ガメラ 大怪獣空中決戦の紹介:1995年日本映画。平成ガメラシリーズの第一作。まったく新しい怪獣映画としてリアリティを追求し、子供向けだった旧ガメラシリーズを一新し作成された。敵か味方か判断できないガメラとギャオスの対決を描いている。
監督:金子修介 出演:藤谷文子(草薙浅黄)、小野寺昭(草薙直哉/浅黄の父)、中山忍(長峰真弓/鳥類学者)、伊原剛志(米森良成/一等航海士)、本田博太郎(斎藤/環境庁審議官)、ほか
映画「ガメラ 大怪獣空中決戦」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ガメラ 大怪獣空中決戦」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ガメラ 大怪獣空中決戦」解説
この解説記事には映画「ガメラ 大怪獣空中決戦」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ガメラ 大怪獣空中決戦のネタバレあらすじ:起
プルトニウム輸送船を海上保安庁巡視船が警護し航行しています。水深3000mある海域で輸送船が座礁してしまいます。輸送船が揺れ、岩礁の方から離れていったと連絡があります。巡視船のレーダーには、巨大な岩礁が、船の真下を通過する様子が映っていました。動く岩礁は徐々に日本に近づいてきます。鳥類学者、長峰の元に電話がかかってきますが、出るとすでに切れていました。姫神島では、激しい嵐の中島民が逃げまどい何かに襲われます。海上保安庁巡視船一等航海士・米森は損害保険会社の草薙宅を訪れ、娘の浅黄と出会います。父・草薙は岩礁の調査のため海へ出ること、真相を知りたい米森に一緒に行くかと話します。草薙と米森、スタッフを乗せた調査船が海を行きます。長峰の元に、長崎県警の刑事・大迫が訪れます。長峰と大迫が姫神島を訪れると、民家が大きく損壊していました。島民17人が鳥のせいで姿を消したといいます。長峰は、こんなことが出来るのは人間だけだと反論します。民家跡で巨大な糞を発見調べると、中からペンが出てきました。それは音信不通だった長峰の先生の物でした。調査船がレーダーで岩礁を発見します。長峰と大迫が島の森を調査していると、鳴き声が響き渡り巨大な鳥が樹上を飛来していきます。長峰と大迫はヘリで後を追い空港へ警告を出します。鳥は別の島を襲います。長峰はヘリに注意を引き付け、カメラのフラッシュで怯ませることに成功します。島の上空には三頭の巨大な鳥が飛んでいました。調査船では岩礁へ上陸し調査を開始します。上陸した米森は、勾玉を発見します。勾玉はあちこちにありました。突起物のような物が見つかり掘って調べることになります。長峰と大迫は、環境庁の審議官と面会します。閣議で飛行生物の捕獲・保護が決まった、と話します。長峰に捕獲方法を考えてほしいと依頼します。長峰は危険すぎると反対しますが、決定事項だと聞き入れてもらえません。岩礁で突起物を掘り下げて見ると、それは石碑で表面には何か模様が描かれていました。奇妙な音と共に石碑の表面に亀裂が入り崩れ落ちます。岩礁全体が大きく揺れだします。米森らスタッフは海に投げ出されてしまいます。米森は海中で、岩礁に頭、目らしき物を見かけます。
ガメラ 大怪獣空中決戦のネタバレあらすじ:承
長峰と大迫はドーム球場へ、飛行生物をおびき寄せ、閉じ込める方法を考えます。自衛隊が準備を進めます。飛行生物三匹が飛び立ちます。ヘリで誘導を開始します。米森がヘリで到着し、指令所に動く岩礁の巨大生物が、まっすぐドームを目指して進行していることを告げます。誘導された飛行生物三匹は、ドーム内の餌に喰いつきます。合図と共に開閉式の天井が閉じ始めます。自衛隊が麻酔銃で狙撃しますが、天井が閉まり切っておらず、一匹逃がしてしまいます。逃げた飛行生物の前に、海中から岩礁の巨大生物が現れ一撃します。飛行生物は弾き飛ばされパイプラインへ激突、爆発炎上します。ドームでは二匹の飛行生物が麻酔銃にて眠らされています。市街地を破壊・炎上させながら巨大生物が進行してきます。人々が逃げ惑います。ドームへ巨大生物が迫ります。飛行生物が目を覚まし、囚われていた檻を光線で切断し逃げ出します。巨大生物も回転飛行し、後を追い飛び去ります。草薙家では石碑に書かれていた文字を解読しています。「最後の希望ガメラ 時の揺りかごに託す 災いの影 ギャオスとともに目覚めん」と書かれていました。米森は浅黄に拾った勾玉をプレゼントします。浅黄の手にある勾玉が仄かに光ります。米森は長峰の元を尋ねます。長峰は大迫と姫神島へ調査に行っていて不在でした。姫神島では二人が洞窟を調べています。巨大な卵の殻と飛行生物の死骸が点在しています。仲間同士で喰い合ったようです。
ガメラ 大怪獣空中決戦のネタバレあらすじ:転
