ガス燈の紹介:1944年アメリカ映画。1940年に制作された同名映画のリメイク作品。結婚を機に叔母が殺害された家で暮らすことになったポーラ。彼女は夫から物忘れや窃盗癖を指摘されるようになり、次第に自らの正気を疑うようになる。精神的に追い詰められていくポーラの恐怖と謎を描いた心理サスペンスの名作。ポーラ役のイングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した。
監督:ジョージ・キューカー 出演者:シャルル・ボワイエ(グレゴリー・アントン)、イングリッド・バーグマン(ポーラ・アルキスト・アントン)、ジョゼフ・コットン(ブライアン・キャメロン)、アンジェラ・ランズベリー(ナンシー・オリヴァー)、バーバラ・エヴェレスト(エリザベス・トンプキンス)ほか
映画「ガス燈」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ガス燈」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ガス燈の予告編 動画
映画「ガス燈」解説
この解説記事には映画「ガス燈」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ガス燈のネタバレあらすじ:殺人事件
舞台は19世紀末のロンドン、ソーントン広場。人気歌手アリス・アルキストが自宅で遺体となって発見されます。事件は未解決のまま、アリスに育てられていた姪ポーラは、アリスの友人で声楽教師のグアルディに預けられることになりました。10年後、アリスそっくりの美しい女性に成長したポーラは、ピアニストのグレゴリー・アントンと恋に落ちます。以前からロンドンに憧れていたという彼のため、ポーラはずっと避けていたソーントン広場の屋敷に戻ることにします。結婚し引っ越した当日、ポーラは楽譜に古い手紙が挟んであるのに気付きます。差出人の名はセルギウス・バウアー。アリスが殺害される2日前の手紙でした。すると突然血相を変えて手紙をむしり取ったグレゴリーは、アリスを思い出させる物は全て片付け、屋敷を改装しようと提案します。
ガス燈のネタバレあらすじ:しのび寄る異変
グレゴリーは家に誰かを招くことを極端に嫌がる男でした。ポーラの神経に障るからだと、料理人エリザベス・トンプキンスやメイドのナンシー・オリヴァーに説明します。ある日、母の形見のブローチをポーラにプレゼントしたグレゴリー。2人はそのままロンドン塔へ向かいます。ところが見学の最中、ブローチが無くなっていることにポーラが気付きます。宝石に目がないグレゴリーは王冠の宝石に熱心に見入っていました。ロンドン塔を後にするグレゴリーとポーラ。その姿を、たまたま居合わせたブライアン・キャメロン警部がじっと見つめていました。帰宅後ブローチの紛失を知ったグレゴリーは、ポーラの物忘れの酷さを注意します。戸惑うポーラが自室で過ごしているとガス燈がふいに暗くなり、天井から足音が聞こえ始めます。ポーラは不安で仕方がありませんでした。
ガス燈のネタバレあらすじ:怪しい行動
ブライアンはアリスの事件を再捜査するため訪れたロンドン警視庁で、彼女が所持していた貴重な宝石が行方不明になっていることを知ります。ブライアンはウィリアムズという警官を味方につけ、アントン邸を調べ直すことにしました。ポーラの物忘れと身に覚えのない窃盗癖は日に日に酷くなっていました。グレゴリーに責められ、ポーラの精神は次第に追い詰められていきます。そして11月12日、夫妻宛に近所のダルロイ邸から音楽会の招待状が届きました。家に篭ってばかりで気が滅入っているポーラは、グレゴリーの反対を押し切って出かけようとします。慌てたグレゴリーが同行したダルロイ邸にはブライアンの姿もありました。ブライアンに気付いたグレゴリーは時計が無いと言い出し、ポーラのバッグから取り出してみせます。動揺して泣き出したポーラを連れ帰ったグレゴリーは彼女の失態を責め、仕事のため外出します。ブライアンはグレゴリーを尾行しますが彼は忽然と姿を消してしまいました。ウィリアムズからグレゴリーが3時頃袋小路から突然現れたと報告を受けたブライアンは、急遽アントン邸を訪ねることにしました。
ガス燈のネタバレあらすじ:グレゴリーの正体
夜、グレゴリーが外出したのを見計らいやって来たブライアン。ほとんど押し入るように家の中へ入った彼は、怯えるポーラに「あなたは正気です」と断言します。ブライアンがかつてアリスのファンだったことを知り警戒を解くポーラ。ブライアンの尋問により、天井の足音や暗くなるガス燈といった怪現象は全てグレゴリーの留守中のことだと判明します。グレゴリーは一旦家を出た後裏の路地を通り、空き家から屋根伝いに屋敷に戻り屋根裏へ侵入していたのです。屋根裏にはアリスの持ち物がしまいこんであり、その中で何かを探しているようです。ブライアンはグレゴリーの机をこじ開けバウアーからの手紙を発見、筆跡からバウアーとグレゴリーが同一人物であると断定します。彼はアリスを殺害し、更に奪い損ねた宝石をずっと狙い続けていたのです。
ガス燈のネタバレあらすじ:事件解決
屋根裏のグレゴリーはついに目的の宝石を見つけ出し、そのまま堂々と屋敷の階段を降りて来ます。机がこじ開けられたことに気付きポーラを責めますが、現れたブライアンに罪を暴かれてしまいました。屋根裏へ逃げるグレゴリーをブライアンが追います。ポーラが恐る恐る上がっていくと、ブライアンは無事宝石を取り戻し、グレゴリーを椅子に縛り上げていました。往生際悪く嘘で丸め込もうとするグレゴリーに、今まで抑圧されてきた怒りをぶつけるポーラ。グレゴリーは警察に連行され、この映画は終幕を迎えます。
以上、映画ガス燈のあらすじと結末でした。
「ガス燈」感想・レビュー
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Gas-lighting という心理学用語から調べました。今のモラルハラスメントに似た所がありますね。昔から描かれていたとは知りませんでした。
1944年と言えば世界大戦中、このような映画を作る程のゆとりある国と日本は戦争していたんですね。