魂のジュリエッタの紹介:1964年イタリア,フランス映画。夫に従順で貞節な妻ジュリエッタが、夫の浮気をきっかけに苦悩しながらも自立する姿を色鮮やかな幻想を交えて描く。フェリーニが手がけた初の長編カラー映画。
監督:フェデリコ・フェリーニ 出演:ジュリエッタ・マシーナ(ジュリエッタ)、サンドラ・ミーロ(スージー)、マリオ・ピスー(ジョルジョ)、シルヴァ・コシナ(ドロレス)、ヴァレンティナ・コルテーゼ(バレンティナ)、カテリーナ・ボラット(ジュリエッタの母)、フレデリック・レデブール、ほか
映画「魂のジュリエッタ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「魂のジュリエッタ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「魂のジュリエッタ」解説
この解説記事には映画「魂のジュリエッタ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
魂のジュリエッタのネタバレあらすじ:起・浮気の疑惑
夫を愛し、ひたすら従順で貞節な妻ジュリエッタ。15年目の結婚記念日を2人で祝おうと準備をするが、すっかり忘れていた夫ジョルジョは大勢の客を引き連れて帰ってくるが、ジュリエッタは笑顔を絶やさず皆をもてなす。
客の1人の胡散臭い霊媒師のもと、交霊術が始まるが、ジュリエッタは霊に無価値な人間だと言われて一瞬意識を失う。翌日、近くの海辺で居眠りをしていたジュリエッタは幻覚を見る。
その晩遅くにジョルジョが帰ってくるが、食事もせずにすぐに寝てしまう。ジュリエッタも寝ようとすると、寝言で「ガブリエッラ」という女の名前を口にしたため、翌朝、問いただすがはぐらかされる。最近無言電話も多いとメイドに聞かされたジュリエッタは、夫の浮気を疑い始める。
魂のジュリエッタのネタバレあらすじ:承・救いを求めて
ジュリエッタは、友人の誘いで有名占い師のもとを訪れて相談すると、「愛される努力をしろ」と言われ、「今夜素敵なことが起こる」と予言される。家に帰るとジョルジョが魅力的な友人ホセを招いていた。ジュリエッタは優雅な仕草とロマンチックな言葉を繰り出すホセに揺れるが、その晩、夜中に声を潜めて電話をするジョルジョに疑惑はますます深まる。
姉の助言で、興信所に調査を依頼したジュリエッタは、祖父が踊り子と駆け落ちして数年後に戻ったこと、学校の劇で炎に焼かれる殉教の天使を演じて祖父が激怒したことなど、幼い頃のことを思い出していた。
そんな中、迷い込んできた猫を返しに隣家を訪れたジュリエッタは、その屋敷の主スージーに出会う。自由奔放に快楽を追求するスージーと話すうち、どこからともなく「スージーに従え」という声が聞こえてくる。
魂のジュリエッタのネタバレあらすじ:転・真実の追究
やがて興信所の調査結果が分かり、ジョルジョはガブリエッラというモデルと浮気しているという事実を突きつけられる。ショックを受けたジュリエッタは、招待されたスージーのパーティーに赤いドレスをまとって参加し、スージーが用意した美青年と楽しもうとするが、火刑の少女の幻覚が見えて逃げ帰る。
それからも、いろいろな幻覚が見えるようになったジュリエッタは、誰の忠告に従えば良いのか分からなくなり、思わず我を忘れて叫ぶ。弁護士の友人は離婚訴訟を起こすべきだと言い、居合わせた心理学者からは「物事に囚われすぎている、1人になるのを恐れているが、本当は1人になりたいのだ」と告げられる。
魂のジュリエッタの結末:本当の自分をみつめて
ジュリエッタはガブリエッラの家を訪れる。彼女は留守だったが、メイドから恋人と旅行に行くという話を聞く。電話でガブリエッラと話したジュリエッタだったが、横柄な態度の相手に怒りがおさまらない。
結局会えないまま自宅へ戻ると、ジョルジョが出張に出ると言って荷造りをしていた。いろいろを言い訳をしながら家を出て行く夫を、ジュリエッタは笑顔で送り出す。
ジュリエッタはこれまで囚われ、見続けてきた幻覚から自分自身を解放し、本当の友達の声を聞いて家を後にするのだった。
以上、映画「魂のジュリエッタ」のあらすじと結末でした。
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