ガメラが海中から飛び立ちます。木曽山中を米森と草薙が車を走らせています。山間に警戒の鐘が響きます。村人は鳥が現れたと話します。吊り橋の奥から長峰が子供を抱きかかえて逃げてきます。中ほどまで来た所で、背後の木陰からギャオスが現れます。転倒した長峰に米森が駆け寄ります。飛んだギャオスが襲い掛かります。寸前で巨大な火球が飛来しギャオスは回避します。咆哮が響きガメラが現れます。ガメラは火球を放ちます。火球はギャオスを直撃し、爆発四散します。もう一匹のギャオスが飛び立ちます。ギャオスは吊り橋に向かって光線を発射します。長峰や米森が巻き沿いになりかけますが、ガメラが腕で光線を遮り助かります。飛び去るギャオスを追って、ガメラも飛び立ちます。ガメラに向かって迎撃ミサイルが発射されます。ギャオスを追撃していたガメラへ命中します。ガメラは墜落していきます。勾玉を持った浅黄は、ガメラを追って移動していきます。戦車部隊がガメラへ迫ります。富士山の麓でガメラに砲撃を開始します。浅黄を乗せたタクシーは規制線を突破、攻撃されるガメラの側まで来ます。空爆も始まります。ガメラが攻撃されると浅黄も苦しくなります。ギャオスが現れ、上空からガメラへ向かって突撃してきます。浅黄の、逃げて、という声に答えるようにガメラは回避を開始します。上空からの光線攻撃を避けきれず、ガメラは腕を負傷します。浅黄の腕からも出血します。ガメラは飛翔し退避します。浅黄は気を失ってしまいます。長峰はギャオスの染色体検査の結果から、ギャオスは一匹でも繁殖が可能だと判断します。月夜に照らされたギャオスが脱皮を始めます。一回りも二回りも大きく成長します。寝込む浅黄、ガメラも海底に身を横たえ傷を癒していました。
ガメラ 大怪獣空中決戦の結末
夜、走る電車にギャオスが迫ります。パニックになる車内。ギャオスは列車を、かぎ爪で捕らえ持ち去ります。公園に着地したギャオスは、列車を引き裂き喰い漁ります。夜が明けると、眠るギャオスへ向けて砲撃が開始されます。土煙が立ち込める中、ギャオスは何事もないように飛び立ちます。ミサイル二基が追尾します。ギャオスは東京タワーを旋回、ミサイルはタワーへ命中し半壊します。中ほどで折れた東京タワーに、ギャオスが降り立ちます。日が沈みますが、ギャオスはタワーの上から動きません。眠り続ける浅黄の勾玉が光を帯び始めます。呼応するように、海底のガメラの身体も発光、開眼し、身を起こし始めます。浅黄も目を覚まします。父に連れられ、指令所に浅黄が到着します。地面が揺れだし、浅黄の、来た、という声と共に地中からガメラが姿を現します。同時に火球をギャオスへ向けて発射、ギャオスは飛翔し回避します。爆発するタワーから、巨大な卵がいくつも落下してきました。飛行するギャオスへ向けて、追撃しながら火球を連続発射するガメラ。いずれもギャオスは回避し、ガメラへ向けて光線を発射します。ガメラの顔面をかすめ負傷を負わせると、ヘリで追う浅黄の顔にも傷が現れました。ガメラは地面へ落下します。起き上がるガメラへ、飛来したギャオスがかぎ爪で襲い掛かります。地上に降り立ったギャオスとガメラは格闘を始めます。ガメラが押し始めますが、ギャオスは空中からかぎ爪攻撃を浴びせます。後退しながらガメラは肘から突起物を出し、大きく振りかぶりギャオスの身体を切り裂きます。飛び立つガメラ。後を追ってギャオスも飛翔します。宇宙空間で相対するガメラとギャオス。ギャオスの片足に噛みついたままガメラは落下を始めます。光線を浴びせられますが、ガメラは放しません。きりもみ状態で落下していきます。ギャオスは光線を発射、自ら片足を切断し離脱します。ガメラはコンビナートへ落下し、大爆発、大炎上します。ギャオスは追撃で光線を発射、次々に爆発が起きます。浅黄達の乗ったヘリが着陸します。ギャオスも片足で降り立ちます。浅黄が父と手を結び、勾玉を握りしめると炎上していた炎が一点に集まり始めます。炎が収束するとガメラが姿を現しました。対峙するガメラとギャオス。お互いに光線と火球を同時に発射、光線はガメラの顔面を掠めます。火球は拡大しながらギャオスへ命中、大爆発します。光線が天に向かって放たれ、徐々に消えていきました。ガメラは浅黄の傷を癒します。勾玉から光が消え、ガメラはゆっくりと海中に姿を消します。
宿敵のコウモリ型・人食い怪獣ギャオスとの死闘をメインに、伝説のアトランティス大陸まで遡る壮大なストーリーは、かなり頑張っていて、初期から中期のゴジラシリーズのように、人類が無意味に怪獣たちを攻撃しないのがいい。
ギャオスが単体生殖で、極めて繁殖率が高く、しかも夜行性で人間を好むなど、いろいろな仕掛けが施されているのも凝っている。
とにかく、特撮がリアルで見事だ。
ギャオスの幼体を捕獲するシーンは、実際に当時の福岡ドームで撮影して、屋根を開き、とにかく大掛かりなのだ。
そして、自衛隊の兵器や航空機等も本物が使用され、ミニチュアを使ってのビル街のセットなども頑張っていると思うな。
興味深かったのは、ガメラと心で交信する少女役の藤谷文子は、スティーヴン・セガールの実の娘さんだということだ。