」と言いました。
不法滞在の結末
台湾マフィアのスネークヘッドのボスが周で、日本にいる郭と組んで、不法入国と偽装パスポートのセットで金を儲けていたのでした。更にコウランは、周に人質に娘をとられていたのです。
横川が金髪の女にひき逃げされます。横川は「金髪女はコウランだ」と言います。看病していた台湾人の女はコウランと一緒に不法入国し、周と郭の悪事を辰巳に話します。
台湾からの飛行機で周が降り立ち、郭が迎えます。部屋にいた辰巳は、金髪の女にワイヤーで首を絞められます。どうにか振り切り追いかけると、金髪の女は車に撥ねられます。その女はコウランに化けたカレイでした。
郭は店にコウランを呼びます。周とコウランを二人にして郭が店を出ます。辰巳はコウランの事が気になり、郭の店に向かいます。店で銃声が数発聞こえ、辰巳が中に入るとコウランが周と郭を射殺していました。「台湾の娘が死にかけているの」と叫ぶコウランに、「横川さんを撥ねたのか?」と聞く辰巳。コウランは「全て郭がカレイにやらせたもの。木村もカレイが殺した」と言います。辰巳は「後の事はオレに任せろ。羽田に行け」と言ってコウランを逃がします。
現場検証をした江川が、第一発見者の辰巳に聞きます。「スネークヘッドの内輪もめだろう」と言う辰巳は、飛行機の時間を見て、羽田に向かいます。江川は目撃証言からコウランの犯行だと知り、同じく羽田に向かいます。空港で待つコウランは辰巳を見つけ喜びます。その時コウランの横に横川がいて、コウランを射殺してしまいます。呆然と立ちすくむ辰巳と、それを見守る江川がいました。
以上、映画「不法滞在」のあらすじと結末でした。
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